どちらを選ぶか?モデルチェンジしたレノボ「ThinkPad X60/ThinkPad X60s」 - (page 2)

IBM
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内容:レノボ・ジャパンのThinkPad Xシリーズが新しくなった。IBMから分かれ、レノボ・ジャパンとなって初めてのメインシリーズのモデルチェンジだ。今回は、特にX60を中心に、その派生モデルであるThinkPad X60sとの違いなども合わせて見てみる。

ThinkPadの特長、赤いトラックポイントとキーボード

 ThinkPadを語る上で、なくてはならないのは、赤いトラックポイントとキーボードだ。もちろん、このX60もそれを引き継いでいる。ただ、昨年発売のZ60シリーズから大きく変わったところがある。

 いままで、ThinkPadにはWindowsキーがなかったのだが、昨年秋のZ60シリーズにそれが付いたのだ。これはThinkPad Xシリーズにも引き継がれた。以前はWindowsキーがないことで、手前のキーの配列に余裕が生まれるという一面もあったが、Widnowsキーを多用しているユーザーからみれば装着はありがたいことだ。

 また、見た目の特長でもある赤いトラックポイントも健在。キーボードのホームポジションから手を離さずにマウスカーソル操作ができる点は、ユーザーからも熱い支持を受けている。以前はクリックのボタンに赤と青のラインが入っていたのだが、今回のモデルからそれがなくなり、見た目はさらにすっきりしている。

 キーボードの感触もまた、ThinkPadならではのものだ。特にキーのベースとなる部分の剛性感が高く、キーを押したときにしっかりとした印象を受ける。また、キーの感触についても重すぎず軽すぎず、ストロークの長さもちょうど良い。

  • このキーボードとトラックポイントがThinkPadであることの証し。クリックのボタンのカラーは今回からなくなった。その下にあるのは指紋センサー。

  • トラックポイントキャップ。現在、デフォルトで装着されるソフトドームタイプ。以前の機種のような固いギザギザのついたクラシックドームや、フチを持ったソフトリムも簡単に交換できる。

  • ThinkPad X60(左)とThinkPad X32(右)ではキーボードの角度が変化している。新型は前傾姿勢になり、パームレストも薄く感じる形状だ。

  • キーに刻印される文字も、ThinkPad X60(左)とThinkPad X32(右)で変化。新型はアルファベットの文字が若干大きくなっている。ローマ字打ちを考慮したものだという。

  • Xシリーズとしては初めてWindowsキーが装備された。あれば便利に使える反面、キーの並びが窮屈になる。Windowsキーの有無は賛否意見が分かれるところだ。

  • キーボードの上部に装備される「ThinkVantage」キー。これを押すと、サポートセンターへのアクセスをはじめバックアップなどの各種ツールを呼び出すことができる。

ThinkPad X60とThinkPad X60sの違いは……ほとんどない?

  • X60(下)とX60s(上)を比べたところ。排気口の大きさがX60のほうが大きいことがわかるだろうか。排気口内部の放熱フィンも銅とアルミの違いがある。

 ここで、誰もが気になるX60とX60sの差を確認しておこう。スペックで見ると、X60にはCoreDuo T2300/T2400と廉価モデルにはCoreSolo T1300の3タイプのCPUが用意されている。X60sは低電圧版となるL2300またはL2400だ。そして、仕様によっても異なるがX60sが200gほど軽くなっている。

 乱暴に言ってしまえば差はそれだけだ。ボディーの縦横の寸法も同じ。キーボードのサイズも同じ、液晶サイズも同じ12.1インチ。バッテリーもX60s専用の薄型の1タイプを除けば共通。そのほかの周辺機器も共通だ。当然のことだが、CPUの違いによってバッテリー稼働時間が異なっているが、大幅に違っているわけでもない。

 細かい違いを見ると、CPUまわりの冷却部分が異なり、ボディーの厚さが若干異なっている。X60は排気口のサイズも大きく、中に見える放熱のフィンもX60は銅製でX60sはアルミ製と異なっている。動作時のファンの音もわずかだがX60のほうが大きいが、気になるほどのものではなく、嫌な高い音がしないので静かな部類だ。

 周辺機器での違いでは、X60sだけに装着可能な「4セル・スリムライン・バッテリー」があるが、これはバッテリーの取り付け部の形状が若干異なっているため。現在、X60/X60s専用のバッテリーは合計4タイプが用意され、本体のバッテリースペースに装着できるのは3タイプ。そのうち、スリムラインバッテリーはX60s専用で取り付け部分の横幅は15mmほど大きい。

 他の2タイプはX60/X60s共通で、短いタイプのためX60s装着時はスペーサーを取り付けなければならない。その代わり太い充電池セルが入っており、バッテリー自体の厚みがあり、X60sに装着した場合はX60sのスリムさが失われる。背面部分の上下の厚さはX60と同じになってしまう。X60sのラインアップの中でスリムラインバッテリーを当初から装着しているモデルは1タイプのみで、X60sの薄さをなかなか実感できないのは残念だ。

 また、価格はX60sのほうが高めで、1万円ほどプラスになる。X60かX60sか迷っているなら、200gの差に1万円出せるかどうかが判断の決め手ということになる。

  • 外見上、唯一の違いとも言える底面。間違い探しゲームのようだが、X60(左)とX60s(右)のバッテリー部分の形状の違いや、CPU部分のふくらみなどがわかるだろうか。

  • 同じ「4セル拡張バッテリー」だが、X60sに装着する場合はスペーサーを装着する。スペーサーはX60付属のバッテリーには付属しないが、バッテリー単体の購入や、X60s付属の場合に付属する。

  • X60の床面はCPUを搭載や放熱のため、大きく張り出している。ただし、X60sも4セル拡張バッテリーを装着するとX40と同じくらいに張り出し、コンパクト機を買ったメリットが薄らいでしまう。

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