さて、気になる変換精度だが、以下のサンプルでご確認いただきたい。なお、あくまで筆者が試した範囲での結果であり、テキストの内容によって解析結果が大きく変わると思われる点はご了承いただきたい
原文と要約結果を見比べると、いくつかの傾向が見て取れる。ひとつは、形容詞が削られやすいことだ。例えば「美しい○○」という表現があると、「美しい」の部分が省略の対象になりやすい。おそらく全体の文脈を変えないための措置だと推測されるが、結果的に無機的な表現になりがちである。事務的な文章では有効かもしれないが、紀行やエッセー、文学書などにはあまり向かない傾向だ。
また、形容詞のほかに、「しかし」「それから」などといった接続詞も削られやすい傾向がある。製品レビューのようにメリットとデメリットが列挙された文章を要約すると、メリット・デメリットが個条書きに近い形で表示される結果を招く。用途にもよるだろうが、あらためて自分で論旨を整える必要がありそうだ。
なお、これらの要約は、あくまで日本語の文法が正しいことが前提になる。最初に主語−述語の結びつけが誤ったまま解析されてしまうと、それ以降はどうやっても正しくはならない。できればWordのように、文脈のおかしさを直接指摘してくれる機能があってもよいかもしれない。逆に言えば、どれだけ文章を短くしても主語述語がおかしくなることはめったになく、本製品の目玉である解析エンジンの性能の高さが現れている部分と言えそうだ。
いろいろと試行錯誤した上での結論としては、最終的に得たい文字数よりいったん短めに要約し、それを整えつつ自分で肉付けして指定字数まで増やす手順がベターのようだ。例えば1000字のテキストを800字に減らしたい場合、いったん700字に減らし、その上で文章の意味が通るよう肉付けすることで、だいたい求める長さの結果が得られる。前述の通り「しかし」「また」といった接続詞が優先的に削られるので、それらを肉付けしながら論旨を整えるのが良いだろう。
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