録音するならコレがいい!--お気に入りガジェットバトン第26回

ぶっちゃけていいますと……

 井上真花さんからバトンをいただきましたものの、僕は今までの執筆者とはだいぶフィールドが違うライターです。主に肌色が多い方面の仕事と言いますか、まぁ、ぶっちゃけていいますとアダルト方面で十数年活動しております。AV撮ったりもしてます。

 でも、そもそもデビューの頃はアダルトCD-ROMやパソコン通信に関する記事ばかり書いてましたし(どちらも古い話だね)、なんだかんだとIT方面とはつきあいもあったりします。と、いうか、僕自身がデジタルガジェットが大好きなんですね。ザウルスはMI-C1からSL-C700まで、かなりヘビーに愛用してましたし、井上さんと知り合ったのもコミュニケーションパルのメーリングリスト。元祖全面液晶携帯電話のパイオニアJ-PE02なんかもすぐに飛びつきましたっけ。

このガジェットの数々を見れば「好き」は一目瞭然 このガジェットの数々を見れば「好き」は一目瞭然

 というわけで、井上さんから紹介いただいた時は「デジタルガジェットについて? 書く!書く!」と、即答したんですが、ふと考えてみると最近、あんまりデジタルガジェット持ち歩いてなかったんですね。

モールスキンの手帳とカシオの携帯電話W41CAを愛用 モールスキンの手帳とカシオの携帯電話W41CAを愛用

 イー・モバイルのEM ONEも発売日に購入したんですが、どうにもWindows Mobile 5.0のモッサリした動きがしっくりこなくて、さらにはヘッドホン端子がグラグラになって修理しようとしたら修理代3万9060円と言われて、そのまま放置してる始末。

 今はモールスキンの手帳とカシオの携帯電話W41CAで、ほとんどをこなせちゃうんですよね。じゃあ、このW41CAについて書こうかとも思ったんですが、僕なりの使い方はちょっとアダルト色が強すぎて、CNET JAPANさんにはそぐわない感じ(笑)。

めぐりあった○○

EDIROL R-09 EDIROL R-09

 さて、どうしようと考えた時に、「あ、これ愛用してるじゃん!」と気づいたのがローランドのポータブルデジタルレコーダーEDIROL R-09でした。購入したのは1年以上前ですが、本当にこれはイイですね。

 主な使い道はインタビューの録音。もともとはカセットテープレコーダー、そして数年前からサンヨーのデジタルボイスレコーダ、ICR-B80RMを使っていたんですね。これもUSB端子が内蔵されていて、ケーブルなしで直にPCにぶっさせるところはすばらしいのですが、いかんせん容量が少ない。ステレオだと2時間30分しか録れないし、内蔵マイクはモノラルのみ。インタビューでもステレオで録った方が、あとで聞きなおす時に、臨場感があっていいんですよね。言葉も断然聞き取りやすい。なので僕は絶対にステレオ録音派なんですね。

 僕のボイスレコーダーに対する要求はとしては、

1.大容量のSDメモリカードが使用可能
2.高性能のステレオマイクを内蔵
3.乾電池駆動(充電だと外出先で切れた時に困る)

 というあたりが重要なところです。この条件に合うようなボイスレコーダーはないかなと探していた時に、めぐりあったのがR-09でした。

 いや、はっきりいって、インタビュー取材用にはR-09はオーバースペック。なにしろ24bit/48kHzでのリニアPCM録音が可能。つまりCDやDAT以上の高音質で録音ができちゃうんですね。そんな高音質でインタビュー録ってもしょうがないですけど。

 でも実は僕は、長年バンドもやっておりまして、その練習を録音するのにもいいかなと思ったわけです。Rシリーズは、もともとローランドの開発陣が自分たちのバンド演奏を手軽に録音できる機材が欲しいと思って作り出したと言われてるほどですからね。

 それから、たまりにたまったカセットテープの音源をデジタル化するのにも、向いているような気がしました。他のボイスレコーダーと比べると、ずいぶん高いし大きめですが、これだっ!と思って、即購入。

確かにスゴいんです

 実際手にしてみると、ずいぶん軽いです。軽いのはいいけれど、4万円弱するハイクオリティのマシンの割には、ちょっと作りがチャチい感じです。なんか安っぽいなぁ、と落胆しつつ、最高音質で試しに録音してみたんですよ。

