林信行
2007/06/20 14:00
瀧田:ええ。しばらくしてマイクロソフトがInternet Explorerを出し、『ブラウザ戦争』が勃発します。
でも、実はこの競争を通してマイクロソフトとNetscapeが標準技術の開発を牽引し、いくつもの重要なウェブにおけるスタンダードが生まれました。結果としてみれば、それは大変有益なことだったと思います。
CSSなどもそうした競争の中から生まれた標準の1つです。
また競争のおかげでユーザーの声に耳を傾けようという姿勢も生まれてきました。
砂原:その後、マイクロソフトがうまかったのはウェブブラウザをウェブブラウザだけに留めず、OSに組み込んでしまったところですね。ここでOSを持たないNetscapeは苦境に追い込まれてしまう。
瀧田:その通りです。でも、だからこそ、そこでパっと方向転換をしてオープンソースという新しい方向を打ち出したんです。「Mozilla」プロジェクトという名前で。
砂原:私は当時は外部の人間でしたが、「後は好き勝手にしてください」とソースコードを投げ出しちゃったのかという印象がありました。ただ、びっくりしたのは、それがこれまでに見たことのないような、プリントアウトして持ち歩けないような巨大なソースコードだったことで、その点ではおもしろいと感じていました。
Firefox と Mozilla 関連組織の歩み(概略)
瀧田:Firefoxが出るまでの4〜5年は失敗というイメージが強かったみたいですね。
砂原:そうですね。インターネットは想像以上の発展をして、様々な利用方法が見えてきた一方で、当時のインフラ基盤のメインがまだISDNということもあり、遅くて追いついていなかった。
瀧田:ウェブブラウザの方も、一通りいろいろやってしまった感じがあって、その後、何をやったらいいかが見えず迷走していました。
誰かが、それまでのソースコードをきれいに清書しなければならない、また一度、外の風をいれないと行き詰まってしまう--そう感じていました。
それまでと同じ人材でやっていても、そこからは新しいものが何も生まれてこない。そんな思いがあって、オープンソース化には期待を抱いていました。
対談風景