PS3で大きく取り上げられる特徴の1つに、Blu-rayディスクドライブの搭載がある。PS3では、ゲームソフトがBDで提供されるだけでなく、BDに収録された映画などのハイビジョンビデオコンテンツ(BD-Video)も再生可能だ。一方、Xbox 360陣営は11月22日に外付けのHD DVDドライブを発売し、HD DVD-Videoを鑑賞可能になる。ハイビジョン映像とサラウンド音声によるホームシアター体験が可能な2つの次世代ディスクだが、2つの規格に分裂して提供されることになってしまった。
といっても、今回はビデオデッキのVHS対ベータの時のようなことにはなりそうもない。多くの映像ソフトはBDとHD DVDの双方に提供される見通しである。また、既報のとおり、BD+HD DVD+DVDの3層を1枚で提供する技術や、1つのピックアップでBDとHD DVDの双方を読み出せる技術も実現しつつある。一時的には混乱する可能性はあるが、徐々にソフト、ハードともに「どちらでも再生できる」という環境に収束すると予想されるわけだ。現状では、この次世代ディスク戦争は横目に眺めておき、PS3はあくまでゲーム機としての用途を中心に考えるほうが見通しが良くなるのではないだろうか。
ゲームの供給メディアとしてBDを見た場合、気になるのはDVDの5倍強の容量を何に活かすか、という点だ。現在のゲームにおいて、最も容量を必要とするのは「プレレンダームービー」だが、PS3では、本体のグラフィック性能が飛躍的に向上したこともあり、あらかじめ他のコンピュータで計算し映像化したプレレンダームービーを使う必要もなくなっている。実際、同程度のグラフィック性能を持つとされるXbox 360では、ゲームソフトはDVDのみで提供され、別売のHD DVDドライブを使ったタイトルは登場しない見込みである。PS3のソフト開発では、この大容量を何に振り向けるかが1つの課題となるだろう。
「PLAYSTATION 3」と直球の名前を付けてきたことからも想像できるように、基本的にPS3でもPS1やPS2のゲームは動作する。ただし、従来ソフトを遊ぶには2つほど制限がある。1つは、PS3には従来のPlayStationについていたメモリカードを接続するインターフェースが用意されていないということだ。PS3では、基本的にセーブデータはハードディスクに保存される。ちなみに今までの本体で使っていたセーブデータは、別売のメモリカードアダプターでハードディスクにコピー可能だ(一部のコピー不可データを除く)。もう1つの違いは振動機能。PS3標準付属のコントローラ「SIXAXIS」は、従来の入力に加えて6軸の傾きを伝えることが可能となったが、それにともなってか振動機能が削除されている。従来機の「DUALSHOCK」をはじめとした振動コントローラを接続することも不可能だ。今後サードパーティからPS3対応の振動コントローラが発売されることに期待したい。
PS3ではPlayStation Portable(以下、PSP)との連携も発表されている。Wi-Fi、またはUSB接続を経由してPSPにコンテンツを提供したり、PSPを液晶つきのPS3コントローラにしたりする構想が発表されている。また、PSP上でPS1のリッジレーサーを動作させるデモも公開され、PS3経由でPSPにPS1のソフトを配信する可能性もでてきた。あとは、いかに魅力的な連動コンテンツを提供できるかにかかってくるだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手