本体ケースのトップメーカーは、どんな電源ユニットを提案するのか?--Antec「NeoPower(ネオパワー)」 - (page 6)

Antec
内容:自作ユーザーにとって、Antecは本体ケースのメーカーという印象が強い。しかし同社は、自作PCに関わるさまざまなパーツをリリースするメーカーだ。そしてもちろん、Antecは自作PCにとって重要なパーツ、電源ユニットもリリースしているのだ。その最新シリーズが、Antec NeoPowerである。果たしてAntec NeoPowerはどういった電源ユニットなのか? その詳細をじっくり見て行こう。

 また、今回使用したビデオカード、GeForce 8600GTSを搭載したGIGABYTEのGV-NX86S256Hは完全ファンレスである。今回の主題ではないのだが、8600GTSのパフォーマンスでファンレスというのは、かなり使いでのあるビデオカードだ。それはそれとしてファンレスのハイパフォーマンスビデオカードを使用する場合、やはり本体ケース内部の空調が重要である。本体ケース内部で発生した熱が、電源ユニットの温度反応に、どれぐらい影響を与えるかが知りたいところである。

  • X38-DQ6に搭載するCPUは、人気のCore2DuoからハイエンドなE6850を選んでみた。3GHz駆動のデュアルコアCPUである。ただしTDPは65Wと控えめ

  • ビデオカードはGIGABYTEのGV-NX86S256H、ビデオチップとしてGeForce 8600GTSを搭載、 256MBのビデオメモリを搭載している。8600GTSでもファンレス、しかも補助電源が不要というから便利この上ない

  • SoloにNeoPower650を内蔵した状態

  • このようにすっきり収まる

  • 試しにNeoPower650 Blueも搭載してみた

  • 電動ファンがCPUの方を向いているため、CPU周りの排熱には効果があるだろう。しかし、本体ケース最上部に溜まる熱の排出では、NeoPower650の方が勝っている

 さらにこの構成で気になるのは、やはりCPUとビデオカードの消費電力である。スペック的に見ると、Core2Duo E6850のTDP(Thermal Design Power、熱設計電力)は65W。以前のように100W超というような、過激さはない。一方、ビデオカードに搭載された8600GTSは、消費電力が71W(最大でこれぐらいなのだろう)と言われている。やはりこちらも、180Wを超えるといった凄まじさはない。

 注意して欲しいのが、CPUやビデオカードが必要とするのは、+12Vがメインという点だ。最近、大出力電源ユニットが流行っているのは、この+12Vをより高出力で安定確保する流れに乗っているのである。この点でNeoPowerシリーズがユニークなのは、+12V出力回路を3系統独立して持っているという点だ。通常、このクラスの電源ユニットでは、2系統という場合が多いのだが、NeoPowerシリーズは3系統となっている。ちなみに具体的な出力はNeoPower430で1系統16A(合計384W)、NeoPower650で1系統19A(合計624W)だ。

 もちろんCPUやビデオカード以外のパーツも、電力を必要とする。ドライブはもちろんだが、マザーボード自身、メモリ、そして電動ファンも電力を消費する。では、上記の構成だと合計してどれぐらいの電力が必要になるだろうか? 多くの場合、パーツの消費電力は「最大」で示されるため、細かく調べてもおおよその数値しか出せない。上記構成の自作PCの場合は、「おおよその最大」で約250W程度だと予想した。

 意外と低い数値だと思いつつ、簡易的な消費電力計を使って調べてみると、思わぬ結果が出た。まず待機電力としてメイン電源スイッチを入れた状態では、約0.2Wが消費されていた。そして電源スイッチをオンにすると、いったん100W程度まで上昇し、さらにBIOSの起動時に140W程度まで消費電力が上昇する。これがいわゆる「立ち上がり」に必要な電力だ。

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