ThinkPadを語る上で、なくてはならないのは、赤いトラックポイントとキーボードだ。もちろん、このX60もそれを引き継いでいる。ただ、昨年発売のZ60シリーズから大きく変わったところがある。
いままで、ThinkPadにはWindowsキーがなかったのだが、昨年秋のZ60シリーズにそれが付いたのだ。これはThinkPad Xシリーズにも引き継がれた。以前はWindowsキーがないことで、手前のキーの配列に余裕が生まれるという一面もあったが、Widnowsキーを多用しているユーザーからみれば装着はありがたいことだ。
また、見た目の特長でもある赤いトラックポイントも健在。キーボードのホームポジションから手を離さずにマウスカーソル操作ができる点は、ユーザーからも熱い支持を受けている。以前はクリックのボタンに赤と青のラインが入っていたのだが、今回のモデルからそれがなくなり、見た目はさらにすっきりしている。
キーボードの感触もまた、ThinkPadならではのものだ。特にキーのベースとなる部分の剛性感が高く、キーを押したときにしっかりとした印象を受ける。また、キーの感触についても重すぎず軽すぎず、ストロークの長さもちょうど良い。
ここで、誰もが気になるX60とX60sの差を確認しておこう。スペックで見ると、X60にはCoreDuo T2300/T2400と廉価モデルにはCoreSolo T1300の3タイプのCPUが用意されている。X60sは低電圧版となるL2300またはL2400だ。そして、仕様によっても異なるがX60sが200gほど軽くなっている。
乱暴に言ってしまえば差はそれだけだ。ボディーの縦横の寸法も同じ。キーボードのサイズも同じ、液晶サイズも同じ12.1インチ。バッテリーもX60s専用の薄型の1タイプを除けば共通。そのほかの周辺機器も共通だ。当然のことだが、CPUの違いによってバッテリー稼働時間が異なっているが、大幅に違っているわけでもない。
細かい違いを見ると、CPUまわりの冷却部分が異なり、ボディーの厚さが若干異なっている。X60は排気口のサイズも大きく、中に見える放熱のフィンもX60は銅製でX60sはアルミ製と異なっている。動作時のファンの音もわずかだがX60のほうが大きいが、気になるほどのものではなく、嫌な高い音がしないので静かな部類だ。
周辺機器での違いでは、X60sだけに装着可能な「4セル・スリムライン・バッテリー」があるが、これはバッテリーの取り付け部の形状が若干異なっているため。現在、X60/X60s専用のバッテリーは合計4タイプが用意され、本体のバッテリースペースに装着できるのは3タイプ。そのうち、スリムラインバッテリーはX60s専用で取り付け部分の横幅は15mmほど大きい。
他の2タイプはX60/X60s共通で、短いタイプのためX60s装着時はスペーサーを取り付けなければならない。その代わり太い充電池セルが入っており、バッテリー自体の厚みがあり、X60sに装着した場合はX60sのスリムさが失われる。背面部分の上下の厚さはX60と同じになってしまう。X60sのラインアップの中でスリムラインバッテリーを当初から装着しているモデルは1タイプのみで、X60sの薄さをなかなか実感できないのは残念だ。
また、価格はX60sのほうが高めで、1万円ほどプラスになる。X60かX60sか迷っているなら、200gの差に1万円出せるかどうかが判断の決め手ということになる。
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