NEC レノボ・ジャパングループ発足--「変わらず日本市場にコミットメント」

 NECとレノボ・グループ(聯想集団)は7月1日、日本国内でのPC事業を統合したNEC レノボ・ジャパン グループを発足。これを受けて7月4日に説明会を開催した。

 「Lenovo NEC Holdings B. V.」は、NECが49%、レノボは51%を出資。傘下には100%子会社として、レノボ・ジャパンとNECパーソナルコンピュータが入る。これにより、NECとレノボを合わせたシェアは国内市場で25%、世界市場では9.4%になる。

 なお、NECパーソナルコンピュータは、従来のNECパーソナルプロダクツ事業部の個人向けPC事業のみを移したもので、法人向けPCの販売はNECが継続することになる。

「米沢事業所」「日本市場」--“変わらないこと”へのコミットメント

  • NECとレノボの連携方針

 Lenovo NEC Holdings,BV.会長兼レノボ ジャパン代表取締役社長のロードリック・ラピン氏は、「NECとレノボはそれぞれ強みを持っている。NECは日本市場の知識で右に出るものがいない。対してレノボはグローバルの会社。スケールメリットがあり、世界市場で8期連続市場を上回る成長を遂げている」として両者の強みを生かし、さらなる国内PC市場シェアの拡大を目指すとした。

 なお、Lenovo NEC Holdings,BV.社長兼NECパーソナルコンピュータ代表取締役執行役員社長に就任した高須英世氏は、「(これまでも国内ナンバーワンだったが)もう少し圧倒的なシェアナンバーワンにしたい。まだオーサラズされたわけではないが、3年をめどに30%ぐらいをターゲットにしたい」とコメントしている。

 今後、レノボのThinkPadやThinkCentre、NECのVALUESTARやLaVieなど、それぞれのブランドは従来通り継続するとしている。

  • NECレノボの商品企画・開発体制

 今回の提携にあたって不安視されてきたのは、山形県米沢市にあるNECの開発生産拠点と群馬県太田市にあるサービスサポート拠点の今後だ。これについて、「一切変更せず、米沢事業所も継続して投資する。お客様にアンケートをとったが、米沢事業所が犠牲になるのではないか?という声があった。コミットメントをこの場でお約束する」(ラピン氏)とし、これまでと変わらないことを強調した。

 今後については、「日本市場に特化した技術は今後も提供することを約束し、それを海外に輸出することも検討していきたい。しかしここで終わりではない。今後もさらなる協業の可能性があると思う。今回の成功は、量販店、パートナーに委ねられている。パートナーの意見を大事にしていきたい。レノボは慢心を許さない企業文化を抱えており、意見をいただくことで、成長を遂げたい。日本市場にコミットしているし、お客様とともに成長していきたい。本当に提携に期待している」(ラピン氏)と語った。

商品企画開発、調達、サービス・サポートでシナジーを

  • NECパーソナルコンピュータの事業体制

 NECパーソナルプロダクツはこれまで、商品企画開発、調達、生産、販売、サービス・サポートまで一環して行ってきた体制はそのままに、レノボとの連携強化によって商品企画開発と調達、サービス・サポートの3点をレノボとの連携によって強化するとした。

 高須氏は、「製品企画からサポートまで、一環した事業を行えるのが特徴だった。今後も一環して持つ体制は変わっていない。すべてのプロセスをいままで遂行していくことに加え、レノボグループのシナジーのメリットをだしていく。調達の部分など、バックグラウンドでシナジーが出せる」とした。

  • サプライチェーンの連携

 両者が大きなメリットがでてくると期待しているのは調達体制だ。ただし、NECパーソナルコンピュータでは、「日本向けの先端部材──例えば高輝度LCDや3D、Blu-ray、TVボード、スクラッチリペアなどは、独自で調達していく」(高須氏)としている。

 今回の合弁会社設立に伴い、2011年10月からレノボ・ジャパンが日本市場で販売を行っているコンシューマ向けPCの電話サポート受付窓口業務を、NECパーソナルコンピュータが受託する。NECの定評あるサービスを活用することで、レノボのコンシューマー向け保守サービスのレベルを一層高めたいとしている。なお、レノボの法人向け保守サービスは従来のサービスから変更ない。

 NECパーソナルコンピュータは2012年1月から121拠点のコンタクトセンターにて、従来は購入2年目以降有償となっていた「使い方相談」サービスを無償化する。NECの法人向けユーザーサポートは従来のサービスから変更ない。

ロードリック ラピン氏(左)と高須英世氏(右) ロードリック・ラピン氏(左)と高須英世氏(右)

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