オプトが唱える「広告」だけではないインターネットマーケティング - (page 2)

西田隆一(編集部)2006年03月13日 10時00分

--検索連動型広告のようなロングテール型の広告が伸びています。また、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)やブログなどの新しいメディア形態も伸びています。こういった動きをWeb 2.0とすると、Web 2.0時代の広告はどう変化するとお考えでしょうか。

 エンドユーザーのネットの参加によってCGM(Consumer Generated Media)やブログが台頭してきます。一方、パーソナライズという言葉に代表されるように、エンドユーザーは自分のためのネット活用を加速させていきます。

 また、ポータルサイトがAPIを公開することで、そのAPIを使った独自のシンジケート作りが行われます。つまり、ポータルサイトではないその周りのサテライトでいろいろなサイトがつながっていきます。検索技術力が向上しているポータルサイトでは、シンジケート化がさらに広がって数多くの広告主によって広告がロングテールの広がりを見せてきます。

 結局、このような動きを全部つなぎあわせると、インターネット上のユーザーの行動が多様化していて、それがより複雑化・加速化するということなのです。これにあわせる形での広告商品が今後台頭していきます。どういう広告が台頭するかというと、エンドユーザーが訪問したときの訪問コンテンツもしくは、エンドユーザーが訪問したという行為自体にマッチングさせた広告などが例です。

 検索連動型広告というのも訪問行為に合わせたマッチング広告です。これが台頭するということははWeb 2.0の考え方の原点だと思っています。

 一方、市場規模の大きい従来型のディスプレイ広告は、新形態を見せていかないと市場が伸びていきません。その一例が「リッチ化」です。これは業界をあげて盛り上げていこうとしていますし、弊社も強化しております。

--Web 2.0の動きに対して取り組んでいることはありますか。

 たとえばクラシファイド広告があります。クラシファイド広告というのは特定分野のおける情報一覧形式の広告を指します。弊社では昨年、専門の子会社「クラシファイド」を設立しました。クラシファイドは大企業クライアントを攻めるというよりも、どちらかというと小さなクライアントも含めてくまなく情報を集めているのです。現在は「ヤフー不動産」の新築マンションの物件の情報ばかりを一件一件集めている会社です。

 これはある意味、マッチング広告と概念は一緒です。ヤフー不動産に行くエンドユーザーは当然、不動産を見たいので、詳細な物件広告をマッチングさせているのです。しかも表示形式が一覧形式になっているのです。

 この情報を集めるために専門部隊を組織しています。ポータルサイトの立場からするとロングテール的な情報収集というのは2つのやり方があると思っていて、1つは情報提供者が自発的にポータルサイトにアプローチして情報をインプットしてもらう方法と、もう1つはそこに仲介の営業会社が入ってロングテール的な情報を集めるという方法です。この後者を弊社でやっているのです。

--結局のところ、インターネットマーケティングは、電通が発表するような「インターネット広告費」でしかとらえられていないと思います。

 われわれの事業に対する市場の概況といったときに、把握できるのはインターネット広告の市場の推移しかありません。インターネット広告以外の市場が後ろにもっとあるのに、市場はインターネット広告でしか語られていない。米国では広告以外のEマーケティングの市場の推移というのがあります。

 次に述べるのは一例ですが、明らかにインターネットを「広告」という形で使っているクライアントもいれば、インターネット広告を販促のために出稿しているクライアントもいます。自動車メーカーがバナーを出すのは広告ですが、Eコマースがどれだけ売り上げるかということや証券会社がどれだけユーザーを獲得できるかというのは、そもそも広告という発想ではなくて販促的な発想です。

 クライアントのインターネットに対する考え方や使い方ははさまざまあるにも関わらず、市場的にはインターネット広告と一括りで言われているのです。

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