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「ワークスタイル変革」のカギは、 ルールとツールと意識変革にあり!

近年、オフィスでの従業員の働き方を変える「ワークスタイル変革」が経営におけるキーワードのひとつになっている。これまでも、市場に登場した新たなテクノロジーを使いこなすことで「業務効率を高め」「ムダを削減する」働き方を進めていくという取り組みは盛んに行われてきたが、現在注目を集めている「ワークスタイル変革」においては、従来とは違う視点が求められているようだ。
今回、CNET Japanでは、ワークスタイル変革の一環として「オフィス環境」のあり方を提案しているコクヨの坂本崇博氏と、コミュニケーションインフラとしてのサービスを提供しているNTTコミュニケーションズの鈴木正彦氏を招き、「ワークスタイル変革」をテーマに対談を行った。それぞれの立場での発言から、その必要性や、成功へと導くための取り組み方、考え方について明らかにしていきたい。

(出席者 本文中敬称略、聞き手:朝日インタラクティブ 編集統括 CNET Japan編集長 別井貴志)

「ワークスタイル変革」を促すのは、「テクノロジー」だけではない

別井:今回、「オフィス環境」を提供していらっしゃるコクヨの坂本様と、「コミュニケーションサービス」を提供していらっしゃるNTTコミュニケーションズの鈴木様にお越し頂いていますが、それぞれ異なる立場から「ワークスタイル変革」に関わっていると思います。

「ワークスタイル変革」というと、今はやりのバズワードのようなイメージもあるかもしれませんが、時代ごとの社会的な要請や、新しく生まれた「テクノロジー」に合わせて、働き方を変えるということは、これまでにも、何度も繰り返されてきました。

 ただ、昔は「OA(オフィスオートメーション)」のような表現で、「ムダを削減し、生産性を上げ、コストを下げる」ことばかりが注目されていたのと比べて、スマートフォンのようなデバイスが登場した近年では「社内だけでなく、社外ともコミュニケーションしつつ、ユニークな価値を創造する」ための変化を作り出そうといった形に、「働き方の変化」に対する視点が変わってきているようにも感じられます。


コクヨ株式会社 坂本 崇博氏
ファニチャー事業本部 スペースソリューション事業部
ソリューション第2部ソリューショングループ
グループリーダー

坂本:たしかにそうですね。私としては、今の「ワークスタイル変革」を促している、より大きな要因は「テクノロジー」よりも「市場環境の変化」だとみています。今までは「テクノロジー」が登場するとそれを「使いこなす」という営みのなかで仕事のやり方が変わってきましたが、これからは市場変化の中で勝ち残るために「積極的に変化しなければならない」状況になっているのではないでしょうか。


※クリックすると拡大画像が見られます

NTTコミュニケーションズ 鈴木 正彦氏
ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部 販売推進部門 第二グループ 担当部長

鈴木:NTTグループは電話からはじまって、携帯電話、IPネットワーク、クラウドと商材を広げてきました。いわば「テクノロジー」を提供する立場だったわけですが、われわれの訴求も、お客様のニーズもこれまでは「コスト削減」「効率化」というのが中心のテーマだったと思います。ただ、現在ではサービス単品の価格や機能を訴求するだけではなく、それらのサービスを使ってどのようなイノベーションを生みだすかというところまでを合わせてご提案していかないと、受け入れられない市場環境になってきていると感じています。

私はボイスコミュニケーションサービスを担当しており、現在クラウドやスマートフォンなどを使った音声を中心としたコミュニケーションツールを提供するかたちでワークスタイル変革に関わっていますが、自社が提供できる「価値」だけでなく、さまざま企業とのコラボレーションの中で、お客様に対して「価値の生みだし方」を提案していく体制を充実させていく必要があるなと感じています。

別井:「テクノロジー」が働き方の変化を主導するのではなく、「市場の変化」に対応するために、働き方を変えて、イノベーションを触発する必要性が生まれているという認識でしょうか。「テクノロジー」は「イノベーション」を効果的に生み出すためのツールとして選択されるという状況になっているのかもしれないですね。

 現実に今、「従業員の働き方を変革したい」と考えている企業も増えていると思うのですが、坂本さんは、具体的に何から着手していくべきだと考えておられますか。

坂本:まずは「時間創出」です。これからは、ルーティーンを優秀にこなすことよりも、新しい価値を生みだすことができる人を増やしていかなければなりません。「当たり前」と思ってやっている会議や、日々の会話やメールといった「コミュニケーション」も取捨選択して減らしていくことを考える必要があるのではないでしょうか。

それができたら、次は「作った時間をどう使うか」を考えます。仕事のやり方を変えていくためには、今やっている仕事の中に「課題」を発見しなくてはいけなりません。つまり社内に「課題発見型のコミュニケーション」を増やしていく必要があります。企業は、そのための投資をしていくべきです。

もうひとつ、コラボレーションするためには「つながり」を増やさなければいけません。各社員が、より積極的に社内外の人とコミュニケーションすることを、自分の「仕事」とらえて取り組める環境ができるといいと思います。

鈴木:今の働き方や環境を、新しいものに「変える」ための考え方や方法論は、プロセス化も教育も非常に難しいですよね。「今の仕事のやり方で何も問題ない」と思いこんでいると、新たなテクノロジーが表れたとしても、それによって「便利になった」と感じられることは少ないですし、そこから「改善」の必要性に気付くことすらも難しいかもしれないですね。

提供:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年12月31日