さて、実際に使用した場合のスループットを見てみよう。今回はサーバにLinux OSを搭載したPCでFTPサーバを運用し、ギガビットイーサネットで「WZR-AMPG300NH」に接続、無線LANを介して子機となるノートパソコンに無線接続してFTP転送時の速度を測定した。
子機→親機 | 親機→子機 | |
---|---|---|
5GHz帯(36チャネル) | 84.82Mbps | 54.15Mbps |
2.4GHz帯(3チャネル) | 85.45Mbps | 54.25Mbps |
このとおり、70Mbpsを超えた程度と少々残念な結果となってしまった。本来であれば、倍の40MHz幅を使った300Mbpsモードでは、もう少し高速な100Mbps超えをしてほしいところ。メーカーの実測では140Mbpsほどの速度が出るという結果もある。また、データのダウンロード方向では、速度がさらに遅い結果となってしまった。
全体的な速度が遅い理由や、子機から親機への速度のほうが高い理由は、やはり親機の巨大3本アンテナと子機の貧弱なアンテナのバランスの悪さが考えられる。また、実際には壁を隔てたり、テレビをはじめ微弱でも電波を発する機器があれば、さらに速度が遅くなる。
子機となるカード側も親機に負けないほどの大きなアンテナを装備するのは現実的ではないが、無線内蔵のノートPCならもう少し大きなアンテナを最良の場所に設置できるため、より通信状況が改善する可能性がある。
参考までに、最新のノートPCに搭載される無線LANモジュール、インテルWireless WiFi Link 4965AGNを搭載し、アンテナは2×2のMIMOとしているThinkPad X61で接続、その結果を見てみた。
子機→親機 | 親機→子機 | |
---|---|---|
5GHz帯(36チャネル) | 70.79Mbps | 53.59Mbps |
2.4GHz帯(3チャネル) | 73.79Mbps | 47.77Mbps |
驚くことに、帯域は20MHz幅の144Mbpsモードでしかつながらないのにもかかわらず、300Mbpsモードと遜色ない結果を出してしまった。むしろ、内蔵アンテナがある程度の大きさをもっていることや、アンテナの場所を最適化するボディなど、無線LAN内蔵のノートPCの有利な面が出ているからであろう。
なお、今回のテストをするにあたり、最初に手にした製品では、40MHz幅での通信が遅いという結果が出てしまった。今回計測で採用した数値は、その後、メーカーよって交換された製品で計測したものである。どうやら最初に手にした製品は初期不良のようであった。
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