 いや、確かにすごいです。普通に内蔵マイクで録音しただけなのに、まるでバイノーラル録音みたいな現実感があるんですよ。目に光景が浮かんできそうなリアリティ。

 まぁ、そんな高レートで録音したのは、このテストの時だけでしたけど。やっぱりデータがデカくなりすぎますし、そこまでのクオリティはあまり必要ないですから。

 R-09は活躍してくれています。座談会の録音なんかも定位がはっきりしているので、誰がどの発言かもわかりやすいですし、1GのSDカードを入れておけば18時間弱(MP3で128kbpsの場合)も録れるから時間の心配はしないでいい。バンドの練習の録音も予想以上にクリアに録れました。グジャグジャな音塊状態にしか録れなかった昔のカセットレコーダーでの録音が嘘みたいですよ。

防水スピーカーケースで、浜辺でダブサウンドを楽しむのもいい 防水スピーカーケースで、浜辺でダブサウンドを楽しむのもいい

 それから山のようにあるカセットテープの音源をデジタル化するのにもR-09は便利なんですね。ウォークマンなんかとR-09を直結しちゃって録音すればいい。とりあえずどんどんR-09でデジタルファイル化しちゃってSDカードにためておき、後で編集ソフトで切り出し等の作業をすればいいんです。デジタル化するのにPCを使わないでいいのは助かります。他の作業を邪魔しませんからね。

 また、ミュージックプレーヤー代わりにも使ったりしてます、R-09。そりゃ、専用機に比べると使いづらいんですが、iPodが壊れて以来、ちゃんとしたMP3プレーヤーを持っていない僕には、これで十分代用が効いたりして。夏には防水スピーカーケース(薬局でもらったバブの景品ですが)に入れて沖縄旅行へ持っていき、浜辺でダブサウンドを楽しみましたよ。

不満点は2つ

 不満点といえば、さっきも書いたように作りが安っぽいこと(特に電池蓋の作りはヒドイ!)と、電池の消費が激しいことくらいですかね。

 ちなみにR-09で録音したインタビューを文字起こしする時は、「聞き返しSimple」(フリーソフト http://nagoya.cool.ne.jp/palmtop/)、音声ファイルを加工する時には「超驚録」(シェアソフト http://www.technocraft.co.jp/av/index.html?chonews)を使っております。どちらもシンプルで使いやすく、オススメ。

 最近はあまりデジタルガジェットを買ったり使ったりしていないのですが、それでも常に気にはなっていて、しょっちゅうビックカメラ池袋店をウロウロしてるんです。新しいiPodだってもちろん気になるし、ケータイもデジカメも新機種はいつもチェックしてます。でも、なーんか購入までには至らない。

 今のモールスキン+W41CA+R-09の環境で、あまり不満がないからなんでしょうね。満足しちゃうと、新しいものを買う楽しみがなくなっちゃうんだよなぁ。

安田理央プロフィール

主にアダルト系フリーライター。時にAV監督だったりアダルトメディア研究家だったり。あと東京ニューウェーブの老舗バンド(結成23年!)モデルプランツをはじめとするさまざまなバンドのボーカリストとしても活動。さらには駅弁大会エヴァンジェリト、地ソースコレクターという顔も。歴代デジタルガジェットではザウルスMI-E21が一番好きだったかなぁ。近著はアダルトメディアの歴史と現状をルポした「エロの敵」(翔泳社)など。


【使用製品】

型番 ローランド EDIROL R-09


【購入時期】

購入時期 2006年5月

【お気に入り度合い】

これが無いと仕事にならないです。

【次回執筆者】

とみさわ昭仁さん


【次回の執筆者にひとこと】

モールスキン仲間であり、アナログ的な印象の強いとみさわさんですが、きっとデジタルガジェットにも独特の美学を持っているのだろうなと思います。やっぱアレですか、どこにでも持ち歩いてるDVDプレーヤーですか?

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」) → 第23回:川野 剛 氏(あと10年は使いたい頑丈なデジカメ) → 第24回:野田幾子氏(面倒を楽しませてくれるウチの亭主) → 第25回:井上真花氏(デジタルだけどアナログのよさを持つ10年選手)

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