大きく姿を変えるLinuxWorldカンファレンス - (page 2)

Stephen Shankland (CNET News.com)2005年08月09日 12時01分

 「産業界は潜在的に、いつでも多目的なトレードショーが行われていることを願い、また必要だと思っているのではないかと考えている。トレードショーは、さまざまなものを一堂に集め、融合させるのに適しているからだ。LinuxWorldは、まさにそうしたイベントへ進化しようとしている」と、IlluminataのアナリストGordon Haffは話す。

 Linuxは長年にわたり、オープンソースソフトウェアの確立に貢献してきた。多くのLinuxWorld出展企業が、そうしたオープンソースソフトウェア製品を販売している。

 ベンチャーキャピタル企業Sevin Rosen FundsのゼネラルパートナーNick Sturialeは、「オープンソースを専業としている企業で利益を上げているのは、Red Hatだけだ。オープンソース関連のビジネスモデルは、そのほとんどが採算が取れるかどうかまだ明らかになっていない」と述べる。だが、リスクは確かに大きいものの、そのぶんそこから得られる利益も大きくなる。「ベンチャーキャピタリストの多くは、オープンソースビジネスに並々ならぬ関心を抱いている」(Sturiale)

LinuxWorldに出展するオープンソース新興企業の動向

  • OpenMFGは、企業の業務遂行に用いる会計/在庫管理ソフトウェアを開発している。同製品は、SAPやOracleの製品と競合するものだが、これをオープンソースソフトウェアとすることで優位を獲得しようともくろんでいる。OpenMFGはLinuxWorldで、顧客や再販企業が開発もしくは出資して改良した機能を含む、「OpenMFG」のバージョン1.2をリリースする。これは従来のOpenMFGにはなかった特徴だと、同社は説明している。
  • SugarCRMもまた、CRM(顧客関係管理)市場において、大手ソフトウェアベンダーに戦いを挑んでいる。同社は「Sugar Enterprise Edition」のリリースを発表しており、同製品は、オープンソースの「MySQL」だけではなく、「Oracle 9i」データベースなどとも連携するハイエンドな製品だとしている。同製品の価格は、1ユーザー当たり年間449ドル。また、SugarCRMの全バージョンが、サードパーティ企業のソフトウェアモジュールを追加できるよう設計されているという。
  • 新興企業EnterpriseDBは9日、同社のオープンソースデータベースで、「PostgreSQL」をベースとする「EnterpriseDB」の初めてのバージョンをリリースする。同日には、3通りの価格が設定されたサポートサービスについても、詳細が発表される予定だ。同サービスの価格は、1プロセッサ当たり年額1000ドルからとなる。

Linux専門ベンダー

 Linuxそのものを対象とした出展がないわけではない。

 Linuxベンダー最大手のRed Hatでは、「セキュリティ関連の重要な取り組み」の詳細を説明する予定だと、同社の広報担当Leigh Dayは述べる。ここでは、 セキュリティ問題を解決するために、Red Hatが向こう数カ月間で自社のリソースをどう配分し、パートナー企業と協力していくかが明らかにされるという。

 Linuxベンダー2番手のNovellは、2種類のLinux製品のうちの片方を刷新する計画を詳しく紹介する。この計画の下でNovellは、製品の開発に向けて外部のプログラマの力を借りる予定だ。OpenSuseプロジェクトと呼ばれる同計画は、Red HatのFedoraプロジェクトに類似している(関連記事)。

 またLinuxの世界では長い歴史をもつDebianに関する新たな展開も発表される。Debianはこれまでボランティア開発者のネットワークによって作り上げられてきた。だが今回、Debianから派生したLinux製品を扱う複数の組織が結束して、より多くのユーザーを獲得するための取り組みに着手するという。

 この取り組みを推進するために結成されたDebian Common Core(DDC)Allianceでは、Debianの商用化を目指すと、Debianプロジェクトの設立者で、Progenyという企業の創設者でもあるIan Murdockは述べる。DCCの詳細は9日に発表される。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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