次は3Dに挑戦!--国産3DCGソフトの代名詞「Shade 9」はこんなにスゴイ - (page 2)

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内容:国産3DCGソフトとして定評のある「Shade」に、新バージョンが登場した。独自の自由曲面を使ったモデリングなどはそのままに、ポリゴンモデリング、プラグインによる質感作成など、繊細な3DCG作りが可能になっている。難解な3DCG製作をサポートをするShade最新版の内容と使い勝手をレポートする。

充実のプラグインで、髪の毛や炎などの質感製作をサポート

 Shadeの大きな特徴の1つに「自由曲面」を使ったモデリング(形状作成手法)がある。「自由曲面」を大まかに言えば、線(線形状)を描き、それを順に並べて立体化する手法。例えば「ちょうちん」のように複数の線形状を骨組みにして、その間に紙(面)を貼る感じだろうか。それがShadeの基本モデリング手法だ。

 線形状をドローソフトのペンツールと同じ感覚で三面図に描いていく。このように「自由曲面」のメリットを生かしながらモデリングするのがShadeの利点だが、一般的な手法のひとつである「ポリゴンメッシュ」モデリングも可能である。

 粘土細工のようなポリゴン編集のための機能強化は、Shade 9でも着々と進められている。ポリゴン編集に限った新機能ではないが、「panツール」に追加された「選択形状にあわせて回転」もありがたい。形状を正確に把握、編集するための便利な機能だ。

最終的な画像を生成するレンダリング関連では「レイトレーシング」がさらに高速化し、「パストレーシング」と「フォトンマップ」も最適化に向かって改良されている。

  • 「自由曲面」によるモデリングの単純例。複数の「閉じた線形状」が連なってひとつの「自由曲面」が構築されている。その構成は「ブラウザ」でも確認できる。慣れればとても作りやすいモデリング手法だ

  • ポリゴンメッシュ(ポリゴン)によるモデリング。Shade 9では「メッシュ編集」ツールボックスがさらに多機能化した。基本的にどんなモデリング手法も一長一短があり万能ではない。また、ユーザーの好き嫌いも様々だ

  • 左が「レイトレーシング」、右が「パストレーシング」でのレンダリング結果。基本的に、パストレーシングの表現力が高いといえるものの、シーンによっては、設定の妙によっては差を小さくできる。高度で複雑な描写表現ほどレンダリング時間が多くかかる

「パノラマレンダリング」では新たに4種類の投影手法が追加された。アニメーション設定では「モーション」ウインドウのマイナーチェンジがおこなわれている。入出力関連では、HDR画像の一種であるPFM画像入出力にも新たに対応した。

 人体や生物などをモデリングする際、手間のかかる「毛」の作成をサポートする「ヘアーサロン」、噴水・爆発・煙・炎などを表現する「パーティクルフィジックス」、「DirectX出力」の高機能化はProfessionalとStandardにのみに搭載されたプラグイン機能だ。

  • 「モーション」ウインドウ。アニメーションのコマ、時間ごとの動きや変化を制御する設定ウインドウだ。アニメーション制作が煩雑になる重要ポイントでもあるため、Shade 9でも細かな変更、改良がおこなわれている。

  • 「パーティクルフィジックス」プラグイン。図では煙の噴出を設定した。噴水、爆発、煙、炎などのアニメーション表現を作成する機能で、風向きや引力といった物理的な現象も含めて設定できる。ProfessionalとStandardにのみに搭載

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