ThinkPad X60は、デュアルコアであるインテルCoreDuoプロセッサを搭載し、モバイルPCにおいてもデュアルコアプロセッサのパワーを扱える。さらに、サイズやバッテリー稼働時間も、以前のモデルのThinkPad X41とに比べ、それほど変わっていない。
なにより、ノートPCの定番として定評あるThinkPadの最新機種である。発表時点から期待が高まっている。今回は、特にX60を中心に、その派生モデルであるThinkPad X60sとの違いなども合わせて見てみる。
実はThinkPad Xシリーズの流れはちょっと複雑だ。2003年はじめにX31が登場し、その年末には大幅に軽量化されたX40へと続く。しかし、このX40はX31まで続く多くのユーザーを満足させることはできなかったといえる。
X40はX31に対し、超低電圧版のPentiumを搭載し、バッテリーの容量も標準仕様では小さく、HDDも2.5インチから小型・軽量・低消費電力の1.8インチになった。つまり、軽く、薄くなったもののCPUパワーがダウンし、バッテリー稼働時間も短くなった。さらに、細かなことでは、パラレルポートなどのレガシーインターフェースを切り捨てたことや、CFカードスロットからSDカードスロットに変更したこ、さらに、ビデオチップはMobilty RADEONを独立して搭載していたが、X40ではチップセット内蔵のものになってしまった。
これは、同じシリーズを順番に買い換えていたユーザーが、次のモデルへと乗り換える大きな障害となったはずだ。X40への買い換えは携帯性が良くなるとはいえ、失うものも大きいからだ。
そのため、一部のユーザーはX31を支持、X31は製品ページから削除された後も、ほそぼそと販売が継続され、その後、ついにほぼ同仕様のX32という後継モデルを登場させて、カタログにも堂々と復活するようになった。
ただ、X40も後退しただけではない。揺れや落下を関知するハードディスクアクティブプロテクションの搭載など、確実に進化した装備を搭載した。CFカードスロットからSDカードスロットへの変更など、PHS通信カードの利用という面ではマイナスだが、メモリーカードの主流の移り変わりや、通信インフラの変化など、今の時代の現状に即した面もある。
しかし、Sonoma世代のX41へと進化し、搭載のCPUも高速化するものの、決して長くないバッテリー稼働時間と1.8インチHDDの搭載は変更されず、X31から買い換え先を迷っていたユーザーも少なくない。
そこに登場したThinkPad X60/X60sでは、いままでのX32からの流れとX41からの流れの両方を引き継ぎ、さらに高性能モバイル機に仕上がった。レノボ・ジャパンの担当者のインタビューなどでは、X3シリーズからはX60、X4シリーズからはX60sへの買い換えが適当と言われているが、どちらのユーザーがどちらに乗り換えても十分満足のいくものとなるだろう。
まず、HDDは2.5インチとなり、転送速度はもちろん、最大容量でも不満はなくなった。X60/X60sともにの上位モデルでは100Gバイトを装備したものもある。
バッテリーの問題も改善されている。通常電圧版のCoreDuo T2300を搭載するX60では、バッテリー稼働時間はJEITA測定法 1.0で4.2時間だ。これは4セル拡張バッテリーを搭載した場合の数値で、Pentium M 778搭載のX41は、4セルバッテリー時に2.4時間であったことからも、モバイルとして実用領域に入ったといえるだろう。
その上、サイズはX40/X41と縦横が変わらない268mm×211mmのままだ。X32と比べてみると、一回り小さいボディーながら非常にコンパクトになった印象を受ける。パームレスト下にバッテリーを搭載していたX32に比べ、背面にまわったX60シリーズは、前方がさらに薄くなり、見た目の薄さをより際だたせている。
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