ノルウェーからの「オペラ」への誘い - (page 2)

Charles Cooper (CNET News.com)2005年10月04日 16時54分

--大手PCメーカーと、Operaの標準搭載に関する具体的な話し合いを持ったことはありますか。

 そのようなことはあまりしていません。

--今後のOperaの成長に影響が出る可能性はありませんか。

 この10年間、当社のデスクトップ分野の売上は30%から50%で伸びてきました。今後は売上をさらに伸ばすと共に、市場シェアを拡大していきたいと考えています。これまでは、市場シェアを伸ばし、デスクトップ市場のナンバー2になることを目指してきました。実際問題、通常のやり方ではデスクトップ市場で首位に立つことはできません。何らかの劇的な変化が必要です。

--「Opera」という社名の由来を教えてください。

 短くて、世界に通用するような名前がいいと思いました。ブラウザ開発は骨の折れる仕事です。また、マルチメディア機能を備えていることから、オペラのイメージが合うのではないかと思いました。Operaに(イタリア語で)「作業」という意味があることを知ったのは、その後のことです。開発には膨大な調整作業が伴いますから、言い得ていると思いました。

--今後は欧州、アジア、アフリカといった米国以外の市場が成長の牽引役になるのでしょうか。

 いいえ、われわれが目指しているのは、あくまでも米国市場での成長です。ただ、それには多少時間がかかります。現在は、米国市場でビジネスを積極的に展開するための準備を整えているところです。さまざまな措置を講じ、米国での認知を高めていくつもりですが、結果はすぐには出ません。日本市場がよい例です。日本では2002年まで日本語版すらありませんでしたが、現在は非常に重要なブランドに成長し、モバイル分野では独占的な地位を占めています。

--デスクトップを除くと、今後はどのような分野が成長すると思いますか。

 最も成長が期待できるのはモバイル分野です。しかし、私はあらゆる市場に大きな可能性があると思っています。セットトップボックス、テレビ、自動車、飛行機--ウェブ技術が功を奏する領域はたくさんあります。

--米国市場でのプレゼンスを高めるために、具体的にはどのような計画を考えていますか。

 今は米国ベースの人員を増やしているところです・・・米国のモバイル市場は外国市場に後れを取ってきました。しかし、ブラウザと電話に関する限り、今後5年間で状況は一変すると思います。電話にもOperaのようなフルブラウザが搭載されるようになるでしょう。この市場では、当社製品の右に出るものはありません。当社にふさわしい市場シェアを確保するために、全力を尽くすつもりです。

--欧州では変化は現れていますか。

 重要な動きが見られます・・・数年かかりましたが、ようやく動き出しました。

--魅力的な消費者向けサービスは登場したのでしょうか。

 昨年、当社のブラウザは880万台の電話に搭載されました。1年前は200万台、2年前は20万台でした。このことからも、気運は間違いなく高まっていると思います。

--企業はWAP(Wireless Application Protocol)サイトを作るのをやめ、HTMLを使ってウェブサイトを構築するようになるのでしょうか。

 そのほうが、はるかに理にかなっています。WAPには将来性がありません。ほとんどの人は、それに気づいていると思います。WAP 1はウェブとはまったく相容れないものでした。WAP 2はウェブの世界にやや近づきましたが、それでも互換性はありません。ウェブのほかに、もうひとつのネットワークを持つ意味はないと思います。

--今後5年間で、平均的なブラウザの姿はどのように変わると思いますか。

 機能が大幅に増えると共に、標準が増え、さまざまな変化が起きると思います。Microsoftは長年にわたって、この動きを抑えてきました。こうした状況では、新しいものが追加されても、たとえそれが標準であっても変化は起こりません。われわれの市場シェアが1%だろうと、5%だろうと、標準を変えられないという点では大差がない--しかし、今はそのチャンスがあります。

 当社がFirefoxの存在を前向きに捉えているのはそのためです。OperaとMozillaが新しい標準を導入し、そこにAppleのような企業が参加すれば、何らかの変化を起こすことができるかもしれません。

--今後も、ブラウザのメタファーは基本的には変わらないということですか。

 アプリケーションが増え、あらゆる種類のプログラムがそろうと思います。それが、現在進んでいる変化のひとつです。われわれはOperaをもっと高度な用途にも利用できるようにしたいと思っています・・・今後数年で考えられる変化のひとつは、携帯端末とセットトップボックス端末に関するものです。これらの機器は、PCの標準とは違う画面サイズと解像度を備えています。ウェブデザイナーはアクセシビリティの問題にはあまり乗り気でないかもしれませんが、携帯端末とPCの違いには配慮する必要があります。これはアクセシビリティの向上にも役立つはずです。

--公開企業になった気分はいかがですか。

 今のところは上々です。短期的な利益を求める投資家もいますが、当社の投資家の大半は長期的な視点から当社のビジネスを見ています。投資家はわれわれの取り組みが時間を要するものであること、一歩一歩積み重ねていく必要があること、そして正しい位置に着けることが重要であることを理解しています。

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