インターネットゲートウエイのアウトソーシングが運用負荷の軽減の解決策のひとつであることは疑いようがない。しかし、実際にインターネットゲートウエイのアウトソーシングは普及しているのであろうか。実は、その導入はあまり進んでいないのが実情だ。
これにはいくつかの理由が挙げられる。まず、自社システムを社外の他人の手に任せるのは不安という心情的な理由だ。また、アウトソーシングすることによって、ブラックボックス化してしまうことへの恐れもある。自社のライフラインであるインターネットゲートウエイが「見えなく」なってしまうことへの不安だ。
もうひとつの重要なポイントとして、セキュリティが挙げられる。多くの企業で導入が進んでいるVPN。しかし、せっかく拠点間でVPNを使っていても、アウトソーシングを利用するために、オープンなインターネットを経由するのでは、セキュリティレベルが下がってしまう場合もある。
NTTコミュニケーションズ既存のVPNを活かしつつ、アウトソーシングも活用したいというニーズに応えるサービスは無いのであろうか。NTTコミュニケーションズの井上真也氏は、次のように語る。
「これまでのインターネットゲートウエイアウトソーシングサービスは、VPNユーザーが利用できるサービスは2極化されていました。たとえば、メールサービスの場合、インターネット上のオープンメールホスティングサービスを利用するのか、自社でセキュリティを担保したメールシステムをSIとして構築するのか、そのいずれかを選択するしかなかったのです。またユーザーがメール以外のサービスも同時に利用したい場合でも、メールサービスのみを単独で提供するメニューしか用意されていないなど、サービスメニューの構成も不十分なものでした。そこで、VPNのセキュリティレベルを保持したまま、インターネットゲートウエイ機能をTotalに提供する『業界初のVPNバンドル型インターネットゲートウエイサービス』を作り、提供を開始しました」
必要なサービスだけを、最適なプロバイダーから提供してもらう。たとえば、メールとウェブだけが必要であれば、これらの機能だけをアウトソーシングする方法は、従来から存在した。この点について、ユーザーの動向が変化しているとNTTコミュニケーションズの松尾義春氏は指摘する。
NTTコミュニケーションズ「これまで、ユーザーは必要な機能ごとに個別に構築もしくはプロバイダーのサービスを利用するというケースが多かったと思います。ところが、インターネットゲートウエイに求められる機能が複雑化、高度化、多様化してきた結果、ユーザーがそれぞれ個別に導入したものを全体最適化することが非常に難しくなってきています。そのため、最近のユーザーの傾向としては、機能別ではなく総合力のあるプロバイダーに全体を任せるように変わってきています。その際の選択基準としては、移行に関してのコンサルティングができるかという点も重要なポイントになるかと思います」
総合力のあるプロバイダーに一括して契約して、必要なサービスだけを導入したい。このようなニーズに応えるアウトソーシングサービスは、SaaSにならざるを得ないだろう。SaaSであれば、必要な機能だけを必要な時期に利用でき、段階的なサービスの導入によるコストの平滑化や、効果を確認しながら展開することが可能になり、中堅・中小企業での導入が容易になることが予想される。