「今後の鍵は携帯電話のセキュリティ」:マカフィーCEO、戦略を語る - (page 2)

Ong Boon Kiat(CNETAsia)2004年10月07日 10時00分

--では、McAfeeは今後何を重視して行きますか。

 将来、我々が開発する全ての新製品において大きな推進力となるのは「無線」です。今の子供たちは有線ではなく、無線環境で育ちます。そしてそこに、McAfeeが取り組むべき全く新しい領域が生まれます。3〜5年おきに新しい支配的技術が出現し、無線業界を変えて行きます。無線は3G携帯電話やPDAの形で、我々の将来に劇的な影響を与えるでしょう。

--有線環境における保護と無線環境における保護の根本的な違いは何ですか。

 何を保護する必要があるのかという点で見ると、多くの場合、それは新しいアーキテクチャです。インターネット対応の3G携帯電話の場合を考えると、サービスプロバイダは常時接続が可能で、かつ常に信頼できる環境を確実に提供できなくてはなりません。そのような環境では、ユーザーはわざわざウイルス対策ソフトを購入する時間などありません。それらは数秒以内にダウンロードできなければならないのです。よって、自社ソリューションの提供方法についての我々の考え方も変化しつつあります。

--PC以外の機器の保護についてのMcAfeeの取り組みを教えてください。

 今年10月に、3G携帯電話向けのセキュリティ対策ソフトを発売します。NTTドコモと協力して同ソフトの開発を始めたのが2001年12月ですので、完成までに3年を費やしたことになります。これは世界初の3G携帯電話向けウイルス対策ソフトで、我々にとっては大変大きなビジネスチャンスと考えています。

--その製品について、もう少し詳しく説明していただけますか。

 携帯電話の中に小さなソフトウェアエージェントが常駐します。このエージェントが定期的にホストサイトから情報のアップデートを行ない、ホストサイトは既知の攻撃を阻止するための最新の署名ファイルやアップデートを提供します。実際、3G携帯電話もまたインターネット対応端末ですから、他の機器と同様の保護が必要なのですが、我々は、より小さいサイズの保護技術を提供しなければなりません。さらに、非常に急速な普及が見込まれるので、それに対応しなければなりません。

 幸い、署名ファイルのサイズは大変小さいので、ほとんど場所を取りません。我々はNTTドコモから(署名ファイルの)サイズを小さくするよう再三要請されました。いずれは署名ファイルなしでも攻撃を阻止できるようにします。既知、未知両方の攻撃を阻止する(不正侵入検知(IDS))アプライアンス「IntruShield」のような製品になるでしょう。未知の攻撃は、ヒューリスティックス(経験則:アルゴリズムに基づくプログラムではなく、パターン認識を使ったプログラムの開発)を使わなければ阻止できません。

--ヒューリスティックスに基づいた3G携帯電話向けウイルス対策ソフトの発売はいつ頃になりますか。

 2005年から2006年頃を予定しています。

--携帯電話サービスプロバイダはそのウイルス対策アプリをどのように電話機に組み込むのですか。

 それは(正解すれば賞金100万ドルがもらえるほどの)大変難しい質問です。各サービスプロバイダがアプリをサービスの一環として提供するのか、それとも有料のプレミアムサービスとして提供するのかによって変わってきます。この件については我々もまだ検討中ですが、我々にとってそれは重要な問題ではありません。

--携帯電話を保護することにより、サービスプロバイダが支払うコストは?あるいは、プロバイダにとっての価値は?

 それは、そのサービスプロバイダが顧客に料金を請求し続けられるよう、常時利用可能で、かつ常に信頼できる利用環境を整えたいと考えるかどうかに依ります。全てはそれが出来るかどうかで決まります。なぜなら、顧客は携帯電話を常に利用できる環境を望んでいるからです。仮に攻撃によって携帯電話が使用不能になれば、プロバイダは減収を余儀なくされます。

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