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デジタル製品

いつでもどこでも自作・分解するツール--お気に入りガジェットバトン第30回

2007/12/07 21:49
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 ガジェットを愛するライターたちが、日頃愛用しているとっておきのデジタルグッズを紹介する連載コラム「お気に入りガジェットバトン」。第29回の小野憲史さんから託されたのは、デジタルガジェットに1000万円以上の私財を注ぎ込んだ伝説を持つ、テクニカルライターのJo Kubotaさんです。“モノ好き♪”Jo Kubotaさんの“とっておきの一品”とは──?(編集部)。

たくさんの工具よりひとつの工具

 ガジェットと言えばポータブルな音楽プレイヤーとかデジカメとかPDAとかハンディなGPSとかミニノートとか通信カードとかあるわけですが、それらは紹介され尽くした気がしないでもない。ガジェットと言えば電子な小物というイメージがあるわけで、このコラム自体もそういった製品を紹介する意図があるハズだが、ここであえて電子部品を搭載しない電子部品のためのツールを紹介したい。

 さて筆者の趣味はいろいろあるが、やはり柱と言えるのは自作PCを含むパソコンだ。正確には組み立てるよりも分解する方が楽しいタイプの人間である。デスクトップなPCだけでなく、メーカー製ノートPCとかルータとかパソコンに関連する製品であれば分解せずにはいられない。そして故障したものは、とりあえず自分で修理を試みる。その結果、ただのガラクタになろうとも、その作業から何か得るものがあれば、それで満足なのだ(そしてガラクタが増えていく)。

 そんなPCカスマイズ・ライフだが、普通は家であーでもない、こーでもないとイジり回すのものだが、筆者の場合は家とは限らない。

 さすがに野外で自作したことはないが、自宅以外でPCに接することも多々ある。その場所とは、友人・知人の家だったり企業のオフィスだったりする。ショップブランドなりメーカー製パソコンなり、時にはノートパソコンだったり、Xbox360などのゲーム機器だったり、ともかく家以外の場所で機器を修理・交換・分解・改造することが結構あったりする生活を送っているのだ。

 自宅以外の場所でそういった作業をする場合、工具をイロイロと持っていく必要が出てくるのだが、用途に合わせて持って行こうとすると結構な荷物となる。外出する際は可能な限り荷物を持ちたくない性分なので、カバンも小さいもの、あるは手ぶらで行って、手ぶらで帰ってきたいと思うタイプな筆者である(なので旅行に行ってもお土産は持ち帰らず送ってしまうタイプ)。

ビクトリノックスの「サイバーツール」

実は最近、メガネ用ドライバを失くしてしまったので、近いうちに補修部品を頼もうと思っている 実は最近、メガネ用ドライバを失くしてしまったので、近いうちに補修部品を頼もうと思っている

 前置きが大変長くなったが、そこで登場するのがスイスの名門ナイフメーカーであるビクトリノックス(Victorinox)のマルチツール、日本では通称十徳ナイフと呼ばれる分野の“工具”だ。ビクトリノックスはさまざまな種類のマルチツールをラインナップしており、その中に「サイバーツール」という製品がある。これは34種類の機能が手のひらにすっぽり収まるサイズに詰め込まれており、とりあえずコレ一本あればデスクトップなPCからノートPC、PDA、Xbox360の分解ができてしまう超便利なツールなのだ。

 何がどう便利なのか、順を追って紹介しよう。

 まずナイフメーカーらしく、小ナイフと大ナイフが付いている。筆者宅には毎日のようにレビュー用の機材が届いたりするのだが、小ナイフは荷物などの梱包を解くときに活躍してくれる。これは、まぁ普通の使い方。

 続いてはドライバだ。ドライバはビットを交換することでプラス・マイナス・ヘックスドライバとして使える。そのビット差込口はそのまま六角のボックスドライバとして使えるため、マザーボードの固定に使う六角スペーサーや、Dsubコネクタの六角スペーサーを回すのに使える。ボックスドライバがないときはラジオペンチなどで締めたりするが、なかなか力が入らないし、ラジオペンチがツルっと滑ってイライラした経験を持つ人も多いのではないだろうか。工具が1つあると精神的にもラクなほか、作業の確実性も増す。

 そしてドライバビットに用意されているヘックスドライバはT10/T8/T6の3種類ある。この3種類があるおかげで、Xbox360のシャーシを最後まで分解することが可能。なぜXbox360を分解するかって? そりゃ冷却改造するためですとも。そこに熱いCPU/GPUがある限り、冷却しないと気が済まないのはきっと自作派の性というもの。

年季が入っていい感じになってきたレザー製のベルトホルダー。便利すぎてホルダーに入れたまま飛行機に乗ろうとしてゲートで「ビー」と鳴ったことが2度ほどある(笑) 年季が入っていい感じになってきたレザー製のベルトホルダー。便利すぎてホルダーに入れたまま飛行機に乗ろうとしてゲートで「ビー」と鳴ったことが2度ほどある(笑)

