最終更新時刻:2008年7月25日(金) 21時03分

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「スーパーマリオギャラクシー」のゲームディレクター小泉歓晃氏インタビュー

文:Staff, GameSpot
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子

2007/12/10 16:48  

 任天堂の「Wii」用3Dアクションゲーム「スーパーマリオギャラクシー」ほど、スケールの大きなゲームはない。マリオのゲームとしては初のWii対応であるだけではなく、勇気ある小さな配管工マリオが 宇宙のいたるところへ飛び出して行くのだ。リリースからほぼ1カ月後、われわれは「スーパーマリオギャラクシー」のゲームディレクターである小泉歓晃氏にインタビューし、この傑作を作るにあたって考えたこと、マリオをWiiに導入する際の課題、マリオがゲームの世界で繰り広げる終りのない冒険の旅の今後について聞いた。

スーパーマリオギャラクシー
今度のマリオの冒険は、宇宙が舞台

GameSpot(以下、GS):開発中に、このゲームの評判について何か期待するところはありましたか?それとも、きちんとしたものに作り上げることだけに集中して、ユーザーの反応を予測する時間がなかったのでしょうか?

小泉歓晃氏(以下、小泉氏):そうですね、もちろん、みなさんに気に入ってもらえるものを作りたいと考えていましたが、開発中は…ゲームに強く集中していました。えぇ、もちろん(私は)満足しています。ゲームが発売されてからまだ1カ月しか経っていませんが、いくつかレビューを見る機会がありました。その内容には、(私は)とても満足しています。

GS:開発チームの背景について、教えていただけますか?前作の「ドンキーコングジャングルビート」には、多数のチームが開発に参加していたようですね。

小泉氏:任天堂情報開発部(EAD)東京オフィスは2003年から業務を開始しましたが、その目的はまず東京周辺の才能ある人材を見つけ出して採用することでした。というのは、才能ある人材は東京から動きたくないだろうと思ったからです。そのうえで、新規採用したスタッフとともにゲーム作りを始めることも目的でした。そのため、会社側が最初にしなければならなかったことの1つは、任天堂でのゲームの作り方について新規採用者に教えることでした。つまり、京都の本社から大勢の社員が東京へ来て、新規採用者と長時間一緒に過ごしたのです。EAD東京が最初に制作したゲームが「ドンキーコングジャングルビート」、次が「(スーパーマリオ)ギャラクシー」です。

GS:そうやって生まれた開発チームが「スーパーマリオギャラクシー」というマリオのゲームの開発に着手したというのは、まるで子どもが父親の車のキーを手に入れたようなものですね。チームのみなさんは、開発中にプレッシャーを感じていましたか?任天堂独自の新ゲーム機用のマリオのゲームだからというだけではなく、Wiiでのマリオのゲームがどんなものになるのか、大きな期待がありました。チームはそれをどのようにして乗り越えたのですか?

小泉氏:特にマリオのゲームを作るからといって、(われわれには)大きなプレッシャーはありませんでした。しかし、Wii用ゲームを作ること自体が、大変なことだと気づきました。あまりにも幅広い可能性があるだけに、どこからスタートしてどこで終わるべきかの判断が難しいのです。それだけではなく、3Dアクションゲームというジャンルに飛び込むことじたい、大変なことです。だから、マリオのゲームを作ることについて悩む以上に、私の頭の中ではそのことのほうが大きなプレッシャーの源でした。

GS:Wiiのアクションゲームに対する考え方について、お聞きかせください。デザインプロセスはどんな様子でしたか?確かに、マリオのゲームなら、すでに枠組みが決まっているようなものですよね。でもその枠組みの中身を、どのように埋めるのですか?それと、Wiiのコントローラの使い方について、どのようにブレインストーミングを行ったのでしょう?

小泉氏:実際のところ、「スーパーマリオギャラクシー」の当初のコンセプトは、われわれがWiiについて知る以前からありました。われわれは少人数のチームでゲームの初期バージョンのプロトタイプを作成し、それを周囲に見せることからはじめました。その時点でのフィードバックが返ってくるにつれて、メンバーの多くが、Wiiの可能性をフル活用しなければ実現できないようなアイデアを具体化しはじめたのです。

GS:コンセプトとゲームプレイに関してですが、ゲームの最終版に見られるシステムは当初考えられていたものとまったく同じですか?それとも、開発プロセスの途中でうまく機能しないことがわかり、捨てる決断をしたものがあったのですか?

小泉氏:もちろん、時間が経つにつれて細かい点はいくつも変更がありました。しかしゲーム全体を考えると、まったく別物になったという印象はないですね。当然ですが、多くのアイデアが実際に使われています。たとえば、プレイしている平面がさっとひっくり返ってUターンし、裏側を歩くことができるといったアイデアです。このアイデアは、私は巨大なボスロボット(メガレッグ)に使おうと思っていました。このロボットはどこからでもよじのぼれるのですが、全身から大量のキラーが撃ち出されて襲ってきます。そして開発が進むにつれて、あちこちに細かい修正が加えられましたが、大体の流れは確かにすべて取り入れられています。

GS:GameSpotのスタッフにルイージとヨッシーのファンがいまして、質問を預かってきました。ゲームを一度全部クリアしてからでないとルイージで遊べないのはなぜですか?それと、ヨッシーはどこにいったのでしょう?

小泉氏:そうですね、ルイージについてお話ししましょう。私のスタッフからも「ルイージをもう少し早く登場させられないのはなぜか?」という同じ質問が出ました。当時の私の答えは、「誰でもこのゲームを見たら『3Dのマリオのゲームとは、120個のスターを集めるゲームなんだ』と思う。それがこのゲームのメインの部分だ」。つまり、ルイージを早く登場させたら、120個のスターを集めるまでのひとつながりのプレイが途中で切れるような感じがしたのです。それと、まず最初に120個のスターを集めるようプレーヤーを動機付けするものが何か必要でした。これはどうやら、正しいやりかただったようです。でもそれ以外にもう1つ、最後に絶対はずせないファクターがあります。ルイージのキャラクターのコンセプトは、どんなときでもマリオの脇役であることです。その点についてはルイージはものすごく気を使っていて、完全な神経症と言っていいくらいです。だから、そういう筋書きを毎回ルイージが登場するたびに反映させなくてはなりません。

スーパーマリオギャラクシー
「スーパーマリオギャラクシー」の開発は「ドンキーコングジャングルビート」を手がけたEAD東京開発チームだ

ヨッシーについては、確かに、マリオが乗れるようなヨッシーのキャラクターを登場させることも考えました。しかしこのゲームにはすでにたくさんの要素を詰め込んでいたので、その意味では、詰め込みすぎて最終的な印象が弱くなるのは避けたいと思いました。それに、開発者の立場から言わせてもらえば、ヨッシーをゲームに登場させると、主な機能の性質としてスローモーションでの空中ジャンプが可能になります。ヨッシーは、そのとき最後にその場でちょっとだけ急降下できます。この機能は、ハチに変身したマリオでこのゲームにすでに取り入れられていました。そのため、機能の観点から、ヨッシーは必要ないと思ったのです。

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