「SIerのビジネスモデルを変える」--新ウェブ言語Curlとは - (page 3)

永井美智子(CNET Japan編集部)2004年03月26日 19時28分

---CAPCが行うのはライセンス事業だけですか。

塩野谷: 我々はCurlを使ったシステム開発はしません。それはパートナーのSIerにお任せしています。現在我々はパートナーの開拓に力を入れていますが、今後は、Curlで作成したソフトウェア部品や業務パッケージを提供していきたいと考えています。この2つが次の中核事業です。ソフト部品によってシステムを開発する時間を短縮できますし、業務パッケージならユーザーはすぐにでも使い始めることができます。

田中: パートナー企業は現在12社ほどいます。住商情報システムやビジネスブレイン太田昭和のほか、クオリテックなどです。現在は大手の代理店が増えてきていますね。

---クライアントで動作する言語であれば、デジタル家電にも向いているのではないですか。

田中: そうですね。今までCurlは日本語入力に弱いと言われていましたが、バージョン3.0で改善しています。動作に必要なスペックはCPUが166MHz以上、メモリは32MB以上です。Curlはかなりコンパクトな中でも動くように作られていますので、簡単なハードでも動きます。

 Linux版も5月に出ますので、組み込みLinuxを扱っている企業は強い関心を持っているようです。Javaを使って複雑なことをしようとするとCPUにかなりの負荷がかかりますが、Curlの場合小さいCPUでも動きますからデジタル家電に向いていると言えます。

塩野谷: デジタル家電は我々も重要な市場だと考えています。もしかしたら、業務システムよりも先にブレイクしてしまうかもしれません。

---今はまだ業務システムのほうが引き合いは強いと。

塩野谷: ええ。操作性や親和性などのユーザーインターフェースが業務システムの課題となっていますが、Curlによって今までやりたかったができなかったということが解決されるようです。

田中: 今、一番ターゲットにしているのはレガシーシステムです。そこには膨大な情報が眠っています。クライアント側にCurlを利用することで、インターフェースの向上を図ることができます。

---Curlの普及はいつごろになるでしょうか。

塩野谷: 2004年度の半ばにはブレイクしてくるのではないでしょうか。まだ公開していませんが、現在Curlの導入を進めている大企業の事例があります。これが公開できると大きな反響があると思います。

---今年度の売上目標について聞かせてください。

塩野谷: 売上高で3億円といったところでしょうか。ただし、世の中にCurlを使う技術者がどれだけ増えるかに比例すると思います。

田中: システムを作るときに、ユーザーから使う言語を指定されることはあまりないでしょう。ほとんどの場合はSIerからの提案です。ですから、まずはCurlの技術者を増やしたいですね。5000人くらいにするのが目標です。

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