電車の中などで、カバンから取り出してさっと使うことのできるtype U。スタンバイからの起動時間は約5秒といったところ。起動にはスライドタイプの電源スイッチを上にずらせばよい。電源ランプが緑色になり、すぐに利用できる状態となる。
起動時間は使用しているソフトウェアなどの状況により、異なってくるはずだが、今回の試用の範囲では概ね5〜6秒で使えるようになった。通常動作からスタンバイへの移行も5〜6秒だ。
ちなみに、完全にシャットダウンした状態からの起動や、シャットダウンではさらに時間がかかる。手元の時計で計測した限りでは、電源を完全に切った状態から起動させ、タスクバーのアイコンが全部出揃って使える状態になるまで1分30秒ほど。反対に使用状態からシャットダウンで電源が落ちるまでは25秒といったところだ。
このため、通常では、使用しないときはスタンバイで待機するほうが便利だろう。スタンバイの状態では冷却ファンは動かず、HDDも止まる。さらに心配な電池の消耗もあまりない。シャットダウンした場合には、スタンバイ以上に起動や終了時の処理やHDDの負荷で電源容量を必要とする。むしろ、うまくスタンバイを使い、費やす時間を節約したほうがよいだろう。
最近は1.8インチHDDを搭載するノートPCが小型タイプを中心に増えてきた。2.5インチと比べて1.8インチHDDの特長として、電源が3.3Vと低く、小さい分、回転部分が軽いために消費電力も小さくなっている。
type Uの1.8インチディスクはUltra ATAタイプが搭載され、従来のパラレルIDEに比べて転送速度の改善が図られている。容量は店頭モデルに30Gバイトが搭載され、ソニースタイルのBTOモデルはさらに小さい20Gバイトも選択できる。
容量が少なめとなっているためもあり、HDDにリカバリーの領域は存在しない。パソコンをまったくの初期状態に戻す際などは、オプションの外付け光学ドライブを装着し付属のディスクから再インストールの必要がある。
ひとことで言ってしまえばtype UはただのWindows XPパソコンだ。だが、機能も豊富である。
指紋センサーの搭載は、モバイル機では紛失の恐れもあるためパスワードが必須。毎回パスワード入力も面倒なので、それに変わるものとして便利に活用できる。指をなぞるタイプなのでセンサーに指紋がべったり残っているというセキュリティの不安も少ない。
対応機器が増えてきたBluetoothにも対応する。まったく使わないという人もいるが、Bluetooth機器は着実に増えている。今回も「Bluetooth オーディオコントローラー」やGPSのユニットを同時に発表しており、必ず役に立つインターフェースだ。
また、専用のクレードルにも機能が備わる。FeliCaリーダーが装備されており、クレードルに装着すればEdyカードはじめ非接触式のカードを利用できる。電子決済だけなく、個々のカードの番号をもとにしたセキュリティにも使われ、使い道が広がることは間違いない。
クレードルにはインターフェースも豊富で、USBポートが4ポートに増えるだけでなく、有線LANや外部モニター、AV出力なども備わっている。ACアダプターの入力もあり、クレードルにACアダプターを接続しておけば、クレードルに装着するだけで本体の充電も可能となる。
以上のようにtype Uを紹介したが、標準のWindows XPがこれだけ小さなPCで動くとは驚きだ。現時点では、インテル製CPU搭載Windows XP対応PCとしては世界最小・最軽量のパソコンとなる。
モバイル用途ではPDAという選択肢もあるが、やはりフルスペックのWindows XPにかなうものではない。モバイルでも機能面で妥協したくなく、いつでもWindows XPを肌身離さず利用したいなら、いますぐ"買い"のパソコンだろう。形状から言っても、ノートパソコンよりも使えるシーンが多いはなによりビジネスの現場に最適だ。
実際に購入する際は、ソニースタイルモデルではスペックが細かく選べる。ただし、店頭売りのモデルのスペックも非常に使い勝手の良いものになっているので、自分の必要に合わせて選択してほしい。
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