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開発責任者が語る「Windows Vista」の現状と今後
Microsoftは先ごろ、長らく「Longhorn」と呼ばれてきた次期Windowsの正式名称を「Windows Vista」とし、そのテストバージョンを8月3日までに公開すると発表した。
そして、米国時間27日の朝、予定より1週間も早く、同社はベータ版の公開準備が整ったことを明らかにした。
Longhorn(Vistaの開発コード名)の発表から4年間に、Microsoftが予定を前倒ししたのは、おそらく今回が初めてのことだ。2001年にLonghornの計画を発表して以来、Microsoftは仕様の変更と発売日の延期を繰り返してきた。しかし、ミスを犯している余裕はもうあまりない。Microsoftは来年の年末商戦までに、Vistaの製品版を出荷したいと考えているからだ。
Microsoftのグループバイスプレジデントで、Windows全体の開発を統括しているJim Allchinは、CNET News.comのインタビューに答え、Vistaのベータ版、主な機能と制限事項、そして製品版の完成までに予想されるハードルについて語った。
--Microsoftは本日(7月27日)、Vistaの最初のテストバージョンを公開しました。このバージョンが対象としているのはどのような人々ですか。
今回のベータ版は、技術マニアを対象としたものですらありません。このベータ版は実装段階にある一部の機能を試してもらうためのものです。バーチャルフォルダは形になりつつありますが、まだ実装方法を模索している段階です。
技術マニアや一般ユーザーが興味を持つような機能の大半は、第2弾のテストバージョン(Beta 2)に盛り込まれる予定です。技術に相当精通した人でない限り、Beta 1はあまり興味深いものとはいえないでしょう。Beta 1ではディレクトリ構造が変更されていますが、私はこれをステップアップと捉えています。単に、頭の「My」を取っただけではありません(Vistaでは、現在「My Documents」と呼ばれているフォルダが「Documents」となり、「My Photos」が「Photos」になるといった具合に、「My」の部分が削除される)。われわれはディレクトリ構造をもっとシンプルで、分かりやすいものにしようとしているのです。
--今後の予定を教えてください。
Beta 2を早急に完成させたいと思っています。しかし、まだ十分な時間は確保できていません。さしあたってはPDC(9月に開催されるMicrosoftのProfessional Developers Conference)で、Beta 1とその時点での最新のビルドを配布する予定です。
--製品版の発売までに超えなければならないハードルとしては、どのようなものがありますか。また、最も困難な側面は何だと思いますか。
今後、予定されている変更の中には、集中的なテストを要するものがいくつかあります。これらの変更は、ユーザーが強く求めてきたものですが、一筋縄ではいかないものばかりです(ユーザー権限の制限機能など。この機能はMicrosoft社内ではLUAと呼ばれている。LUAはLeast User Accessの略)。簡単にいうと、LUAはユーザーが(管理者権限ではなく、一般的なユーザー権限で)PCを動かすことができるようにするというものです(管理者権限でログオンすれば、プログラムの追加や変更を簡単に行うことができるが、悪意あるソフトウェアによって、システムが大幅に書き換えられる危険性もある)。
ユーザー権限でPCを動かすことができるようにするためには、アプリケーションの互換性やインターフェースを大幅に改善し、ユーザーがとまどうことのないようにしなければなりません。これがひとつのハードルです。実をいうと、作業はほぼ完了しているのですが、全体を洗練させるための作業にもう少し時間をかけたいと思っています。
セットアップの方法も大幅に変更されました。Vistaのセットアップはコンポーネント単位で行われる予定ですが、ユーザー環境でのテストが不足しているので、Beta 1ではこの点が最も重要になると思います。万事が不安です。この夏には大量のコードがあがってきますので、これがどうなるかを見なければなりません。
--VistaではPCをシャットダウンしたあと、利用可能な状態に戻すための方法が従来とは変更されています。現在のWindowsには、完全なシャットダウン、サスペンド、ハイバーネーションなど、さまざまなモードが用意されていますが、Vistaではどのようになるのですか。
Beta 1には、この分野の新しい技術またはアプローチは搭載されていません。しかし、再起動の必要性を最小限に抑えるコードや、ハングを防ぐための新しい技術は盛り込まれています。Beta 2では、PCを理論上はつけっ放しの状態に保つことができるようになります。消費電力を下げることで、スタンバイ状態から速やかに復帰できるようになるほか、データを保存し、シャットダウンしなければならないときも、PCは理論上、スタンバイとハイバーネーションを合わせたような状態に維持されます。
まだ開発は終わっていませんが、基本的にはユーザーがオンとオフの2つの状態だけを考えていればよいようにしたいと思っています。その他のことは、オフの状態にある時間をもとに、システムが適切に判断します。さまざまなレベルの「オフ」があるので、システムが保存するデータは増えるかもしれませんが、ユーザーが意識するのはオンとオフだけです。
この結果、どの程度の節電が可能になるのかを試算してみたところ、10億台のコンピュータにVistaが搭載された場合の節電量は、驚くべき数字に達することが分かりました。
ここで細かい数字を披露するつもりはありませんが、われわれはすっかり興奮してしまいました。これまでとは違う形、つまりエネルギーの節減という形で、社会に貢献できるかもしれない--その可能性が証明されたからです。
--Beta 1のリリースは、当初の目標だった「2005年上半期」にはわずかに間に合いませんでした。Vistaのスケジュールには、もうあまり余裕はないようです。あと何度か細かい遅れが生じれば、来年の年末商戦までに製品版を出荷するという目標は、危うくなるのではありませんか。
どうでしょうか。未来を予測することは不可能です。ひとついえるのは、(社内では)すでにBeta 2の開発が進んでいるということです。Beta 1のリリースを準備している間も、Beta 2の開発は進んでいました。ですから、ある程度までは、目標を達成する自信はあります。これまでは期日を守れないこともありましたが、新しいプロセスを導入した結果、複数のタスクを平行して進めることができるようになりました。ともかく、今いえるのは、目標を達成するために、全力を尽くしているということだけです。品質を犠牲にするつもりはありませんが、来年の出荷という目標は必ず達成したいと思っています。
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