「マーケティングオートメーションはカスタマーエクスペリエンス向上の近道」アンダーワークス田島氏が講演

CNET Japan Ad Special2016年01月13日 15時00分
 朝日インタラクティブは11月10日、「ビジネスの未来を決めるカスタマーエクスペリエンスセミナー」と題し、イベントを開催した。昨今、企業において顧客との接点はマスメディア、ウェブ、アプリ、ソーシャルメディア、店舗などオンライン、オフラインを問わずどんどん増加し、複雑化の一途をたどっている。その中で顧客を理解し、その体験をどのようにして向上していけばいいのだろうか。
 アンダーワークス株式会社・代表取締役社長田島学氏は「マーケティングオートメーションが顧客一人ひとりを深く理解し、最適な対応をするカスタマーエクスペリエンスを実現する近道である」と解説する。

カスタマーエクスペリエンスはONE to ONEマーケティングに帰結する

 アンダーワークスは、テクノロジーを活用して企業のデジタルシフトを支援している。具体的には、マーケティングオートメーションやプライベートDMPの導入と運用支援、またデータとテクノロジーを軸としたデジタル戦略の立案などである。

 つまるところ「カスタマーエクスペリエンス」とは何か。田島氏は「顧客一人ひとりを深く理解し、最適な対応をすることである」と定義し、「カスタマーエクスペリエンスはONE to ONEマーケティングに帰結する」と解説する。

アンダーワークス株式会社代表取締役社長田島学氏
アンダーワークス株式会社 代表取締役社長 田島学氏

 「ONE to ONEマーケティング」という考え方は、D.ペパーズとM.ロジャーズが20年以上前に著した同名の書籍に登場している。当時はFAXが全米に普及しつつあった時期で、インターネットはまだ想定されていなかった。しかし、「一人ひとりに違うメッセージを届ける」ことの大切さはすでに同書で語られており、田島氏は「未だに"ONE to MASS"(1対多数)が大半を占めるなか、テクノロジーが進化した今こそ、ONE to ONEを進めていく機運にあるのではないか」と提言する。

 実際にONE to ONEマーケティングによるカスタマーエクスペリエンスの先進事例として田島氏が挙げるのが、米国の地方金融機関ZionsBankの「ウェルカムプログラム」だ。

 口座開設後の顧客離反に課題を抱えていたZionsBankでは新たに口座を開設した新規顧客に対して、開設時のアンケート結果や顧客属性、ホームページの閲覧状況、取引履歴などに応じて、Eメールやホームページのパーソナライゼーションを実施。結果として、口座開設者の離反率が5%減少し、口座への平均貯蓄額も2倍以上になるという結果を生み出したと言われている。ROIにして600%以上とも評されるこの取り組みは、米国National Center for Database MarketingからGold Award for Marketing Strategies も受賞している。

ONE to ONEマーケティングをドライブする3つの軸

 さらに田島氏は、「データ」「顧客ステージ」「チャネル」という3つの軸において、テクノロジーが進化し、ONE to ONEマーケティングが実現しやすくなると説明する。

 「データの軸」とはDMPなどのデータ活用のテクノロジーに代表される。ウェブログから販売データなど様々な自社データを集約し、パーソナライゼーションや顧客分析にも利用されるものであり、「顧客一人ひとりの深い理解」を実現する。こうしたDMP構築は、以前は億単位の投資によるスクラッチ開発でしか実現できなかったが、今ではクラウドのWebサービスなどを活用すれば数百万~数千万程度の投資でも実現できるようになってきた。

 「顧客ステージの軸」とは、CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)に大きく関係する。これまでは、購買後の顧客が対象であったが現在は購買前の匿名段階にある顧客の行動もデータで把握でき、「顧客一人ひとりの購買サイクル全体の理解」を実現できる。

 「チャネルの軸」は、最近ではCCCM(クロスチャネルキャンペーン)と呼ばれるマーケティングオートメーション関連のテクノロジーに代表される。EメールやSNS、ECサイト、スマホアプリなど顧客との多様な接点を管理することで、「顧客一人ひとりの最適な接点での最適な対応」を実現する。

マーケティングオートメーション主導型でONE to ONEをスモールスタートする

 プライベートDMP(データの軸)、CRM(顧客ステージの軸)、クロスチャネルキャンペーン(チャネルの軸)といったマーケティングテクノロジーの進化により、ONE to ONEマーケティングが実現しやすくなるなか、ONE to ONEをスタートする上で主に4つの選択肢(マーケティングオートメーション主導型・パッケージ型DMP・スクラッチ開発型PrivateDMP・MarketingCloudエコシステム)があると解説した。なかでも取組範囲や投下コストの制約がある前提に立つならば、比較的割安な投資で、3つの軸を実践できる「マーケティングオートメーションツールを活用したスモールスタート」という選択肢も検討すべきだと力説した。

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