あと10年は使いたい頑丈なデジカメ--お気に入りガジェットバトン第23回

広角レンズが好きのセレクション

 私は広角レンズが好きだ。高校時代から、24mmF2.8という超広角レンズを常用してきた。デジタル一眼レフを使い出してからは『Tokina AT-X 124 PRO DX』という12~24mmのズームを使っている。しかし、フルサイズの一眼レフではないため焦点距離が1.5倍になってしまい実際の画角は18mmぐらいになってしまう。さらにこのレンズは重さ570gもあるので、レンズとボディで1kgを超えてしまい常用するには重すぎるのである。そこで次にゲットしたのが『Tokina AT-X 107 DX』という対角線画角180度の魚眼レンズである。これを使えば左右は、自分の見えている範囲以上が写せるようになり大満足。一眼レフに関してはもう、レンズを買う必要はなくなった。

すかさずシャッターが切れるコンデジ

レンズは沈胴式ではなく、フラットなタイプ。それにしては開口部が大きめであること以外は普通のコンパクトデジカメである レンズは沈胴式ではなく、フラットなタイプ。それにしては開口部が大きめであること以外は普通のコンパクトデジカメである

 これに比べて、いささかお寒い状況なのがコンパクトデジカメである。しばらく前までは広角といっても28mm換算が限界だった。しかたがないので28mmで撮れるデジカメにメーカー純正のワイドコンバージョンレンズを付けて21mmで撮影していた。コンバージョンレンズはビックリするほど大きいので装着すると、とてもコンデジとは呼べないものになっていた。最近になってようやくリコー『Caplio GX100』という24~72mmズームが搭載されたコンデジが登場したのである。

ところがレンズカバーが開くと上下に独立してレンズが収まっている。上が広角レンズで下がズームレンズの二階建て構造だ ところがレンズカバーが開くと上下に独立してレンズが収まっている。上が広角レンズで下がズームレンズの二階建て構造だ

 前置きが長くなったが、結局、いま私が使っているのはKodak『EasyShare V570』である。トリノオリンピック記念限定バージョンなので2006年3月にゲットしたんだと思う。見た目は普通のコンデジだが、レンズカバーが開くと何と上下に2個レンズがある。もちろん二眼レフではなく、上が23mmF2.8の超広角レンズで、下が39~117mmのズームレンズの二段構えになっているのだ。切り替えは自動なので普通に操作するだけで超広角から、望遠にズーミングできる。

 このデジカメのいいところは、まず23mmを使った場合は絶対にピンボケになる心配がない。超高速オートフォーカス搭載なのではなく、固定焦点なのである。超広角レンズは被写界深度が深いのでこれでいいのだ、というアメリカンな割り切りで80cmから無限大までOK。スナップ撮影には絶大な効果を発揮する。あと移動中の列車や車の車窓から撮るときもオートフォーカス機能が迷ったりする心配がなく、すかさずシャッターが切れる。暗い場所やコントラストのない場所にも強い。

 さらに気に入っているのが、パノラマモードだ。これはシーンモードに切り替えて3回シャッターを切れば、その画像をカメラがシームレスにつないでくれ、180度の範囲が撮れる。対角線魚眼と違って歪みは最小限に抑えられ、3枚合計で1500万画素という高画質のデータが得られるのだ。もう1つオマケに23mmレンズで秒30コマの動画をVGAで撮影できる。こんなにすばらしいデジカメなのに生産終了。画素数をアップした後継機のV705も生産終了になってしまったのが非常に残念。

カメラ内で合成したパノラマ写真はモニターでも確認できる。重なり部分がうまくいったかどうかは拡大表示すればわかるのだ カメラ内で合成したパノラマ写真はモニターでも確認できる。重なり部分がうまくいったかどうかは拡大表示すればわかるのだ
23mmを3枚つなげてカメラが作った画角180度のパノラマ写真 23mmを3枚つなげてカメラが作った画角180度のパノラマ写真
実際は1500万画素あるので大伸ばしにも対応できる。途中で明るさが変わると空や道路の色が微妙に違ってくるが画像補整ソフトで修正できる範囲だ 実際は1500万画素あるので大伸ばしにも対応できる。途中で明るさが変わると空や道路の色が微妙に違ってくるが画像補整ソフトで修正できる範囲だ

