カーラジオの常識を覆す「Amanek」チャンネル--車載に特化した業界初の仕組み

 アマネク・テレマティクスデザインは、新デジタル放送「i-dio(アイディオ)」で放送を実施している「Amanek(アマネク) チャンネル」について説明会を開催した。

 Amanekは、主に移動体端末に向けて実施するマルチメディア放送i-dioが放送する6チャンネルのうちの1つ。ドライバー専門チャンネルとして、カーラジオ向けのコンテンツを提供する。現在プレ放送を実施しており、7月から本格稼働する予定だ。

 320KbpsのAAC形式によるドライブミュージックを提供するほか、常に15分先の天候や災害情報、GPSによる位置認識による地域情報などを提供することが特長だ。放送する楽曲においても「ドライブ中」であることを意識した選曲にしていくという。

 放送は東京・池袋にある日本気象協会内にスタジオを設け、独自の「Amanekモニター」を見ながら行っている。Amanekモニターには、現在の天候のほか、風速、雨量、渋滞情報、交通量などが表示されるため、道路情報に天候などを重ねあわせ、リアルタイムの情報を伝える。

Amanekスタジオの様子
Amanekスタジオの様子
  • Amanekモニター画面。説明会の日は晴天だったので、雨が降っていた24時間前の様子が映しだされた

  • 雨が降っていた関東地区を拡大すると雨量も見られる

  • トラフィック情報も重ねて見られる

 聴取するには専用チューナが必要となり、チューナごとにIDを付与することで、車ごとのデータ配信も実現。GPSによる位置判断をあわせ、エリアごと、車ごとの情報配信ができる。これにより限定車種のみにCMを配信したり、道路沿いのサイネージと組み合わせてクーポンが配布したりといった活用が可能だ。個別対応とスピードを重視し、これらの情報配信には「TTS(TEXT TO SPEECH=自動音声)」を用いる。

 聴取は無料で、独自の広告展開や業務車両用のテレマティクスサービスなどを提供することで、収益を確保していく計画。今後は「GPS付移動体向け防災デジタルラジオ」や「Amanek車載パートナーロボット」などの開発も手掛ける。

  • CMは通常のCM放送から、データを加える、個々のチューナにピンポイントに送る、設定エリアに入ってくる車に対して送るなどの方法が考えれる

  • 開発中の「GPS付移動体向け防災デジタルラジオ」。ペットボトル型で車内のドリンクホルダに置ける

  • Amanekモジュールを搭載したナビなどが普及すれば、放送波を通じて地図データを更新することが可能になるという

アマネク・テレマティクスデザインの代表取締役CEOである今井武氏
アマネク・テレマティクスデザインの代表取締役CEOである今井武氏

 今後は、2セグメントのうちの1セグを番組放送、もう1セグを業務車両用チャンネル、サイネージチャンネル、3rdパーティチャンネルと3分割し、使用していく予定。4月には車載対応「TunerBox」(税別価格:1万2800円)を発売するほか、Amanekソフトウェアモジュールをカーナビゲーションなどに組み込むことで、受信対応機を増やし、2020年には1000万台以上の車両に実装させたいとしている。

 アマネク・テレマティクスデザインの代表取締役CEOである今井武氏は「3月1日にプレ放送を開始したAmanekは、ラジオなので自動車と親和性が高い。放送はもちろん、特別な情報をセグメントした人だけ送れるなど業界初の仕組みを使っていろんなシーンで使ってもらいたい」と話した。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]