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グリー、田中社長のSNS式起業の方法

2005/10/20 19:28
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 GREEといえば、mixiと並ぶ二大ソーシャルネットワークサービス(SNS)だ。日本のSNSブームは、Googleの運営するOrkutがきっかけだが、日本人のユーザー数でOrkutを最初に抜いたのがGREEだと言われている。

 GREEは当時、楽天の社員だった田中良和氏が1人で開発し、運営していた。その後GREEは2004年12月に法人化したが、2005年10月に法人化して以来初めて大幅なリニューアルを実施するとともに、アルファ版からベータ版への移行を発表した(関連記事)。

 現在、GREEのページビューは1日250万程度で、ユーザー数は約24万人だ。ライバルのmixiは、2005年8月にユーザー数100万人を突破しているが、GREEでもリニューアルを機にサービスを拡充させる考えだ。グリーの代表取締役社長である田中良和氏に、法人化から現在までの活動と今後の事業展開について聞いた。

--グリー法人化後、初の大幅リニューアルですね。まず、法人化してからの活動内容を聞かせてもらえますか。

 会社として登記したのが2004年12月で、最初のオフィスができたのが2005年2月でした。春に初めてエンジニアを採用し、6月には資金を調達しました。その後、社員が増えたので7月に現在のオフィスに引越しました。つまり、この1年はサイトを作るというよりは、会社の体制作りに追われていたというのが実際のところです。

 今回のリニューアルは、法人化して以来の大きなニュースと言えるかもしれません。ほとんどのメディアでGREEについてのニュースは、2004年末の「グリー法人化」で止まってしまっているのではないでしょうか。

 あれから約10カ月間、とにかく会社としてのインフラ作りに追われていました。同じ20歳代が中心の会社でも、はてなやイー・マーキュリーは、これまで数年間会社として活動してきた実績があり、だからこそ新しいサービスや機能の追加も迅速に動できます。

 それに対して、GREEはあくまでも私個人が趣味で1日数時間の余暇を使って運用していたサービスでした。最初は機能の追加もできましたが、ユーザーが増えるにつれてサポートメールを書いているだけで1日が終ってしまうこともあったのです。

 グリーは、はてななどの新しい世代のインターネット企業と同じように扱われますが、実は法人化したばかりで、他社よりスタートが5〜6年遅れています。この遅れを急ピッチで取り戻さなければなりません。起業から1〜2年以内にどこまで追いつけるかが重要な鍵だと思います。ただ、ここで幸いだったのは、本当にいい人材を大勢確保できたことでしょう。

--ベンチャー企業にとって人材確保は最重要課題ですね。人はどうやって集めたのですか。

ソーシャルネットワーク的な人材集めを実践した田中社長

 私自身は、副社長の山岸広太郎と最高技術責任者(CTO)の藤本真樹を誘っただけなのですが、そこからはまさにソーシャルネットワーク的に人が集まってきました。

 現在、グリーには12〜13人のインターンを含む総勢30名ほどがいます。うち1割程度は、ウェブの人材募集ページを見て応募してきましたが、残りの9割はほかの社員が優秀な友人を引き入れたのです。まさにリアルなソーシャルネットワークといえるでしょう。SNSと求人情報の相性の良さを証明しているかのようです。

 ちなみに、CTOの藤本は一部で「PHPの神」とも呼ばれている人物です。PHPは、オープンソースのウェブアプリケーション開発言語で、世界でだいたい50〜100人のプログラマーが貢献しています。日本からは3〜4人が貢献していますが、藤本はその中でも有名な1人なのです。GREEもPHPで開発していますが、PHPを作った人物がまさにGREEを開発しているというのは、大変心強いことです。

 グリーはSNSの会社ですが、SNSだけを提供するよりも、さまざまなユーザーに向けたサービスを提供していきたいと最初から思っていました。それを実現するにはオープンソースを活用し、高い技術力で安価なインフラを構築することが鍵になります。そのために、技術力のあるCTOが必要だったのです。

 藤本は、楽天ともつきあいのある技術者でした。彼は非常に優秀なので、グリーと組まなくても十分1人でやっていく能力のある人物です。しかし、楽天時代から私の作るサービスが一番面白かったと認めてくれ、グリーの取締役になると決心してくれたのです。その後、彼と一緒に働きたいという理由で応募してくる優秀な技術者も何人かいました。

--藤本さんの技術力はGREEにどのように貢献していますか。

 彼が率いる開発チームは、まずGREEをPCサーバの並列化で動かすようにインフラを作りました。SNSのプログラムはすべてが動的に処理されますが、このようなプログラムをPCサーバでスケーラブルに実行させるのは非常に難しいのです。

 ブログでも、一部の動的なブログは何億円もするようなサーバを使ってうまく動かしていますが、グリーのようなスタートアップ企業では、そうした高価なサーバは使えません。そうなると、高い技術力を活かしてPCサーバを利用するしかないわけです。

 こうして安価なインフラができました。次に取り組んだのは、GREEを「Ethna(エスナ)」と呼ばれるPHPのアプリケーションフレームワークを使って書き直したことです。フレームワークをEthnaベースにしたことで、今後より大きな機能の追加や改良もしやすくなってきます。

 Ethnaは、もともと藤本が独自開発していたPHPベースのアプリケーションフレームワークで、オープンソースです。我々がGREEで施したEthnaの改良は、そのままオープンソース版のEthnaにも反映されることになります。このようにオープンソースに貢献しながら発展するSNSというのも、事例的に珍しいのではないでしょうか。

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