---Liberty Allianceの仕様についてはどうお考えですか。
InfoCardはLibertyに対抗する技術ではありません。私はLibertyを高く評価しています。Libertyは、ポリシー、フェデレーションの統率など、多くの優れたアイデアを実現しました。Liberty対応のサイトでも、InfoCardを使用して顧客とやり取りすることは可能です。
WS標準とLibertyを比べてみると、Libertyは現在SAML (Security Assertion Markup Language) プロトコル上で動作しており、WS標準はそれとは若干異なりますが、両者は一部のコンポーネントを共有しています。われわれは現在、そうした違いを統一する作業を進めています。しかし、そうした違いがInfoCardに影響を与えることはありません。
---XPマシンでは、IE7からInfoCardが利用可能になるということですが、XPユーザーは必要なコードをどのように入手すればよいのですか。
XPでは「WinFX」の一部として提供されます。
---ということは、クライアントがソフトウェアをダウンロードするわけですね。
そうです。ダウンロードのプロセスはできるだけ簡単なものにしたいと思っています。
---だとすると、仕事用のマシンと自宅のマシンにまったく同じInfoCardを置くということも可能なわけですね。それは、セキュリティ上のリスクになりませんか。InfoCardを転送できるということは、盗まれる可能性もあるのでは。
その心配はありません。というのは、InfoCardには個人情報は格納されていないからです。
InfoCardは、視覚的なインターフェイスとIDプロバイダにアクセスするための手段を提供しているだけです。InfoCardを盗んだところで、そうした輩が望むような情報は何も得られません。
---企業のサーバ上には個人データは残されないのでしょうか。
たとえば、クレジットカード会社の場合を例にとると、利用者はクレジットカードを使うとき毎回カード会社にアクセスすることになるので、カード会社は、1回きりのクレジットカード番号を発行できます。ですから、利用者が本当のクレジットカード番号を提示する必要はありません。
---InfoCardはVistaに同梱される予定ということですが、実際には、いつ頃から利用できるようになりそうですか。
Vistaが出荷される頃には、InfoCard対応のサービスが提供されるようになると思います。今、具体的な企業名を挙げることはできませんが、どの業界にも、InfoCardを推進しようとする人たちがいます。われわれが現在いっしょに作業しているのはそうした人たちであり、そうした人がいる企業はInfoCard対応のアプリケーションを動かすようになるでしょう。
InfoCardは単なるID管理技術ではありません。強力なプライバシー保護を実現する疑似匿名化ともいうべき非常に興味深い技術も提供します。われわれはこのプロジェクトで、プライバシー擁護派の人々と協力し、設計段階から彼らを仲間として受け入れてきました。技術オタクの集団がガレージにこもって、プライバシー擁護派たちを怒らせるような何かを思いつくといったことがよくありますが、InfoCardは決してそうした技術ではありません。
---パートナー企業についてはいつ頃お話いただけますか。
Vistaの出荷日が近づいてきたらお話しします。
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