ATOKを多くのプロが支持するそのワケは?──ジャストシステムATOK 2006 for Windows [電子辞典セット] - (page 2)

ジャストシステム
内容:日本語入力の快適さを追求するユーザから、熱烈な支持を受けるATOK。その最新バージョン、ATOK 2006 for Windows(以下、ATOK 2006)がついにリリースされた。高い変換精度と、入力操作の省力化を追求したATOKシリーズは、どこが変わったのか? そしてどんな機能が追加されたのか? さらに「なぜMS-IMEではなくATOKなのか?」も含めてレポートしたい。

着実に進化するATOK 2006

 今回入手して使用したパッケージは「電子辞典セット」、明鏡国語辞典とジーニアス英和/和英辞典がATOK 2006とセットになったものだ。日本語の文章を組み立てていく際、辞典が見たい、辞典を引きたいというシーンも多いはず。そんな時に便利な辞典が、日本語入力システムとセットになって連携してくれるのだ(辞典との連携は後述)。

 そんなATOK 2006だが、基本的に進化はゆるやかである。バージョンアップごとに日本語変換の精度は向上し、新しい機能も増えていっている。しかし、基本の操作方法は継承され、相当に古いバージョンのATOKを使っていた人でも、最新のATOK 2006をすぐに使いこなせるはずだ。もちろんその際にはより高い変換精度、新機能といったメリットが得られるのだが。

 さて、ATOK 2006に搭載された新機能で、もっとも興味深いのは「推測候補モード」だ。この機能は読んで字のごとく、入力された読みからATOK 2006が「候補を推測」してくれるというものだ。候補となるのは慣用表現、過去に入力されたフレーズである。なお、この機能はモードとして用意されているため、使用するにはまず、そのモードに入らなくてはならない(標準状態ではCtrlキー+変換キー)。

 推測候補モードに入った状態で、たとえば文中に「よろ」と入力したとする。するとATOK 2006は候補を推測し、それを表示してくれるのである。「よろしくお願いします。」、「よろしくお願いいたします。」といった具合だ。もちろん「よろ」の段階で推測しているのだから「よろしくご指導ください。」なども候補に入ってくる。慣用句がよく登場するビジネス文書や定型文書などで、絶大な効果を発揮してくれる。

 さらに推測候補モードは、英単語や英語文例の入力でも活躍してくれる。使い方はきわめて簡単、推測候補モードに入ってから、アルファベットを入力して行けばいい。入力されたアルファベットに応じて候補が表示されるので、任意のものを選べばいいのだ。もちろん候補を選択する際に、その意味を電子辞典にあたることもできる。

 また、自分で入力したフレーズも候補として表示されるので、同じフレーズが何度も登場するような文書の作成でも便利だ。モードはオンオフ可能なので、必要に応じて切り替えるといいだろう。

●推測候補モード

  • 「よろしくお願いします」系のフレーズは、さまざまな形でよく使われる。とくにビジネス系の文書、手紙などの作成で効果を発揮しそうだ。

  • 「ほん」の推測候補にも、よく使いそうなものが並ぶ。「ほん」から入力を進め、「ほんとうにあ」などと入力を進めれば、候補がどんどん絞られてくる。

  • パーソナルな文書作成でも推測候補モードは活躍してくれる。「ち」から始まる推測候補、トップの「ちょー好き」は私が以前入力したものだ。推測候補モードは、個人がよく利用するフレーズの入力にも役立つ。

  • 推測候補モードで「gen」から始まる英単語が候補として表示された。「gender」でも、「genius」でも候補から選ぶだけ。

  • 「確か使いたかったのはgeniusだったはずだが、意味から確認しておきたい」という時は、候補にカーソルを合わせてEndキーを押す。すると連携している電子辞典から、意味を検索できる。

  • 推測候補モードは簡単にオンオフを切り替えられる。必要に応じてオン、普段はオフという使い方になるだろう。

 日本語入力時の学習では、「訂正学習」という機能が光っている。この機能では入力し直した単語を、ワンタッチで学習できるというものだ。この機能で人名や一般的ではない略語を登録して行けば、文書作成がどんどんスムーズになる。

 たとえばスタジオなどでは「レコーディング担当者」を、「レコ担」などと短縮して表現する場合があるかも知れない(私はスタジオ関係者ではないので、分からないのだが)。そんな時はまず「れこたん」で変換を試みるだろう。候補に「レコ担」がなくてもがっかりすることはない。ここで確定前にESCキーで入力を取り消し、次に「レコーディング」と入力、確定して「レコ」までを残す。

 さらに「担当」と入力、確定して「担」だけを残して「レコ担」の状態にすると、画面に訂正学習のメニューが表示されるので、「Shiftキー+Enterキー」を押せば「レコ担」が学習される。このような仕組みのため、人名の学習などにも効果を発揮するという訳だ。

●訂正学習

  • 「レコ担」と変換したいが、そんな単語は登録されていない。ESCキーでいったん入力を取り消す。

  • すぐに「レコーディング」と入力。

  • 「レコ」だけを残す。

  • 次に「担当」と入力、変換する。

  • 「担」だけを残すとその段階で、訂正学習のツールチップが表示される。学習する場合は「Shiftキー+Enterキー」、修正して単語登録する場合は「Ctrlキー+F7キー」を押す。

 ビジネス文書や公文書などの作成という点では、日付や時刻の入力機能が大変便利である。この新機能は実にシンプルなもので、たとえば「きょう」と入力して変換すると「今日の日付」が候補として表示されるというものだ。「いま(その時点の時刻)」、「あした」などでも使えるし、「2006/2/15」を「平成18年2月15日(水)」と変換することもできる。スケジュール作成などにも応用できそうだ。

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