トランプ氏の勝利、ティム・クック氏からのメッセージ--Appleニュース一気読み

 11月8日~11月14日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

アップルのクックCEO、米大統領選受け従業員にメッセージ-「共に前進しよう」
アップルのクックCEO、米大統領選受け従業員にメッセージ-「共に前進しよう」

 カリフォルニア州に住んでいる筆者は、ニューヨーク州に住んでいる人々と同じように、トランプ大統領の予感を微塵も感じることができなかったし、その実現の気運のようなものも感じることはなかった。人口の多い2つの州を初めから捨てた選挙戦略や、きちんとデータが現れなかった世論調査も相まって、開票が始まるまで多くの人々が実際の結果と正反対の未来を信じていた。

 それだけに、ショックを受けている友人も多く、依然としてバークレーやオークランドといった地域でのデモ活動は続いている。

 シリコンバレーのテクノロジ企業やそのトップの中で、トランプ支持を表明して最後まで曲げなかったのは、PayPal出身でFacebookの取締役も務めてきたピーター・ティール氏くらいだろう。

 人種差別的な発言を繰り返すトランプ氏を支持することは、多様性によって成立しているサンフランシスコ・シリコンバレー地域ではばかられることとして扱われる節があったからだ。それでも、Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは、ティール氏がトランプ支持を表明していることに対して「それも含めて多様性を重んじる」との発言で擁護してきた。

 実際にトランプ政権がスタートし、これまでの過激な発言がそのまま政策として実行されるかどうかは定かではない。壁は作るといっているし、犯罪歴がある移民の強制送還も表明してはいる。しかし、そうした未来を選択したのは紛れもなく米国民であることも忘れてはいけない。そうした現状を踏まえて、「ともに前進しよう」と従業員にメッセージを送ったのが、AppleのCEO、ティム・クック氏だ。

 メールでは、「各候補者がこれほどまでに異なり、得票数がほぼ互角だった選挙戦を終えて、皆さんの多くがその結果に強い感情を抱くのは無理もないことだ」と結果を振り返り、「それぞれが個人的にどの候補者を支持していたかにかかわらず、前進するための唯一の方法は、共に前進することだ」と伝えている。

 Appleは、人種を含むあらゆるパーソナリティを尊重し、多様性あるオープンな企業を目指してきた。例えばサンフランシスコを練り歩く性的マイノリティのパレードにも参加しているし、役員や重要ポストにおける多様性も進めている。それだけでなく、最近ではアクセシビリティのウェブサイトを開設し、「あらゆる人のための製品を作る」というコンセプトをどのように実現しているかをアピールするようになった。

 トランプ政権が発足するからといって、その方針を変えることはないだろう。しかし、Appleはトランプ氏にとっての格好の攻撃の的になり得ることもまた予測するに容易い。トランプ氏は、Appleが中国で製品を生産していることについて、米国内での生産に切り替えさせると発言した。また、FBIへの捜査協力を拒否した際には、Apple製品のボイコットを呼びかけている。

 いずれも、消費者にとっての利益がどうであるか、という思考に基づいた発言ではないことはわかるが、Appleとしても、こうした議論を放置しておくことは、今まで築いてきた製品づくりの仕組みやブランドを損ないかねない。

 また、中国政府についても、トランプ氏との駆け引きにAppleを引き合いに出している。保護主義的な政策や対中制裁などに乗り出せば、「中国でのiPhoneの販売に影響が出る」と警告している。焦点は米国内から、米国外へと広がりを見せつつあり、今後の動向や発言に注目が集まる。

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アップルのクックCEO、米大統領選受け従業員にメッセージ--「共に前進しよう」(11/11)

MacBook Proのタッチバーモデル、まもなく出荷

 MacBook Proの刷新から2週間が経った。すでに先行して発売されているTouch Barを搭載しないモデルは、フィル・シラー上級副社長が指摘する「MacBook Airからのリプレイス」の需要にも有力な製品になるだろう。そして、より強力なCPUとGPUを搭載しながら、薄型・小型化・軽量化を施し、新設計のキーボードと拡大された感圧トラックパッド、さらに新しいTouch Barインターフェースを備えたモデルが出荷され始めた。

 米国のニュースではすでにレビューが公開となっているTouch Bar搭載モデルは予約も好調だが、Pro向けのデバイスとして的確かどうかという記事がCNETに掲載されている。AppleはMacBook Airを最新のラインアップから下げて、MacBookとMacBook Proの2本立てにまとめようとしている。その過程において、MacBook Proを、より「Pro」らしくすべきだったのではないかという論だ。

 すでにRetinaディスプレイを搭載する代わりに光学ドライブが配された2012年以降のMacBook Proを使っている身からすると、今回のアップデートはポジティブな側面が多いように感じる。その一方で、SDXCカードスロットや既存のUSBポートの廃止は、追加アクセサリへの出費という形で負担となることは間違いない。

 Touch Barをサポートするアプリの増加は、新型MacBook Proの価値を高めることになるはずだが、「今すぐに」というわけではない点は留意すべきだろう。

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