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トーバルズ、Solarisを斬る

2005/01/06 10:00
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 Linus Torvaldsが何千人ものプログラマの力を結集してLinuxを作り上げたことで、最も苦しい立場に立たされたオペレーティングシステム(OS)はおそらくSun MicrosystemsのSolarisだろう。

 今、この昔馴染みのライバルはTorvaldsとその仲間たちに新しい顔を見せはじめている。SunはSolarisをオープンソース・プロジェクトに転換し、独自の開発者コミュニティの構築に乗り出した。IntelのXeonといった普及率の高いx86プロセッサ搭載マシンにも、Sunは積極的にSolarisを売り込むようになっている。

 しかし、34歳のフィンランド人プログラマであるTorvaldsが、Solarisの変化にひるむ様子はない。それどころか、Torvaldsは新しいSolarisを「冗談」と切り捨てる。

 Torvaldsは長年、目下低迷中のチップメーカーTransmetaに在籍していたが、現在はオレゴン州に本拠を置くOpen Source Development Labs(OSDL)に参加しており、「当面しばらく」はここで仕事をするという。

 OSDLで、TorvaldsはAndrew Mortonと共に、Linux開発プロセスの刷新に取り組んでいる。小さな変更をカーネル2.6に頻繁に加えることで、大規模な変更を一度にまとめて行うよりも早く、Linuxを進化させることができるというのが彼らの考えだ。

 CNET News.comはTorvaldsにインタビューを行い、Solarisについて、また彼の即興的な開発スタイルについて話を聞いた。

--Solaris 10をめぐるSunの動きをどう思いますか。技術面での進化、オープンソース化、x86システムへの対応といったことです。

 Sunに関しては、できる限り静観するようにしています。Sunは語ることが好きな会社ですからね。今は具体的な動きを待っているところです。

--今回は単なるスタンドプレイではなく、具体的な行動も伴っているのでは。x86版Solarisも復活しましたし、コンテナ、DTrace、ZFSといった興味深い機能も追加されました。これらの新機能はSolaris 10のベータ版に搭載されています。開発者やソフトウェア企業も続々と支持を表明しています。先日はx86版Solaris 10の製品版を無償提供することが発表されました。Sunがx86システムを重視するようになったことやSolarisの新機能についてどう思いますか。

 最後に聞いたところでは、x86版Solarisは冗談のような代物です。サポートしているのはごく一般的なハードウェアばかり。Linuxで対応ドライバがないと嘆いた人が、x86版Solarisに関心を持つとは思えません(編集部注:ドライバとは、OSがビデオカードやネットワークアダプタといった特定のハードウェアと通信する際に使用するもの)。

--IBMのSteveMillsは、Linuxの開発ロードマップを8車線の高速道路になぞらえました。Unixがたどった道筋を見れば、Linuxが進むべき方向は明らかだというのです。Linuxは独自の道を歩んでいるのでしょうか。それともUnixの技術をつまみ食いしているだけなのでしょうか。

 私は証明された概念というものが大好きです。ヒーローを1人挙げろといわれれば、迷わずSirIsaacNewtonを選ぶでしょう。彼が歴史に名をとどめた偉大な科学者であることも理由の1つですが、もっと大きいのは彼が遺したあの有名な言葉かもしれません。Newtonは「私が他の人より遠くを見ることができたとすれば、それは巨人の肩に乗ったからだ」といいました。

 実際のNewtonは、必ずしも好人物ではなかったかもしれません。しかし、この言葉は科学を、そしてオープンソースをうまく言い表していると思います。重要なのは巨人の肩に乗り、他人の概念やアイデアの上に、改善を積み重ねていくことです。

 新しいこと、変わったことがしたいという理由で、ゼロから新しいもの、変わったものを作ろうとするのは、私にいわせれば愚の骨頂であり、思い上がりです。Linuxが目覚ましい成果を上げているのは、細事にこだわり大事を逸する愚を犯していないからです。しかし、この穴に陥るプロジェクトのいかに多いことか。NIHシンドロームは病です(編集部注:NIHはNot Invented Hereの略。NIHシンドロームとは他所で開発された技術を嫌い、自社の研究成果にこだわる考え方のこと)。

--Linuxにはさまざまな迷信や誤解がありますが、最も腹立たしいものは何ですか。

 すぐにカッとなるたちではないので、特に腹立たしいというものはありません。しかし1つだけ、LinuxともITセクターとも直接関係はないのですが、興味をそそられている迷信があります。それは1人の人間、または1つの企業が市場に絶大な影響力を及ぼすという考え方です。この説によれば、ある事態が起きたのは先見の明のある人間がそうなるように「計画」したからだとか。ときには本人もこの説を信じているとみえて、単なる迷信がまことしやかに語られています。

 私は自分がLinuxの方向性を「コントロール」していないことを、何度も何度も説明しなければなりません。重要なのは発展を促す環境であり、誰がリーダーかはさほど重要ではない。これはスポーツのコーチや宗教の指導者など、ほかの多くの世界でもいえることです。

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