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J・ベゾス:「アマゾンの書籍デジタル化はここが違う」

2005/11/18 14:12
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 それは、単なる偶然だったのだろうか。しかし、Amazon.comと、冷静な判断力で知られる同社CEOのJeff Bezosに関する限り、偶然が起きる確率はきわめて低いように思われる・・・

 Googleが数千冊に及ぶ「パブリックドメイン」の書籍をオンラインで公開したその日に、Amazon.comはユーザーがウェブ上で本を読むことを可能にするプログラムを発表した。

 Amazonにとって、これは未知の領域というわけではない。同社は2年前に「Search Inside the Book(なか見!検索)」と呼ばれる新機能を導入し、テクノロジー業界を書籍のデジタル化に駆り立てることになった。その名が示す通り、この機能はユーザーが書籍の中身を検索できるようにするものだ。

 Search Inside the Bookの登場を機に、著作権を保護しつつ、書籍への電子的なアクセスを拡大する方法について、関係者の間で盛んな議論が行われるようになった。

 米作家協会と米国出版社協会は、Googleの「Print Library Project」が違法であるとして同社を訴えた。Googleはハーバード、スタンフォード、ミシガン、オックスフォードの各大学図書館とニューヨーク公立図書館の蔵書をデジタル化し、オンラインで検索することを可能にしようとしている。米作家協会と米国出版社協会は、著作権で保護されている作品の全文をスキャンするという行為は、著作権の侵害に当たると主張している。一方、Googleではこのプロジェクトは著作権法に規定された「公正使用(fair use)」の範囲におさまるものだと反論している。

 BezosはCNET News.comのインタビューに対し、自社のプロジェクトが「出版社の許可と協力」を得たものである点を繰り返し強調した。

--書籍デジタル化計画の目的は何ですか。

 この計画は2つのプログラムで構成されています。ひとつは「Amazon Pages」、もうひとつは「Amazon Upgrade」です。この2つはまったく別のプログラムですが、相互に補完し合うように考えられています。Amazon Pagesはユーザーが書籍をページ単位で購入することを可能にするもので、ほとんどの場合、ページ単価は数セントになる見込みです。

--誰が価格を決定するのですか。

 最終的な決定権は出版社、つまり著作権者にあります。しかし、ほとんどの書籍ではページ単価は数セントになるでしょう。これは究極の「単体販売」です。書籍をページ単位、章単位で購入することで、ユーザーは自分だけの教科書を作ることができるようになります。

 これに対して、「Amazon Upgrade」はユーザーが通常の書籍と共に、その書籍をオンラインで読む権利を購入できるようにするものです。このプログラムも、価格は書籍の値段に少し上乗せする程度となる予定です。書籍は通常のプロセスにしたがって、Amazonから出荷されますが、アクセス権は即時に発行され、ユーザーはいつでも好きなときに、その書籍をオンラインで読むことができるようになります。

 たとえば、ソフトウェアプログラミングに関する本を購入するとしましょう。新しいプログラミング言語を学んでいるときは、参考書を時間をかけて読みたいと思うかもしれません。その場合は、通常の書籍の形で読むのがベストです。しかし、コーディングに取りかかったら「必要な部分を迅速に参照したい」「その本をリファレンスとして使いたい」と思うようになるかもしれません。そのようなときは、Amazon Upgradeがぴったりです。

--ページ単価はおおむね数セントになるということですが、このサービスはいつ頃から始まるのですか。

 来年を予定しています。サービスの開始日は、まだはっきりとは申し上げられません。

--そのような段階で発表に踏み切ったのはなぜですか。同じ日に、Googleが図書館の数千冊の蔵書をスキャンし、検索データベースに加えたことを発表したことと、何らかの関係があるのですか。

 この計画を発表したのは、新しいプログラムに関する出版社との議論が過熱し、秘密にしておくことができなくなったからです。発表せざるをえない状況だった、といってもいいでしょう。計画を知る人があまりにも増えてしまいました。実は、この計画は2年前から始まっています。2年前、われわれは「Search Inside the Book」というプログラムを発表しました。すでにご存じと思いますが・・・

--ええ、知っています。

 過去2年間で、このプログラムは飛躍的に拡大しました。この2年間、われわれは毎日書籍をスキャンしてきました。現在も毎日続けています。今では、米国で販売されている書籍の2冊に1冊がこのプログラムに参加しています。このプログラムはスタート時から一貫して、出版社の許可と協力の下で行われてきました。その方針は今後も変わりません。

--Googleのプロジェクトは著作権の問題に直面しています。Amazonは著作権の問題にどう対処するつもりですか。

 やり方は各社各様ですから、他社についてはコメントしません。ですので、ご質問に対しては、「Amazon PagesとAmazon Upgradeは、Search Inside the Bookとまったく同じアプローチを採用している」とお答えしておきましょう。それは「著作権者に主導権を与える」ということです。プログラムに参加するかどうかは出版社が決定します。当社は出版社と連携し、このような形で彼らの書籍を公開することに対する許可を得ているのです。

--Amazonのプログラムは、Google、Yahoo/Internet Archive、MSNなどが進めているプロジェクトと正面から競合することになるのでしょうか。それとも、これらのプロジェクトと連携する可能性もあるのですか。

 書籍には3つの種類があります。刊行中の書籍、絶版の書籍、そして著作権が消滅している書籍です。

 このうち、パブリックドメインとなっているのは著作権が消滅している書籍だけです。これらの書籍は、当社はもとより、誰でもスキャンすることができます。料金も発生しません。当社が顧客に対価を請求することもありません。これらの書籍はすでに公共の財産であり、誰でも無料で手に入れることができるからです。

 一方、著作権で保護されている書籍は、絶版になったものも含めて、Search Inside the Bookと同じように、新プログラムへの参加を促進したいと考えています。参加書籍の数を増やすために、引き続き出版社と連携していくつもりです。Search Inside the Bookは本のサンプルを見るためのものですが、Amazon PagesとAmazon Upgradeは、ユーザーが本の内容を実際に読むことを可能にするものです。どのページでも構いません。Search Inside the Bookのような制限事項もありません。利用している技術も似ていますが、出版社と連携するという点でも、これらのプログラムは非常によく似ています。

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