小川陽平(GameSpot Japan)
2007/12/25 19:30
ナムコとバンダイという、文化の違う企業が1つになったバンダイナムコゲームスは、2008年3月で設立から丸2年を迎える。
その2年の間にゲームを取り巻く世界は大きく変化した。次世代の据置型ゲーム機は出そろったものの市場は携帯機がイニシアチブを握り、これまでは空白と思われていた年齢層や地域に新しい市場が形成されている。
それらの大きな要因は、ニンテンドーDSの登場と任天堂の「ゲーム人口の拡大」という戦略であることは論をまたない。
多くのパブリッシャーは、これまでゲーム市場を支えてきたゲームファンに向けてのタイトルと共に、新たに形成された新市場に向けてのタイトルをラインナップしなければならないという課題を突きつけられた。
魅力的なコンテンツと高度な技術力を持つナムコ。そして豊富なキャラクターを多数擁するバンダイ。これら2つの会社が1つになったバンダイナムコゲームスは、自社の持つ資産をどのように多様化するユーザーへ向けて発信しようとしているのか。そして、今のゲームをとりまく環境をどのように見ているのか。
バンダイナムコゲームス 代表取締役副社長 兼 コンテンツ制作本部長の鵜之澤伸氏に聞いた。
今の国内市場の状況を見ると、今年の年末のタイトルラインナップは確かに異様に感じますよね、Wiiに注力するところだろうって(苦笑)。
これは開発をはじめてから発売までのタイムラグで、ちょうど今が発売の時期なんですね。ですから、マルチプラットホームのタイトルについても、順番に出しているという感じです。
当社の場合はご存知の様に、バンダイとナムコが一つになったということで、もともと多様性を持った会社だと思います。
例えば、「エースコンバット6」が最たる例だと思いますが、ナムコの持っているハイエンドな技術力というものは健在で維持できると思います。
やはり、ゲーム制作という事業を行っていく以上、このような技術的にもコスト的にも負荷の高いタイトルは避けては通れないでしょう。もちろん、試験研究という訳ではないですから、ビジネスとして成立することが前提ですが。
既存のゲームファンのゲームらしいゲームが、まだWiiでは、売れる様になれてないと感じています。
今発売されているWiiで売れているタイトルは、新しくて面白いものばかりです。ファミリーで楽しめるものも特徴といるでしょう。でも、1回のプレイ時間はとても短い。これまでのゲームタイトルのように、5時間も10時間も遊ばせる作り方になっていないですよね。従来のゲームの概念からは大きく違う、シンプルな内容です。
そういったゲーム初心者の人たちに、さらにもう1歩踏み込んでもらうためのタイトルをどうやって伝えるかという点が、Wiiの難しいところといるかもしれません。
ニンテンドーDSは、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「おいでよ どうぶつの森」から加速度を増して普及していきましたが、Wiiでもそのようなことを任天堂さんは考えられているでしょうし、また多くの施策を実行されています。
今の任天堂プラットホームの隆盛は、そういう部分をきちんと想定して戦略を立てたからこその結果なのでしょう。
あとは、そういうプレイヤーへメーカーとしてどうリーチをしていくかという話なのですが、弊社としてはナムコ、バンダイの持つ多くのタイトル、キャラクターがあります。ですから、それらタイトルやキャラクターを支持してくれるユーザー層に合わせて、プラットホームを選ぶことになるでしょう。
ただ一つ問題があるのは、かつて50万本を売ることができたフランチャイズのポテンシャルを発揮できるプラットホームが、次世代機と呼ばれたハードの中では未だに無いということです。
これは、多くのメーカーがきついと感じている点ではないでしょうか。
しばらくはPS2のままだと思います。
PS2でゲームを楽しんでいた人の大多数は、WiiやPS3、Xbox 360に興味はあるけれどまだ移行していません。
次世代機と呼ばれたプラットホームが発売される前には、今回の機種の移行は速いペースで進むのかと思っていたのですが、プレイステーション(PS)からPS2への移行とそれほど変わらないペースで進んでいます。
当時のPS2はまだ4万円近い高価な商品でしたから、旧バンダイの頃はPSからPS2へ変わるときには3年間ほど我慢して、「ガンダム」以外のPS2タイトルは手をつけませんでした。2万円を切らないと、バンダイのキャラクターゲームを買っていただける小中学生の層には届かないですから。
ですから、あと1年半はPS2が1番売れるハードでありつづけると思います。そして、そういう強いプラットホームへ供給しつづけるというのも、多くのタイトルラインナップを持つメーカーとしては重要なことだと思います。
ただ、既存のプラットホーム向けタイトルを作りながら次の世代への流れに参加する、物作りをするというのも、もちろん大切なことです。
エースコンバット6
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