文:Kevin VanOrd(GameSpot)
翻訳校正:アークコミュニケーションズ、瀧野恒子
2008/01/21 10:25
「ナイツ〜星降る夜の物語〜」は、抵抗しがたい魅力を備えた美しくも優しい気持ちになれるゲームである。その中心的な部分には心あたたまるものがあり、何度でも繰り返しプレイしたくなる。プレイヤーは、その名がタイトルの由来となったナイトピアの住人「ナイツ」となって、華麗に作りこまれたさまざまな環境で縦横無尽にチェイスを繰り広げる。そして、砕け散った心をつなぎ合わせて元に戻そうとする2人の子どもと友だちになる。最後には、友情こそが大切であり、信頼すべきものであることが誰にも納得できる。優しい気持ちになれるのが魅力でもあるため、プレイ中は誰でもおそらくほとんどの時間は笑顔でいられるはずだ。しかし、笑ってばかりはいられない。「ナイツ〜星降る夜の物語〜」は、幻想的なビジュアルと洗練されたシンプルさゆえに、驚くほどべたな作りのコースの連続と、ゲームの魅力を高めるどころか損なっているWii中心のコントロールオプションに足をすくわれている。だが、このゲームはプレイヤーをよい気分でいさせてくれるから、爽快感のあるゲームプレイやすばらしいできばえのボス戦の数々を考えれば、欠点を大目に見るのはたやすいことだ。
「ナイツ〜星降る夜の物語〜」では、セガサターン用に作られた1996年の前作「NiGHTS into dreams...」と同様に、それぞれの物語がたがいに交錯する2人の子どもが主人公である。今回の主役ウィルとヘレンは、2人とも親との間に解決しなければならない問題を抱え、眠っているあいだに夢の世界ナイトピアに迷い込む。だがそのナイトピアは、巨大な悪の存在ワイズマンとその部下である邪悪なナイトメアンの攻撃にさらされている。ウィルとヘレンは、中性的で愉快なキャラクター「ナイツ」と同化(デュアライズ)できる。ワイズマンを倒し、ナイトピアを解放し、砕け散ったイデア(心のさまざまな側面を表す)の光を取り戻せるかどうかは、2人の活躍しだいである。この物語は、オリジナル版のファンにはおそらく聞き覚えがあるはずだ。このゲームは、実際のところサターン版ゲームの基本前提に負うところが大きい。他方では、ダイアローグの一部はどうしても古臭く感じられる。
プレイヤーが訪れる夢の世界(ステージ)の大半は、5つのコースに分かれている。最初のコースでは、ファンなら何年たっても忘れられないナイツ独特の見覚えのあるゲームプレイに出会う。ここでは、プレイヤーはナイツとなって空高く飛びあがり、次々にリングをくぐってブルーチップを集める。ただし今回のゲームでは、ブルーチップはこのコースを完了するためのカギではない。次のコースでは、鳥のような姿をしたナイトメアンの看守を追い払って、幽閉されているナイツを解放しなければならない。看守たちは、3つのオリの錠を開けるカギを持っている。このコースを完了するには、タイムアウトになる前にすべてのオリの錠を開けなければならない。ナイツが最初の幽閉状態から解放された後に、これらのオリを開錠しなければならない理由は明らかではない。ファンならば、前作の同じコースにストーリーに基づく目的がはっきりと示されていたのをなつかしく思い出すかもしれない。それでも、「ナイツ〜星降る夜の物語〜」のフライングアクション中心のゲームプレイには、満足できる背景が用意されている。
ナイツはレールに乗って飛行するため、水平方向の動きに関してはつねにまっすぐに移動する。ただし、垂直方向に動かす余地は十分ある。これは、すべてのWii対応コントローラ(Wiiリモコンのみ、リモコンとヌンチャクの併用、クラシックコントローラ、GameCubeコントローラ)で可能である。システムのモーションコントロールを使用するのは、リモコンのみだけである。ただし、リモコンとヌンチャクの併用モードでも可能な、おもしろいけれど無意味なアクロバット飛行をする場合は別である。この動きは、リモコンを傾けることで実行できる。残念なことだが、Wiiの最大の特長であるコントロール方法は、このゲームでは最も扱いづらいコントロール方法になりがちである。このゲーム内ですべるように空を飛ぶには、行きたい方向に大きな青いフォーカスカーソルを合わせたまま、前方向に飛ぶためにAボタンを押し続けなければならない。誰でもそのうちに慣れるが、他の方法ならばもっと緻密で正確な動きが可能であることを考えると、おもしろいとはいえふわふわしすぎる感じがする。各コースでハイスコアを獲得するには緻密な動きが必要なため、好みの代替コントローラのアナログスティックを使って飛行するのがベストである。しかしそれでも、真に緻密な操作をしようと思えば、どの代替コントローラにもあるアナログスティックの周囲の八角形のカットアウトが邪魔になる。
好みのコントロールに慣れて落ち着いたら、「ナイツ〜星降る夜の物語〜」は多くの場合は楽しいゲーム体験になる。プレイヤーは、壊れやすいガラスの国からブロードウェーを思わせるネオン輝くユートピアまで、美しくカラフルな夢の世界を空高く飛び回る。そして多くの場合、プレイヤーがさまざまな世界の要素と接触するときには気の利いたしかけがある。たとえば、ふわふわ浮いている巨大なビリヤードボールにぶつかるときや、鏡に映った自分の姿を見ながらブルーチップを集めたり、リングをくぐり抜けるときなどがそうだ。これらのコースでは、視点の変化(突然、上を見上げていて雲に向かってズームインすることがある)や列車などの別のオブジェクトへの変身(文字通りレールに乗ったアクション)による混乱も発生する。これはシンプルだが効果的だ。そしてゲームのなめらかなスピード感と、見つけなければならないさまざまなアイテムがプレイヤーを飽きさせない。
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