クラウドにまつわる5つの「神話」--思い込みの真実をHPとインテルが明かす

IT担当者が抱くクラウドに関する代表的な5つの考え方は、すべて思い込みの産物、「神話」にすぎない--。本記事は、クラウドのコスト削減効果、ミッションクリティカル環境との相性、セキュリティ対策などに関する、ありがちな5つの「神話」とその真相を紹介する。

あるメーカーの午後、IT管理者A氏が“思い込み”でクラウドを語る

　クラウドコンピューティング。ある中堅消費財メーカー（主に業務用の日用品を製造している）で情報システムを担当している課長のA氏は、一般的なビジネスパーソンの例に漏れずこの言葉を毎日のように見聞きしてきました。年度末の繁忙期が近づいたある日、A氏のもとに営業本部長のB氏が現れ、唐突に質問を投げかけました。

　「Aさん、クラウドという言葉を新聞の経済面や業界紙の『業務改革』のコーナーで見るが、わが社ではどうなっているんだい？」

　A氏は「うちの会社でも、最近検討を進めていまして……」と前置きしたうえで、手短に一通りの説明をしました。それは“よくある感じ”の次のような5つのものでした。

　まず、クラウドにはパブリッククラウドとプライベートクラウドの2種類があり、

　「パブリッククラウドの採用はITサービスを調達する中で最も安価な方法です」

　しかし、

　「クラウドにはセキュリティに関する懸念があります」

　したがって、

　「現状、ミッションクリティカルなアプリケーションはクラウド化できません」

　とはいえ、

　「クラウドへ到達する道は、仮想化の採用から始め、少しずつ前進させることです」
　「クラウドコンピューティングを実現する道は、たった1つしかありません」

　なので、将来取り組むべき課題とは思いますが、すぐには難しいですね。そうA氏は付け加えました。

　B氏は「そうなのか、それではまだまだ時間がかかるのだろうし、わが社の受発注（営業系）・生産（工場系）を直結させている基幹システムはクラウド化できないんだね」と言い残して去っていきました。A氏が仕事に戻ろうとすると、突然背後から声をかけられました。

　「A課長、いまB本部長に話された内容は、すべて『神話』です。一部は事実ですが、全体としては真実ではありませんね」

　A氏が振り向くと、日ごろお世話になっているHPの女性営業担当者が、部下のC君と一緒に立っていました。打ち合わせから戻ってきたところのようです。

クラウドにまつわる5つの神話

　「ちょうどHPさんからクラウドに関する解説と2月10日のイベント「TECHNOLOGY @WORK 東京 2012」の案内を受けていたんです」と言うC君。「フォレスター・コンサルティングが発表した最新の調査資料やHPの各種資料をいただきました」と抱えていた5種類の資料をA氏の机に広げます。

　「いま、A課長が話されていたように、ユーザーの皆さんがクラウドに対して抱いている先入観はもはや“神話”と言っていいレベルに定着しています。でも、弊社は少し違う考え方をしています。少しお時間をいただいて、この『5つの神話』の真相を解明しましょう」とHP担当者は話し始めた。

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