本製品の大きな特徴として、8ボタンという多ボタンマウスでありながら、Windowsの標準ドライバで使えてしまうことが挙げられる。他社同等品では、拡張ボタンを使うためには専用のユーティリティーをインストールし、そこで拡張キーの割り当て・カスタマイズを行うのが一般的だ。ユーティリティーが常駐するため多少なりともリソースを食う形になり、ロースペックなマシンでは負担になる場合もあった。
本製品では、拡張ボタンにあらかじめ特定の機能が割り当てられているため、ユーティリティーをインストールする必要がない。デフォルトの状態では、本体上部の第4、第5ボタンに「PAGE UP」と「PAGE DOWN」、側面の一体化した3つのボタンにはIEラウンチャー、「戻る」「進む」が割り当てられており、ネット閲覧に便利な仕様となっている。チルトホイール機能(画面を左右にスクロールできる)は搭載されていない。
Windows標準ドライバを使用するということは、キーのカスタマイズを行ったり、複雑なマクロを割り当てることができないわけだが、アプリケーション側で多ボタンマウスへのキー割り当てをサポートしている場合は、それらを用いて設定が可能だ。たとえばタブブラウザの「Sleipnir」であれば、Sleipnirオプション→マウス割り当てで各ボタンのカスタマイズが可能なので、独自のキー割り当てを行うことができる(ただし第5ボタンまでとなる)。要は、アプリケーション側でキー割り当てが可能であれば、カスタマイズは原則可能、ということだ。
※Sleipnirはver2.40ベータにて確認。上面ホイールの手前にある第4・5ボタンには「PAGE UP」「PAGE DOWN」の機能が割り当てられており、縦に長いページを閲覧する際に便利だ。ただ、マウスをホームポジションで握った状態では、手前にあるPAGE DOWNボタンが非常に押しづらい。なにせ、ホイールとPAGE DOWNボタンの間にもうひとつPAGE UPボタンがあるため、ホイールとPAGE DOWNボタンの間は指の関節2つ分ほど離れてしまっているのだ。「PAGE UP」はホイールの向こう側、つまりマウスの先端寄りにあったほうが、操作性の点から言っても自然だったかもしれない。
左側面にレイアウトされている3つのボタンは一体化されており、ブラウザの「進む」「戻る」に相当する機能に加え、「IEラウンチャー」と呼称されるボタンが中央に装備されている。クリックするとInternet Explorerが立ち上がる(すでに立ち上がっている場合はホームページに移動する)というだけで、個人的にはイマイチありがたみがよくわからなかった。
なお、一般的に多ボタンマウスでは、サイドボタンは押しやすいマイクロスイッチが使われるのが常であるが、本製品はやや重みのあるタクトスイッチが採用されており、マウスの左右ボタンに比べてもクリック感は明らかに硬い。マウス本体がやや軽めなこともあって、サイドボタンを押そうとするとマウス自体が横方向にブレてしまう傾向にある。特に滑りやすいマウスパッドを使っている場合はこの傾向が顕著だ。
また、サイドボタンの前後、つまり「戻る」「進む」でスイッチの硬さがやや異なるのも気になる。今回借用したのが試作機であることも関係しているかもしれないが、試用時に気になった点として挙げておきたい。
本製品の特徴は、8ボタンでレーザー方式でありながら、市場想定価格4000円前後とリーズナブルな価格に設定されていることだ。ユーティリティーで拡張キーをカスタマイズできないなど、ハイエンドで使うには不満も残るが、むしろ標準ドライバだけで拡張ボタンが利用できるメリットを評価すべきだし、何よりこれだけの機能を誇りながら4000円前後で手に入るというのは非常に嬉しい。取り扱い店舗が少ない点は購入時のネックではあるが、リーズナブルな多ボタンレーザーマウスを探している方は、選択肢に加えたい製品だ。
GOTO'S CHOICE!
価格 | ★★★★★ 4000円前後と、レーザーマウスとしては格安 |
---|---|
使い勝手 | ★★★★☆ 側面ボタンが硬めで、星ひとつマイナス |
多機能さ | ★★★★☆ ボタン割当は原則カスタマイズ不可 |
高級感 | ★★★★★ 低価格ながらチープ感なし |
使いやすさ | ★★★★★ ユーティリティー不要で初心者も使いやすい |
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