このTF-FS55M-Sは、PC用の電話機として申し分のない機能を持っている一台であるが、ひとつだけ残念なことがある。ベースがアナログコードレスフォンのため、TF-FS55M-Sも無線区間はアナログで音声を伝えているのだ。そのため、親機から離れた場合に、バサバサといった雑音が乗ることある。クリアな音質というよりは、アナログ的なソフトな音といったほうがよいだろう。そもそも、電話の音声自体もそれほど高音質なものでもないため、実用上はあまり問題にならないともいえる。
また、アナログであることは、もう1つ問題がある。コードレスフォンの周波数の受信が可能な汎用受信機があれば、通話音声が聞かれてしまうのだ。ただし、コードレスフォンの周波数を聞くことのできる汎用受信機は誰でも持っているものでもないため、すぐに誰にでも盗聴されるわけでもない。
そもそも、現在のコードレスフォンの大半はアナログタイプで、TF-FS55M-Sだけのセキュリティが低いわけではなく、一般的なコードレスフォンと同等のセキュリティ性と考えるほうがよいだろう。
現在、パイオニアでは、コードレスフォンの上位機種はデジタルコードレスタイプを前面に押し出している。TF-FS55M-Sもモデルチェンジがあれば、デジタルタイプへ変更されることを期待したい。
Skypeを電話らしく使う機器は市場にあふれているが、本物の電話機をベースとした数少ない機種、それがTF-FS55M-Sだ。通常の電話と同じ感覚で使えるほか、電話回線用の電話機としても使えることができる。
その上、使い勝手のよいコードレスタイプだ。これならパソコンの電話機ということを意識することなく、Skypeを“電話”として使い倒すことができる。もちろんSkype専用ではないので、MSN Messengerなど、他のソフトの受話器としても利用できる。
残念な点といえばアナログコードレスである点。前述のような可能性があるという点を承知すれば、十分に満足するSkypeの機器となるだろう。
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