--2、3年たっても、携帯端末と携帯電話の融合は実現しないと思いますか。 ハードウェアについていえば、0.5〜1GHzの組込プロセッサが登場するでしょう。 これは非常に強力です。ムーアの法則はこれからも続くでしょうが、制約要因がないわけではありません。
たとえばバッテリーパワー。バッテリーパワーの進化の速度は10%にも及びません。処理能力、容量、通信帯域はムーアの法則に従って伸びていくでしょう。しかし、もっとも劇的な成長が期待できるのはソフトウェアとコネクティビティです。
あと2〜3年、とはいい切れませんが、近い未来には、シームレスなモバイルコンピューティングが実現するでしょう。まずは完全にシームレスなコネクティビティが実現し、複数の無線ネットワーク間を移動できるようになる。それはWi-Fi、BlueTooth、WiMax、UWB(Ultrawideband)かもしれませんし、その他の無線技術かもしれない。重要なのは、シームレスなローミングとハンドオーバーを実現し、ユーザーに一貫したサービスを体験してもらうことです。われわれはそのための技術を開発しているのです。
--いつ頃になれば、ユーザーが設定を切り替えなくても、デバイスが自動的に異種ネットワーク間を移動できるようになりますか。
次のリリースではWi-FiとGPRS(General Packet Radio Services)に対応する予定です。しかし、すべての無線システムをシームレスにローミングできるようになるまでには何年もかかるでしょう。このプロセスは進化のように、徐々に進むことになります。
--次期バージョンのWindows CEでは、少なくともその一部が実現されるわけですね。先日、Windows CE 5.0の技術プレビューが公開されましたが、最終版のリリースはいつですか。
タイミングとしては2つあります。1つはこの夏にリリースされるWindows CE 5.0。そしてもう1つはPocket PCとWindows Mobile(の次期バージョン)です。こちらは来年のどこかでリリースする予定ですが、今の段階では詳しいことはお話できません。シームレスローミングは大きな特徴の一つですが、完璧とはほど遠い。2種類の無線ネットワーク間でローミングが可能になるだけです。
--Windows Mobileについてお聞きします。現在の最優先課題は何ですか。また、もっとも改善が必要とされているのはどの分野でしょうか。
スマートフォンのプラットフォームはそれ自体--つまり、産業そのものがごく初期の段階にあります。Windows Mobileにおいては、モバイルデバイスの利用者、つまり「モバイルインフォメーションワーカー」の作業を効率化することに重点を置いています。
既存のさまざまな技術を使えば、PCやサーバとの連携機能は大幅に改善できます。これはWindows Mobileに限らず、スマートフォン全体についていえることです。PCにはさまざまな機能や技術がありますが、その多くはまだスマートフォンでは実現されていません。
もちろん、技術面での課題もあります。スマートフォンには多くの制限事項がありますからね。土地や建物、バッテリーパワー、電波の到達範囲、画面の大きさ、通信方式--それに、大きなキーボードもありません。
ユーザーがこうした問題を意識することなく、電話をかけられるようにしなければなりません。ユーザーを意識させないことが重要です。ユーザビリティについていえば、現在のユーザーインターフェースも優れたものだと考えていますが、スマートフォンの多機能性を考えると、もっと簡単に操作できるようにしなければならない。こうした点は、どれも改善できると思います。すでに基本的な機能はそろっていますが、まだまだ多くの機能が求められています。
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