--IAXは実際に使われているのですか。そうだとすれば、どのような形で利用されているのでしょうか。
Global Crossingはラストマイル接続にIAXを、ネットワーク内部ではSIPを利用しています。
--ひとつのネットワークに2つの標準が存在するというのは、標準が分裂していることの証ではないのですか。
Asteriskが目指しているのは、さまざまなプロトコルを試し、サポートすることです。異なる問題を解決するためには、異なるプロトコルが必要です。IAXはラストマイルに非常に適したモデルなのです。
--Digiumのオリジナル版よりも優れたAsteriskプログラムを開発したと主張する企業もあります。実際問題として、オープンソースに力を入れると、Digiumの存在そのものが危うくなるのでは。
ご指摘の通り、これは深刻な問題です。オープンソースはベンダーの独立性を高め、顧客に主導権を与えるといわれていますが、これはとりもなおさず、われわれのビジネスが全体のごく一部になるとを意味します。今後、この産業は今よりもずっと大きくなり、多くの重要な製品が登場するでしょう。ぼんやりしているわけにはいきません。うまくやらなければ、Asteriskはどんどん拡大し、われわれはその成長に十分関与することができなくなってしまいます。
--Digiumはどうやってオープンソースのソフトウェアから利益を得ることに成功したのですか。
利益やオープンソースの問題を、プロプライエタリなものとの比較で議論するのは無意味です。今や、オープンソースで利益を上げることは不可能ではありません。当社がそのよい例です。企業はこの事実を認め、自社のビジネスモデルを現実に適合させなければなりません。インターネットの登場により、多くのソフトウェアで採用されているライセンスベースの販売モデルは、時代にそぐわないものとなっています。
--Asteriskに関するニュースがあれば教えてください。
今月、ビジネス向けのAsteriskが登場する予定です。中身はこれまでのものと同じですが、より体系的なテストを行い、従来型のライセンスモデルに従って、オープンソースに詳しくない、あるいはオープンソースに抵抗のあるユーザーに提供される予定です。
--AsteriskをMicrosoftやApple ComputerのプロプライエタリOSに対応させようとする動きもあります。Digiumもこのようなプログラムの開発に参加しているのですか。
いいえ。しかし、われわれがオープンソースコミュニティと良好な関係を保っていられるのは、オープンソースのルールを遵守しているからです。ですから、新しいソフトウェアを開発したときには、必ずコミュニティに公開するつもりです。プロプライエタリOS用のAsteriskが脅威になるとは思いません。われわれは変化に柔軟に対応することで、ビジネスとオープンソースの両方を支援していきたいと考えています。
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