Apple Payは中国で始まるか、Apple TVの進化--Appleニュース一気読み

 11月24日~11月30日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

新型Apple TVはアプリによって自由度が拡大

新型「Apple TV」レビュー(第1回)--全体的な印象と旧モデルとの違い
新型「Apple TV」レビュー(第1回)--全体的な印象と旧モデルとの違い

 先週、CNET Japanにも第4世代となるApple TVのレビューが掲載されている。これまで第2世代のApple TVを使用してきた筆者にとって、Apple TVの進化は非常に満足いくものとなった。なにより、ホーム画面が黒から白へと変わり、パッと明るくなった印象も気に入っている。

 Apple TVを披露する際、AppleのTim Cook CEOは、「テレビの未来は、アプリだ」と述べた。この考え方自体には同意だ。これまで、テレビの画面は、テレビ局やケーブルテレビ、そしてテレビメーカー、テレビに接続するゲーム機によって、その自由度は制限されてきた。過去のApple TVでさえ、一部のストリーミング系アプリやケーブルテレビ局しか、アプリ提供が許されていなかった。

 tvOSを搭載し、App Storeが用意された新型Apple TVは、テレビの大画面を一般の(iPhoneアプリ開発に心得のある)開発者に対して開放した点で、大きく評価されるべきだと考えている。

 しかし、そのアプリの数はまだまだ足りない。米国ではやっと、App Storeにカテゴリ分類からのアプリの検索機能が登場したが、日本のApp Storeはおすすめと検索程度で、未来を語る膨大なアプリの数はまだ達成できていない。

 また、これはiPad Proにも共通する「大画面シンドローム」とも言うべき問題点もある。スマートフォンやタブレットの画面とは異なる広大な(Appleは広告で「壮大な」と言っている)スクリーンに対して、開発者がそのポテンシャルを生かしきるデザインを施せていない点もまた、Apple TVでのアプリ体験が感動的なレベルではない理由のひとつだ。

 個人的には、アプリの数もデザインについても、「時間の問題」として楽観視している。ただ、競合製品の状況から考えて、Appleが、アプリの充実のスピードを速めるほどの焦りを感じるべきかと言われると、これには否定的だと考えている。

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iPad Proは使うほどに「これでいいじゃないか」と感じる

 筆者もiPad Proでの仕事を1週間ほど続けている。率直な感想は、「これでいいじゃないか」というものだ。

 少なくとも、筆者が抱える代表的なワークフロー、すなわち原稿執筆、アイデアを考える、画像の作成、写真やビデオの編集、スライド作成、請求書作成(クラウド)、Podcast制作といった仕事は、iPad Proでこなせた。

 具体的なアプリ名を挙げると、iA Writer、Keynote、PowerPoint、写真、iMovie、Replay、GarageBand、そしてSafariといったアプリが、手元の3年前のモデルのMacよりも速く動いてくれる。

 まだまだMacにあってiPadにないアプリは少なくないが、ポータブルMacに匹敵する画面サイズで、必要なアプリがあり、動画編集も億劫にならない動作の快適さを確保してくれるなら、十分に環境の移行を考えられるという結論にたどりついた。

 筆者にとって大きいのは、Smart Keyboardの使い勝手の良さだ。非常に薄いシート型にもかかわらず十分満足できるキーボードだ。カバーからキーボードに展開したりたたんだりするとき、いまだにその折りたたみ方に戸惑うが、タッチは意外にも快適で、日本語入力環境でも非常に精度高く動いてくれる。

 普段の仕事に加えて、Apple Pencilによって広がった可能性についても、非常に重要視している。Microsoft PowerPointでは、ペンを使ってきれいな作図を行えるし、Paper by Fiftythreeでは、より本格的にアイデアスケッチを仕上げられる。

 一部、紙とペンに頼っていた仕事も、iPad Proで完結できるようになる点は、クリエイティブ系の仕事に携わらないとしても、十分にメリットが感じられるポイントとなるだろう。

 1点だけ困っている点は、充電に非常に長く時間がかかること。これまでのiPad Air 2やiPad miniシリーズも、iPhoneより長い充電時間が必要だったが、iPad Proはそれ以上だ。

 例えば外から帰ってきて寝る前にiPad Proの充電をし忘れると、朝ちょっと充電しても気休め程度にしかバッテリ残量は回復しないのだ。

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Apple Payは中国で始まるか

 2016年のAppleは引き続き、「第2の市場」として育てている中国への取り組みを強めることになる。すでに米国、英国、カナダ、オーストラリアでサービスをスタートさせているApple Payについては、強力な購買力が眠っている中国こそ本丸だといえるだろう。

 Apple Payの中国でのサービス開始については、金融の素人が見たとしても、その道筋は1本しかないことは明白だ。中国市場におけるデビットカードとクレジットカードを独占しているUnionPay(中国銀聯)を口説き落とすしかないのだ。The Wall Street Journalによると、Appleは、中国で銀行間決済を行う唯一の銀行であるUnionPayと、4大国営銀行と合意に達し、2016年2月から中国でのApple Payの提供を準備しているという。

 米国では2015年、クレジットカードの不正利用の防止策として、EMV(ICチップによる決済)の導入と、Apple Payを始めとしたトークン発行による決済へのサポートが盛んだった。例えデバイスメーカーに決済額の0.15%を払ったとしても、不正利用の対策費を総合すると十分安いという算段も成り立つ。これがカード発行銀行らの普及の原動力だ。

 その一方で、Apple Payに類するサービスは、クレジットカードは利用者、加盟店(店舗)、カード発行銀行、カードのブランド(Visa、Master、Amexなど)と決済銀行、という多くのプレイヤーの同意と負担を得なければ実現しない。

 Appleがカナダ、オーストラリアでアメリカンエクスプレスと提携してApple Payの導入を実現した背景には、Amexはカード発行銀行、ブランド、決済銀行を兼ねているため、交渉相手を減らせるという事情もある。

 先進国においては導入に前向きだが、中国ではこうした仕組みに興味を示さない銀行もあるという。中国におけるApple Payの普及については、先進国においては常識的な「決済の安全性の重要さ」を、消費者から盛り立てていく必要がありそうだ。

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