いつでもどこでも自宅のテレビを楽しめる--IO DATA「Slingbox」 - (page 2)

アイ・オー・データ機器
SB100-120
内容:「Slingbox」は、ネットワークに対応したTVチューナBOXだ。本製品を家庭内LANに設置しておけば、LAN内のどのパソコンからでもテレビを見ることができる。さらに、旅行先や出張先からインターネットを利用して自宅のテレビを見ることができる便利な製品だ。

導入は至って簡単、視聴ソフトも直感的に利用可能

 導入手順は至ってシンプルだ。まずSlingboxをLANケーブルで家庭内ネットワークにつなぎ、次にアンテナ線をつなぐ。そのあとパソコン側に視聴用ソフト「SlingPlayer」をインストールし、起動すれば、それだけでテレビを観られてしまう。

 初回起動時こそ、チューナーのセットアップや画質の調整を行う必要があるが、すべてウィザード形式で行われるので、まったく難しくない。TVチューナー製品を経験したことのないパソコン初心者でもかんたんに行えるレベルだ。また、UPnP対応のルータであれば、自宅外からの視聴設定も簡単にできてしまうのはありがたい。

 むしろ骨が折れるのは、ケーブルの物理的な接続かもしれない。アンテナケーブルを接続するだけなら問題ないのだが、テレビをつないで直接出力しようとしたり、ビデオやDVDといった機器を接続しようとすると、AV機器並みの本数のケーブルをつなげなくてはならず、手間がかかる。もっとも、単純にテレビを視聴するだけならアンテナケーブル1本で済むので、まずはテレビを見れるようにしておき、その後必要に応じて追加すればよいだろう。

  • 正面から見たSlingBox。足の形状と天板の凹みはスタックを前提としている

  • 背面。同軸ケーブルやビデオケーブル、LANケーブルを接続するポートが並ぶ。AV機器のリモコンをエミュレートし、外部からの操作を可能にする端子も付属する

  • 本体のサイズをフルキーボードと比較した図。面積的にはそれほど大きくないのだが、実物は厚みもあってかなりの存在感を誇る

 視聴に使用するソフト「SlingPlayer」は、いわゆるメディアプレーヤー的なインターフェースを持っており、直感的な操作が可能だ。チャンネル変更のレスポンスも高速で、PCIボードに接続するタイプのTVチューナーカードとほとんど差がない。ザッピングも快適に行えるので、本格的に本製品でテレビを観ようとした場合でも、不満を抱くことはないだろう。

 また、SlingPlayer画面の下段には、プリセットしたチャンネルをボタンとして配置できるので、テンキーでチャンネルを入力しなくても、クリック一発でチャンネルが切り替えられるなど、ユーザーインターフェースも抜かりはない。全般的にかなり洗練されている印象を受ける。

 なお、本製品に同時に接続できるパソコンは1台のみである。別のパソコンが視聴中に接続しようとするとアラートが表示される。この際、admin権限を持っていれば、それ以外のパソコンの視聴を強制的に停止させることができる。

  • セットアップウィザードの初期画面。すべての設定はユーティリティーを用いてパソコンからウィザード形式で行う

  • ユーティリティがLAN上のSlingboxを自動的に発見してくれるので、IPアドレスを入力するといった手順は不要

  • 接続した機器や方式、テレビソースなどを選択しながら設定を順次進めていく

CPUやネットワーク環境に依存するも、パフォーマンスは概ね良好

 外出先からの接続は、ダイナミックDNSサービスなどを指定する方式ではなく、添付ソフトウェア「Slingbox Finder」のウィザードで発行されるFinder IDを入力する方式になっている。言ってみれば同社オリジナルのダイナミックDNSといった体裁で、WAN側のIPアドレスが固定でない場合でも、自宅外から容易にSlingboxに接続できるのが特徴だ。

 画面の解像度は、LANでは640×480、ルータを越えたWAN経由の視聴では320×240となる。640×480の映像を送信するにはかなりの帯域を必要とするため、WAN経由で320×240に落とされてしまうのは、仕方がないだろう。画質については、ネットワーク環境に左右されるとはいえ、WAN経由でも静止することなく、きちんと動画として観ることができるのは秀逸だ。

 パフォーマンスに関して、ネットワーク環境と同じく大きく影響するのが、CPUパワーだ。同じLAN内で視聴した場合、ペンティアム4 2.4GHzのデスクトップPCではほとんどコマ落ちは起きなかったのに対し、Efficionを採用したモバイルノートパソコンでは、CPUの使用率がほぼ100%のままとなってしまい、操作を受け付けなくなってしまった。TVチューナーユニットを内蔵しないパソコンでの利用が主であることを考えると、やや不安が残る結果である。

  • TVチャンネルは自動的にスキャンが行われるので、地域を選ぶ必要すらない

  • UPnPルータを利用しているのであれば、外出先からの視聴設定についても自動的に行われる

  • ウィザードが発行するFinder IDを用いれば、外出先からSlingboxへの接続が可能となる

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