関税は対中政策の秘策なのか - (page 3)

Ed Frauenheim(CNET News.com)2005年07月06日 10時00分

--長期的に見て、米国のテクノロジー産業は国際競争に対応できると思いますか。

 基本的には楽観しています。しかし、そのためには労働者の技能、技術、教育、およびトレーニングのレベルを高め、常に最先端のレベルを維持できるようにしなければなりません。Mannの研究は、ハイテク製品、サービス、およびソフトウェアの分野で産業内貿易が増加していること、その傾向は今後も続くことを示しています。現在、米国で行われている活動のうち、技術レベルの低いものは、今ではすっかりお馴染みとなったアウトソーシングを利用して、国外に移転されることになるでしょう。その代わり、米国は高度なスキルを要する雇用を創出し、技術革新を進めることで、現在の有利な状態を維持することになります。

 しかし、そのためには技術開発を推進し、その技術を活用できる人材を育成しなければなりません。これまでのところ、技術開発の面では善戦していると思いますが、それを推進・実装する人材の育成の面では、進捗ははかばかしくありません。米国が優位を保つためには、この点が大きな課題、懸念事項になると思います。

--低水準のプログラミングを国外にアウトソースすることが、プログラミングの仕事に就こうと考えている学生の意欲をそいでいるという見方もあります。これは国内の雇用機会が減ることを意味しているからです。こうした意見についてはどう思いますか。ここ数年、テクノロジー業界では給与も頭打ちになっていますから、技術系のキャリアを選ぶ経済的インセンティブはあまりないように思えます。この点について、あなたの見解を教えてください。

 低水準の仕事が国外に出される一方で、国内では技術水準が高く、やりがいがあり、刺激的で、給与も高い技術職が生み出されつつあります。その事実を学生たちに伝えればいいのです。ただし、こうした仕事に就くためには高い技術力が必要ですし、企業の側にも創造的な対応が求められます。

--そうした高い技術力は、まずは教育機関で身につけるべきなのですか。つまり、在学中に高度な技術を身につけておく必要があるのでしょうか。

 高度な教育を受ける必要があることはまず間違いありません。具体的には、大学院を出るということです。博士号も必須です。技術職で成功するためには、さまざまな技術領域で専門教育を受ける必要があります。一般論としていうなら、賃金水準を大幅に下げるのでない限り、今後米国で提供される仕事に就くためには、学士号だけでは十分とはいえないでしょう。

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