 またメーカー製PCの中にはヘックスドライバでしか開けられない製品もあるため、ポケットにいつもサイバーツールを入れておけば、どこでも誰の家でも何でも分解できちゃうのである。いつも持ち歩きたいので、専用のベルトホルダーまで買ってしまった。

 また太いマイナスドライバも最近はよく使う。LGA775なCPUクーラーを外すときに、このマイナスドライバがあれば簡単に固定フックを回すことができるからだ。普段マイナスドライバなんて使わないから、いざLGA775のCPUクーラーを外そうと思ってもドライバが見つからず右往左往してしまいがち。しかしサイバーツールがあれば大丈夫!(釈由美子風)

Xbox360もサイバーツールがあれば数分でここまで分解できちゃう。まぁ、問題は分解したあとなんだけどね Xbox360もサイバーツールがあれば数分でここまで分解できちゃう。まぁ、問題は分解したあとなんだけどね

 そして電工作業でもサイバーツールは活躍してくれる。大ナイフはケーブルの被覆を剥くのにも使え、切れ味も抜群なのでヘタなケーブルカッターを使うよりマシだったりする。ケーブルを切断する場合は、内蔵されているハサミを使い、そして切ったケーブルをつなぐ圧着端子も内蔵のプライヤーでかしめることが可能だ。さらにハンダコテを使う場合もこのプライヤーで部品やケーブルを挟めば、アチッ!とならずに済む。

 サイバーツールは工具以外にも使い道がある。それは簡単な定規……というかモノサシと言った方がしっくりくるだろうか。さすがにミリ単位での精密な計測はできないが、PCパーツの長さを目測で推し量るのに非常に都合のよいサイズになっている。

各ツールを起こすことで長さを特定できる。意外にもビデオカードの長さを把握するには丁度よかったりする。写真の場合は18cm 各ツールを起こすことで長さを特定できる。意外にもビデオカードの長さを把握するには丁度よかったりする。写真の場合は18cm

 まずすべてのツールを閉じた素の状態、つまり柄の部分の長さが9cm。これをベースに各ツールを起こすと、9cm+アルファの長さが計れるというわけだ。これが何の役に立つかと言えば、ビデオカードの全長を測るのに都合が良い。たとえば家で使っているパソコンが18cmまでのビデオカードしか装着できないと行った場合、マイナスドライバとドライバビットを起こすと18cm、さらにビットを装着すると19cmという長さが得られる。これを展示品にあてがって、装着できそうだなーという目星が付けられるわけだ。

 覚えておくのはマイナスドライバとドライバビットの2つだけでたいていの場合は用が足りる。というか、いつも使っているので自然と覚えてしまう。ヒートシンクのサイズも数字ではなく、サイバーツールを当てた時の視覚印象で覚えておいて、店頭でサイバーツールを取り出しサイズを目で推し量るといった使い方を時々している。もちろん、いきなり取り出してゴソゴソやると白い目で見られるのは必至。そのため必ずカウンターなどで店員さん立合いの元、談笑しながら計ったりする(もっともそこで定規借りろよ、という話もある)。

 このようにサイバーツールは筆者の手の……いや指の一部といいほど馴染んでいる。もちろん個々の専用ツールには敵わないものの、これ1本ですべてどうにかなってしまう、微妙なバランスと機能性に筆者は惚れ込んでいる次第だ。

Jo_Kubota氏プロフィール

一時期はハイエンドに凝っておりましたが、今は省エネでパワフルでお安い自作をモットーに、業界の隅でひっそりテクニカルっぽいライターをしております。最近はXbox360に夢中で、なぜか6台も転がってます。いずれも自分で修理したものですが、2台が中々言うことを聞いてくれません。しかし動かないのが楽しいと思う自分は何か間違ってますか、そうですか(近日また1台増えるらしい)。


【使用製品】

サイバーツール 1.7725.T


【購入時期】

購入時期 2000年

【お気に入り度合い】

生活必需品であり第三の手。

【次回執筆者】

唯野司さん


【次回の執筆者にひとこと】

自分と同じ首都圏“外”なライター。夫婦揃ってPCオタクしてますので、きっと面白いモノが出てきますよ、きっと。

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」) → 第23回:川野 剛 氏(あと10年は使いたい頑丈なデジカメ) → 第24回:野田幾子氏(面倒を楽しませてくれるウチの亭主) → 第25回:井上真花氏(デジタルだけどアナログのよさを持つ10年選手) → 第26回:安田理央氏(録音するならコレがいい!) → 第27回:とみさわ昭仁氏(コレが「僕の人喰い映画館」) → 第28回:米光一成氏(一度味わうとやめられない便利さ) → 第29回:小野憲史氏(小型で軽量、薄暗いところもシッカリと!)

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