「0.85インチHDDは魅力的な市場ではない」--シーゲイト幹部 - (page 2)

永井美智子(編集部)2005年04月25日 18時48分
--1.8インチHDDについてはどうですか。

 2年ほど前、携帯音楽プレイヤー向けに1.8インチHDDが多数登場しました。しかし現在では、1インチHDDが登場しています。5Gバイトの容量があれば楽曲を1000曲保存することができますから、これで大半のニーズは満たせます。

 むしろ、1.8インチHDDは動画に向いていると思います。そのため、動画ダウンロード市場がどの程度立ち上がるかを見ています。Seagateはコンテンツプロバイダと協力しながら、動画ダウンロード市場ができたときにすぐ1.8インチHDDを製品として出せるように準備しています。

--動画ダウンロード市場が立ち上がるにはどのような課題がありますか。

 動画をどう利用するかというルール作りが必要だと思います。音楽ダウンロードの場合、1曲あたりのコピー数や転送の可否といったルールができています。同じように、動画ダウンロードにもユーザーがコンテンツを購入した後のルール整備が必要です。

   動画ダウンロード市場はまずニュースや音楽ビデオ、コメディ番組のような短いコンテンツから始まり、2〜3年後にはゲームやEラーニングのようなコンテンツが登場すると見ています。

--HDD業界では容量を拡大する新たな技術として、垂直磁気記録技術が注目を集めています。東芝は2005年度第1四半期(4月〜6月)に、日立GSTは2005年中に同技術を使った製品を量産化する計画を発表してます。Seagateの取り組みについて聞かせてください。

 垂直磁気記録技術は次のステップと考えています。Seagateも垂直磁気記録技術の研究を行っており、評価版を作成して実際に利用しています。

 ただし、たとえ新しい技術であっても価格が高いものを顧客は買いません。また、信頼性の検証も必要です。Seagateは(顧客が)水平磁気記録技術から垂直磁気記録技術へ円滑に移行できるように準備を進めています。

 業界を見ると、ハンドヘルド端末やノートPC、デスクトップPCなどどの分野でも次にリリースする製品は水平磁気記録技術を利用したもので大丈夫だと各社は思っています。2005年末から2006年にかけて、少しずつ垂直磁気記録技術を使った製品が特定用途向けに出てくるでしょう。2006年末までにはこの技術を使った製品が数多く出てくると思います。

 当然、Seagateも競争的に悪い位置にはつけていないということだけ申し上げておきます。これまで、新技術に投資していないために没落した企業がいくつもありますから。

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