最終更新時刻:2008年9月5日(金) 18時31分

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気分は西部劇のガンマン【コール・オブ・ファレス】レビュー

文:Alex Navarro(GameSpot)
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子

2008/03/03 14:07  

 さらに我慢できないのは、崖登りとジャンプである。一人称視点プラットフォームは決してよいアイデアではないが、開発者は何らかの理由からこの種のゲームに必ず使いたがる。このゲームでも、一人称視点プラットフォームというアイデアはうまく活かされていない。ビリーは短い岩棚をよじのぼり、木の枝やその他の長い突起物に鞭をからませて、それにぶらさがって隣の岩棚へジャンプする。したがって距離を正しく把握するまでは、試行錯誤を繰り返すはめになる。鞭を使ってジャンプする場面は、最初はかっこいいように思えた。しかし、隣の岩棚に飛び移るために必要な勢いをつけてジャンプするのは骨が折れる。ここでも、正しい角度でジャンプするには鞭のどの位置を握ればよいか、試行錯誤を通して見つけるしかない。そして人目を避ける行動と同じように、崖登りやジャンプの場面も時間がかかりすぎる。ゲームの中盤には、うんざりするようなアイテム探しが待っている。そこでは、30分近くかけて巨大な山を登る(時間を計るために、一度死んで再スタートする必要があった)のだが、その結果手に入るのは、ワシの羽1枚きりである。しかもそれは、気難しいインディアンの老人に捧げるためのものだった。帰りも、さらに数分かけてジャンプしながら山を降りなければならない。プレー可能な2人のキャラクターにある程度違いを持たせるのは悪いアイデアではないが、このゲームでの例はおそらく理想的なやりかたとは言いがたい。

コール・オブ・ファレス
決闘シーンはよくできているが、時間が短く、ほとんどの場合は比較的容易である

 2人のキャラクターには、どちらも馬に乗る場面が時おり訪れる。いつもは2人ともとぼとぼ歩かなくてはならないので、これは楽しめる気晴らしだ。馬を操るのは最初は少ししんどいが、慣れると早く移動できるし、馬に乗って戦闘に参加するのも楽しい。主人公が馬に乗って強盗団の中に突っ込む場面が何度かある。馬に乗ったまま狙いを定めるのは楽ではないが、実行する価値はある。

 「Call of Juarez」は、最後までプレーするのに8〜10時間かかる。この戦いに勝った後には、さらに楽しめるオプションがいくつか用意されている。たとえば、ストーリーとは関係ない一連の追加ミッション、いくつかの決闘、システムリンクとXbox Liveの両方で楽しめるマルチプレヤーモードでのプレーなどである。マルチプレーヤーモードは、かなりありきたりなクラスベースFPSスタイルのアクションゲームが展開する。ライフルマン、殺し屋、狙撃手、鉱山労働者のどれか1つをプレーできるほか、デスマッチ、チームデスマッチ、旗を奪う、VIPなどいくつかのモードを選べる。さらに、「OK牧場の決闘」などの「歴史上の出来事」がリストアップされているモードもある。ただしそれらは、基本的に漠然とOK牧場をテーマにしたマップ上で展開されるチーム デスマッチ モードにそれらしい名前をつけてあるにすぎない。

 マルチプレーヤーモードでのプレーは、注目に値するほどではないものの、楽しむことはできる。4つのクラスは妥当な範囲で十分にバランスがとれているし、しばらくはアクションゲームのおもしろさを維持できるさまざまなモードが用意されている。そのためこのゲームは、できの悪い武器による制約はない。過去の一部のFPSは、マルチプレーヤーモードの場合に武器の性能による制約を受ける傾向がある。各クラスにはプライマリとセカンダリの2種類の武器が割り当てられるだけだが、武器はどれも強い破壊力を持つ。ただし、さまざまなマップが登場するとはいえ、マップから武器をピックアップすることはできない。われわれがマルチプレーヤーモードでプレイしたときは安定していたが、何回か時おり接続の問題が発生した。そのなかには、最終的にクラッシュし、ゲームをリブートしなければならなかった例が2回あった。

 表示のしかたについて言えば、「Call of Juarez」は特にグラフィックスで可能な範囲ですべてがマップ上で展開する。環境は、間違いなくポイントが高い。ゲーム内を移動するにつれて、山々の展望から沙漠の平原まで、昔懐かしい西部劇の風景が大量に盛り込まれている。優れたライティング効果としっかりとしたテクスチャワーク(時どき見かける見苦しいスポットは除く)によって、すばらしい仕事がさらに見栄えがする。これがコインの表だとすると、キャラクターモデルはコインの裏面に当る。ゲーム内で出会う人物すべてが、「Doom 3」の登場人物のようにあまりにもつるつるした感じがし、醜いミュータントのようにさえ見える。アニメーションはぎこちない動きになりがちで、クリッピングの問題がきわめて頻繁に起こる。それに、プレーヤー自身のキャラクターモデルの姿を鏡や水に映った影やシルエットで見かけるとき、あるいは見下ろすだけでも、ゴーストタウンに仕掛けられた観光客向けのトラップに使われるアニマトロニクス型ロボットをコントロールしているような気分にさせられる。それでも、長所がおおむね問題点を上回っていて、ゲーム全体は良いように見える。

コール・オブ・ファレス
ビリーをプレーしているときは、低木の茂みをたっぷり眺める覚悟が必要だ。

 オーディオは、以前の作品よりはセリフが聴き取りやすい。一部のすばらしい音響効果と当時の雰囲気をよく捉えているサウンドトラックは別として、ほとんどすべてのキャラクターは、おおむね硬質でややわざとらしい声の演技になっている。唯一思わしくないのはビリーだ。ビリーを演じる声優は、レコーディングブースから一刻も早く逃げ出したいのかと思わせる声を出している。他の声優は調子が良かったらしく、楽しめる声の演技を聞かせてくれる。

 「Call of Juarez」は、時にはぎこちなく月並みに感じられる。しかし適切な対策が十分にとられているため、さまざまな問題を超えて楽しめるシューティングゲームになっている。懐かしの西部劇のモチーフを生かし、ガンファイト(と聖書を使う攻撃)はとても楽しいし、使えるマルチプレーヤーモードのおかげでこのゲームは長い間遊ぶことができる。このゲームは、最近の西部劇風シューティングゲームが打ち立てた最高水準を引き上げるものではない。しかし、あらゆる点でよくできた、しっかり楽しめるゲームである。

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