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アップルに立ち向かうM・ロバートソンの「最終目標」

2005/09/27 21:11
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 Michael Robertsonの評判は、MP3.comからLinspireまで、彼の立ち上げた一連の会社によるところが大きい。

 しかし、それだけではない。大企業に対する挑戦的なやり方も彼の評判を高めている大きな理由の1つである。彼は、大手レコード会社やMicrosoftを相手に大きな訴訟を起こし、その過程で数千万ドルの損失を被ったが、どのケースも最後にはうまく利益につなげてきた。

 1997年半ば、デジタル音楽という現象がようやく世の中に知られるようになってきた頃、彼はMP3.comを立ち上げた。MP3.comは大手レコード会社と音楽出版社から著作権侵害で訴えられることになるが、結局は2億ドル近い金額で和解に達し、世間を驚かせた。その後MP3.comはUniversal Music Groupに売却された。MP3.comというドメイン名は、現在News.comの発行元であるCNET Networksが所有しており、MP3とは無関係のビジネスに使われている。

 現在、RobertsonがターゲットにしているのはApple Computerだ。Apple は、iPodとiTunesの成功でデジタル音楽市場を席巻しており、その勢いはPCのオペレーティングシステム市場とオフィスソフトウェア市場におけるMicrosoftにも匹敵する。この夏、彼は密かに「BadFruit」というサイトを立ち上げ、Steve JobsがiTunesをポッドキャストに対応させる前に、そのためのプラグインを配布し始めた。

 この「BadApple」というプラグインの最新版を使えば、iTunesを使いながら自分の音楽ライブラリをApple以外のMP3プレイヤーに落とす(同期させる)ことができる。このプロジェクトは、レコード会社が所有権を持たないMP3形式の楽曲を著作権保護なしで販売するMP3Tunesミュージックストアから派生したものだ。Robertsonによると、このプロジェクトの目的は、各社から出されている音楽プレイヤー間の互換性を促すことであるという。

 これは、Robertsonの最優先プロジェクトではないのかもしれない。彼は、LinuxベースのオペレーティングシステムであるLinspireも販売しているし、Skypeと競合する無償のネット電話サービス会社Gizmo Projectも運営している。

 しかし、これまでの実績からして、Robertson のやることであれば、それが何であれ注目する価値があることは間違いない。そこでは常に何か新しいことが起ころうとしているからだ。

--BadAppleプロジェクトはあなたが運営されているのですよね。

ええ。

--どういう考えで始められたのですか。

 ご存じのとおり、今、プロプライエタリなフォーマットとオープンな標準との間で戦いが繰り広げられています。戦いの一方の主役はMicrosoftやAppleなどの大企業です。Appleは「FairPlay」を発表し、他にも同社の技術に関してユーザに誤解を与えるような説明を行って、プロプラエタリな世界を守ろうとしています。DRM(デジタル著作権管理)技術はもちろんプロプラエタリな世界にとって不可欠なものです。こうしたプロプラエタリな世界を別の方向--つまりオープンな標準へと向かわせることができるかどうかは、技術者や私のような人間にかかっていると思っています。

 私はSteve Jobsに「FairPlayのLinux版を出してくれないか」と頼んだのですが、はっきりと断られました。こうした状況は好ましくないと私は思っています。私が望んでいるのは、人々がそれぞれ好みの音楽プレイヤーやオペレーティングシステムを選択でき、新しいプレイヤーに買い換えても音楽を購入し直す必要がない、そういう世界です。そして、そうした世界を実現するための鍵になるのがオープンな標準です。われわれがBadApple でやろうとしていることは、世界をオープンな方向へ引き戻すことです。

--あなたは、最初に、表向きはiTuneでポッドキャスティングをサポートするソフトウェアとしてBadAppleを提供したわけですが、そのBadAppleは今、iPod以外の音楽プレイヤーとiTuneを同期させるプラグインとして利用できるようになっています。BadAppleはあなたのさまざまな目論見を覆い隠す隠れ蓑なのでしょうか。それとも、いま実現されていることが最終目的なのですか。

 最終目的ではありません。いま起こっていることは、一例に過ぎません。好きなプレイヤーを使い、好きな音楽ストアで、好きな楽曲を、望みのフォーマットで購入できる、そんなことは当然ではないでしょうか。それは、消費者に当然与えられるべき権利です。

 BadAppleは、われわれがユーザの便宜を図るために開発した単なる小さなソフトウェアではありません。私の目的は、プロプライエタリな世界の扉をこじ開け、大企業をオープンな世界に向かわせることです。もちろん、彼らはそれを望みませんが。

--ということは、Windows Media Playerなどの他のプレイヤーもターゲットにするつもりですか。それとも、現時点ではあくまでAppleにターゲットを絞っていくということでしょうか。

 BadAppleプラグインはiTuneにフォーカスしたソフトウェアです。何といっても、Appleは業界のリーダーですから。しかし、少し視野を広げてみれば、Microsoftが「Plays for sure」キャンペーンでやろうとしていることも、AppleのFairPlayと変わりません。違うのは、Appleほど成功していないということだけです。

 しかし、Microsoftは相変わらず全てのハードウェアをWindowsの世界に縛り付けようとしています。それは間違っています。世界をそのような方向に向かわせてはなりません。

--BadAppleの件に関してAppleとコンタクトをとったことはありますか。あるいは、Appleのほうからコンタクトをとってきたことは。

 いいえ。一切ありません。

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