 薄いので普段からポケットに入れて常時携帯。取材のメモ代わりにも使っているし、今年の北海道ツーリングにも持っていった。ザックの中にある一眼レフと違って、ジャケットのポケットから取り出して、すぐ撮れるので、いい感じの雲を見つけた時とか、バイク仲間が林道でコケたときに起き上がる前にネタ写真をおさえるときにも活躍している。ボディはアルミでアメ車並みに頑丈なので、あと10年は使いたいと思っている。

取材中に歩きながら撮影したスナップ。23mm1/80秒で撮っているがブレていなし、ピントも文字が読めるほどきている。固定焦点もなかなかやるものだ 取材中に歩きながら撮影したスナップ。23mm1/80秒で撮っているがブレていなし、ピントも文字が読めるほどきている。固定焦点もなかなかやるものだ
川野 剛氏プロフィール

フリーランスライター。デビューはアウトドア雑誌の「BE-PAL」で、専門はサバイバル術。その後、オーディオ評論家を目指すがブームに乗り遅れ、現在はMacとデジカメと家電にのめり込む。趣味はオートバイと混浴露天風呂(水着禁止)巡り。


【使用製品】

Kodak『EasyShare V570』


【購入時期】

2006年3月

【お気に入り度合い】

これより広角が出ない限り現役で使う。

【次回執筆者】

野田幾子さん


【次回の執筆者にひとこと】

始めてお会いしたときは、こんなクールビューティーな編集者/ライターと仕事がしたいと思いました。PowerBookを片手に北海道から、九州まで精力的に取材をする彼女に欠かせないのが、小型軽量なモバイル機器。何を愛用しているのか気になります。

【バトンRoundUp】

START: 第1回:澤村 信氏(カナ入力派の必須アイテムとは?) → 第2回:朽木 海氏(ウォークマンとケータイをまとめてくれる救世主とは?) → 第3回:大和 哲氏(ケータイマニアのためのフルキーボードとは) 第4回:西川善司(トライゼット)氏(飛行機の友、安眠の友、ノイズキャンセリングヘッドフォン) → 第5回:平澤 寿康氏(出張に欠かせない超小型無線LANルータ) → 第6回:石井英男氏(いつでもどこでもインターネット接続が可能なPHS通信アダプタ) → 第7回:大島 篤氏(電卓とデジタル時計の秘密) → 第8回:荻窪 圭氏(自転車とGPSがあればどこにでもいけます) → 第9回:田中裕子(Yuko Tanaka)氏(これでクラシックもOK!究極のカナル型イヤフォン) → 第10回:佐橋慶信氏(ビジュアル・ブックマークの実践方法とは?) → 第11回:清水隆夫氏(プロ御用達の業務用GPSデジタルカメラ) → 第12回:高橋隆雄氏(傭兵たるものガジェットなど持たぬ!) → 第13回:野本響子氏(「壊れても買い続けたい」理想のロボット) → 第14回:本田雅一氏(本田雅一氏の求める条件にピッタリはまる「あのデジカメ」) → 第15回:塩田紳二氏(紙に書いて「デジタルデータ」になるアイテム) → 第16回:山田祥平氏(山田祥平氏が愛用する移動時間の必須アイテム) → 第17回:元麻布春男氏(元麻布春男氏が「感心した」ガジェット) → 第18回:鈴木淳也氏(ノートPCモバイラーに必須のアイテム) → 第19回:小山安博氏(ライフスタイルを快適にするアイテム) → 第20回:海上忍氏(最強の“心理的防音ルーム”を実現するアイテム) → 第21回:大谷和利氏(古くなっても旧くならないデジタルカメラ) → 第22回:山路達也氏(ラジオを新たなメディアに進化させる「radio SHARK 2」)

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