MSNは「万人の心」をつかめるか - (page 2)

Stefanie Olsen(CNET News.com)2004年05月06日 10時00分

---MSNは昨年、欧州で運営していたコミュニティ向けのサイトを、十分に管理できないという理由で閉鎖しました。ソーシャルネットワーキング市場に参入する計画はありますか。

 正確に言うと、閉鎖したのはコミュニティサイト全体ではなく、チャットサービスです。確かに、われわれはチャットサービスを中止しました。小児愛者が子供を追い回すなど、本当にひどい行為が驚くほど多く起きていたためです。

 ソーシャルネットワーキングに関しては、非常に興味深い分野だと考えています。実際のところ、MSNメッセンジャーに少し手を加えれば、ソーシャルネットワークを構築することができます。なぜなら、ユーザーのメッセンジャーには自分の友だちが登録されているし、友だちは自分の友達を登録している。このことで人と人を結びつけることができます。ソーシャルネットワーキングに非常に近いものです。メッセンジャーに欠けているのは、友だちの友だちを見る仕組みだけです。

---インターネットサービスプロバイダー(ISP)はウイルス、スパム、ポルノ、詐欺行為から顧客を保護する上で、どの程度の責任を負わなければならないのでしょうか。MSNは顧客がそうした問題に対処できるよう十分に支援していますか。

 ユーザーをこうした問題から保護することはきわめて重要です。このようなサービスを提供していないISPは、早晩市場から消えることになるでしょう。ユーザーがスパムやスパイウェアから身を守るためにはISPの助けが不可欠です。MSNの取り組みは業界のどの企業にも劣りません。業界内で最高といってもいいでしょうが、ただし私はこれで十分とは思っていません。

---現在顧客は何を求めているのでしょうか。MSNは、そういった顧客のニーズにうまく応えていますか。

 安全、セキュリティ、プライバシーなどが顧客の求めるものです。そして、われわれはこうした問題にさらに取り組む必要があります。われわれはスパム防止策を講じていますが、もっと厳しい方法を検討しなければならないかもしれません。たとえば電子メールの受信にさらなる制限を加えて、スパムを減らしたいならば、そうした制限を受け入れなければならないようにする、といったことです。

---MSNの月額使用料は21ドル95セントですが、この料金設定で会員数をどこまで伸ばせると思いますか。また、低価格のダイアルアップサービスを提供する予定はありますか。

 MSNユーザーはブロードバンド環境に移行しても、MSN Premiumにとどまるのが普通です。会員数に関する公式の予測値はありませんが、正直なところ、それが重要かどうかも分かりません。ユーザーの大半は、MSNのダイアルアップ接続サービスをやめても、MSN Premiumに移行するだけです。だから、なべていうと、顧客をつなぎとめているといえるでしょう。

---AOLのように低額のダイアルアップサービスを開始する予定はありますか。

 今のところ、ありません。

---MSNは複数のDSL(デジタル加入者回線)プロバイダーと提携していますが、ケーブル会社とも同様の契約を結ぶ可能性は。

 米国のDSL市場は勢いを取り戻しつつありますが、その理由のひとつは、Verizon CommunicationsやQwest Communicationsに加え、YahooとSBC Communicationsが提携してがんばっているからだと思います。これを目にしたケーブル各社もMSNとの提携を前向きに検討するようになっていますから、ありえない話ではありません。

---EarthLinkは、WiMaxやパラレル接続線を利用したブロードバンドなど、先進的なブロードバンド技術の開発に積極的に投資し、またそうした技術を実験しています。MSNはブロードバンドのラストマイル問題に取り組んでいますか。

 われわれはソフトウェア企業ですから、ソフトウェア・ソリューションにエネルギーを注いでいます。それがMSN Premiumなどの製品であり、MSNウェブサイトです。

---AOLを買収するのは意味のあることでしょうか。

 分かりません。憶測は避けたいと思います。

---なにか夜も眠れなくなるような問題はありますか。

 特に問題というわけではないのですが、ビジネスやインターネットの行き先に関して、いろいろと考えが湧いてきてしまいます。もっと速くできないか、もっと新しいことができないか、顧客のニーズに応える技術や機能を提供を提供できないか、といつもそんなことを考えています。

 「エバンジェリスト的な製品」---つまり、パーティの話題をさらうような製品を作りたいですね。Appleにこびるわけではありませんが、iPodはそうした要素を備えた製品だと思います。TiVoもそうです。これらの製品は、話題を作り、人々に「なるほど、おもしろそうだ」と思わせる製品なのです。

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