憎き勇者を迎え撃て! 異色のダンジョン経営ゲーム【勇者のくせになまいきだ。】レビュー
GameSpot スコア
| 操作性 | 8 | |
| ビジュアル | 9 | |
| サウンド | 8 | |
| 満足度 | 9 | |
| 独自性 | 10 |
わかりやすさ: 10〜30分
プレイヤーは目覚めたばかりの破壊神に成り代わり、自らを呼び出した魔王と共に世界征服を目論む……というストーリーなのだが、魔王と破壊神を討伐しに勇者がやってくるのがファンタジー世界のお約束。かくして、プレイヤーは部下である魔王と共に、勇者を撃退するためのダンジョン造りに精を出すことになるのだ。
ダンジョンだって生きている!
勇者を撃退するためには、破壊神の特権である「堀パワー」で土を掘ってダンジョンを作り、魔物を育成して勇者撃退の準備を進めていく必要がある。しかし、ただ単純に強い魔物を配置するだけではダメなところが、このゲームの面白いところ。
このゲームの魔物は、同じ魔王の配下だから仲良しという訳ではなく、野生の赴くままに行動する生物ばかり。つまり、より強い魔物が弱い魔物を捕食していく「食物連鎖」の原理がダンジョン内で働いているのだ。
調子に乗って強いドラゴンだけを大量発生させてくいと、ドラゴンがすべての魔物を食い散らかした後に、エサがなくて餓死……ということも珍しくない。
かくして、食物連鎖のピラミッドの最下層に位置する「ニジリゴケ」は多めに、そしてピラミッドの上位に位置する「トカゲおとこ」や「ドラゴン」は少なめに……と、慎重なバランス感覚がプレイヤーに求められることになる。
また、各魔物には行動パターンがあり、それぞれのパターンに会わせたダンジョンを構築しないと、それぞれ勝手な場所に散ってしまってロクに連携が取れないままゲームオーバー……という展開になることは必至だ。
意のままにならない自軍魔物に頭を悩めつつ、よりよい環境を作るべく四苦八苦するプレイ感覚は、管理職的な思考が求められているようで面白い。
憎き勇者を撃退するのだ!
このように、ダンジョンを経営するのも一筋縄ではいかないのだが、その分、効率の良いダンジョンを構築して、自分の理想通りにダンジョンの歯車が噛み合い始めた時の感動はひとしおだ。まさしく、メーカー公称のジャンルである「ダンジョン・マネージメント」の名前通りの楽しさが味わえる瞬間と言えよう。
ダンジョンという限られた世界の中で、生物のバランスを調整し、拡大していく楽しさはまるで世界の創造神にでもなったかのような感覚にさせてくれる(プレイヤーの立場は破壊神だが……)。
しかし、そんな平穏な日々も長くは続かない。一定時間経過すると、ダンジョンの入り口から勇者が突入してくるのだ!
自分が手塩にかけて育てたダンジョンを、容赦なく破壊し、魔物を蹂躙していく勇者の姿はまさに悪魔! 脳天気な声とともに暴れまくる勇者の姿は、魔王でなくとも憎悪を抱くことは必至だろう。 この突如乱入してくる憎き勇者をうまく倒すことができればステージクリア。逆に、魔王が勇者に生け捕られ、そのまま脱出を許してしまうとゲームオーバーである。 このゲームのメインである「ストーリーモード」では、ステージが進むごとに(小賢しくも)パーティを組んだり、強力な必殺技を使ってきたりするようになる。ダンジョンの形状はそのままで次のステージに進むので、序盤から先の先まで見据えたダンジョン経営力が求められるのだ。ゲームに慣れないうちは目先の勇者を倒すだけで精一杯だが、次第に先の先まで読んでダンジョンを構築できるようになってくる。自分自身の上達が感じられる一瞬だ。
この「ダンジョン経営」と「勇者の突入」という2つのパートによる繰り返しが、ゲームの展開にメリハリを与えてくれ、常に緊張感を持ってプレイをすることができる。また、早く勇者を倒すほどボーナス点も多くはいるので、時には扉を自ら開いて勇者を招き寄せるといった戦術も取れる自由度の高さも嬉しい。
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