アップル、仮想現実研究チーム編成のうわさ、四半期決算--Appleニュース一気読み

 1月26日~2月1日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

アップルのクックCEO、仮想現実は「とてもクール」
アップルのクックCEO、仮想現実は「とてもクール」

 Google、Facebookなど、テクノロジ企業が共通して取り組んでいる未来の技術の1つに、仮想現実(VR)がある。多くの場合、ヘッドマウントディスプレイを頭にかけて、現実とは異なる世界を見渡す体験ができる。Googleは、身の回りにあるスマートフォンでこれを実現するための段ボール製のキットまで作っている。

 AppleのTim Cook CEOは、2016年第1四半期決算の電話会議において、「VRはニッチではないと思う。非常にクールで、面白いアプリもある」との私見を述べた。Appleは未発表の製品や技術に関するコメントを控えるのが通例であるため、意外性を持って受け止められた。

 仮想現実のツールの多くは、例えばゲームの世界に入り込んでプレイしたり、何らかの訓練やシュミレーションを体験したりするために使われる。FacebookはOculusを買収し、2016年初頭の製品発売がアナウンスされた。

 しかし予定されている価格は、ヘッドマウントディスプレイが約6万円、出力するPCに12万円相当が必要となるという。このPCは一般的なゲーム用PCの7倍の処理能力を求められる。今現在においては、そう簡単に実現し、普及させられる技術ではないことが分かる。

 Appleにとっては、iPhone/iPadなどに搭載されている自社プロセッサの強力なグラフィックス性能と、Swiftによる開発環境の組み合わせが武器になると踏んでいるのではないだろうか。3D空間を含むグラフィックスを高速に動作させるプログラムを効率的に開発でき、スマートフォン、タブレット、テレビで再生できるからだ。

 しかし、AppleがVRを目指す際、現在の用途の中心であるゲームだけにその目的を限るとは考えにくい。例えば、HomeKitと組み合わせて、自宅空間の状況を再現したり、ビジネス向けには、オフィスや工場などのオートメーション向けプラットホームに活用する例も考えられる。

 楽しみ方についても、必ずしもヘッドマウントディスプレイにこだわらないかもしれない。iPhone/iPadなどの通常のディスプレイで楽しむ拡張現実(AR)的な楽しみ方は、より日常的な活用を期待することができるからだ。

アップルのクックCEO、仮想現実は「とてもクール」(1/27)
アップル、仮想現実の極秘研究チームを編成か–米報道(2/1)

「世界的に不況」下のApple2016年第1四半期決算

 Appleは1月26日、2016年第1四半期決算を発表した。「過去最高」の四半期決算という公約を実現したものの、主力のiPhoneの販売台数は微増で、変化率も1%未満とほぼ変わらなかった。辛くも勝ち取った「過去最高」だった。

 iPhone以外の製品は、iPadは前年同期と比較して25%もの大幅な販売台数減となり、これまで堅調だったMacも20万台の減少となった。その原因について、Appleの決算発表に関する電話会議においては、「世界的な不況」を指摘していた。地域別でみれば、成長余地のある中国と欧州は増加していたが、米国でマイナス4%、日本でマイナス14%と、成熟市場では前年と比較してマイナス成長となった。

 日本については円安ドル高による製品価格の値上げ調整という向かい風もあった。しかし米国もマイナスとなった点は、個人消費をあてにしているAppleにとって、同社が指摘する「不況」が思いのほか急速に広がっていることを示唆している。

 またiPhone販売について、2016年第2四半期は、発売以来初めて前年同期よりも減少するとの予測を出している。

アップル、第1四半期決算を発表–「iPhone」販売台数は微増にとどまる(1/27)
「iPhone」販売台数、1–3月期は減少の可能性–クックCEOが認める(1/27)
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3月の新製品に期待が高まる

 世界的な不況を背景としたiPhone以外の製品の落ち込みが分かった2016年第1四半期決算。Appleが急速な不況に対応しきれていないのは、Appleらしい製品サイクルも原因にあると考えている。

 Appleはデザインの良い製品を消費者に供給してきた。より普遍的なデザインで、古くならない、ずっと使い続けられる、そんな価値を帯びた製品が売りだ。そのため、デザインの刷新はiPhoneで2年に1度、iPadやMacにおいては3~5年に1度という非常に長いサイクルとなっている。

 同じデザインを採用していても、特にiOSデバイスは独自開発のプロセッサの進化によって、毎年劇的に性能向上が行われてきた。しかし消費者からすると、手元のデバイスに満足している状態では、デザイン変更以外にさほど大きな買い換えの動機を見いだせないかもしれない。

 こうしたジレンマが、iPadの大幅減、Macの減速という不況のあおりを受けているとすれば、2016年にAppleはこのあたりの対策を行う必要性があると指摘できる。

 iPad Proのリリースは、iPadシリーズにとって良い兆候だ。おそらく2016年にリリースされる9.7インチのiPad Air 3はiPad Proの仕様を踏襲するだろう。すなわちApple PencilやSmart Keyboardのサポート、4スピーカーの採用などで、iPadの魅力を高めることになるはずだ。

 iPhoneについても、取り残されている4インチを好むユーザーに、最新の機能を体験してもらうべく、Apple Payや最新のカメラ機能、高性能プロセッサを搭載したiPhone 5seの登場が期待されている。

 加えて、MacBookシリーズについても、12インチモデルではプロセッサの強化を、13インチ/15インチモデルでは新しいデザインを、それぞれ期待したいところだ。

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