Libertouchのカスタマイズ機能を理解するには、まずメンブレンキーボードの構造を知っておこう。「メンブレン=membrane」は、「膜」というような意味の単語で、Libertouchはメンブレンをキースイッチに使っているため、メンブレンキーボードと呼ばれる。メンブレンは薄い膜状のスイッチとして、キーの下に入っており、上から押されることでスイッチが入る。
一方、メカニカルキースイッチキーボードでは、キーの1つ1つに「メカニカル(機械的)なスイッチ」が入っている。シンプルに考えれば大量にあるキーのスイッチを、1枚の膜で生産できればコスト的に有利だ。だが、これはあくまで「キーが押された」ことを感知するスイッチの話。キーボードの全体的に構造、キーを支える構造などに凝れば、自ずと生産コストはアップする。
Libertouchの場合、メンブレンスイッチの上にある、キーを支える構造はラバードームと金属製のスプリングになっている。ラバードームというのは、ゴムのような材質をドーム状にしたもので、上から指で押すと簡単に潰れるが、離すと元に戻る。これによってキーが支えられ、押され、元に戻るのだ。安価なメンブレンキーボードの場合、ラバードームのみという場合も多く、ゴムを押しつぶすキータッチが、あまり好かれていないというのも事実だ。
しかし、Libertouchの場合はラバードームだけでなく、スプリングも組み合わせてある。この組み合わせは富士通キーボードの伝統的なもので、Libertouchもこれにより、良好なキータッチを実現している。ちなみにLibertouchのキーストロークは3.8ミリと、標準的な深さだ。キータッチは非常になめかで軽快なのだが、ゴムを潰すような違和感はまったく感じない。キーが底をつく感触は確実なものだが、固い印象はなく、むしろ柔らかいタッチである。
では、Libertouchはどの部分をカスタマイズできるのか? 実はキーボードにとっての最重要部分、キーを押し込んでスイッチが入るまでの力、すなわちキー荷重に関する部分をカスタマイズできるのである。というのもLibertouchには、硬さの異なる2種類のラバードームが付属しており、必要に応じて交換・使用できるのだ。
Libertouchに採用されている標準ラバードームは、キー荷重が約45gとなっている。これは一般的なキーボードと同等のものだが、さらにLibertouchにはキー荷重が約35g、約55gのラバードームがそれぞれ15個ずつ付属している。15個限定ではあるが、キー荷重を軽くも、重くもできる。それがLibertouchのカスタマイズ機能なのだ。
もちろんLibertouchにはシンプルで使いやすい、キートップの引き抜き工具が付属している。また、Libertouchはラバードームだけでなくスプリングも内蔵しているため、痛めたり紛失することに配慮して、その予備が5本付属している。いろいろなキー荷重の配置を試すため、キートップの脱着を繰り返したが、実に簡単な作業だった。これなら初めてこうした作業をする人であっても、トラブルは心配ないだろう。
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