ソニー、プロユース訴求へ本腰--静止画も動画も「α」で

 「Meet“α”for Professional」の会場の様子。

 「Meet“α”for Professional」の会場の様子。

静止画と動画の境界線が消滅している

 ソニーマーケティングは、プロフォトグラファーやプロビデオグラファーを対象としたプロフェッショナル向けデジカメ展示会「Meet“α”for Professional」を、11月10~12日の3日間、東京・芝公園の東京タワーメディアセンターで開催している。

 ソニーマーケティングが、デジカメをテーマに、プロフェッショナル向けに展示会を開催するのは、今回が初めてとなる。

 ソニーの「α」シリーズの本体およびレンズ、アクセサリを一堂に展示するとともに、αマウントシステム向け製品などを展開しているメーカーも出展。静止画のライティングシステムや動画編集のソフトウェア、ビデオモニタ、ハンドヘルドジンバルなどを活用した、αによる各種ソリューションが提案された。

 今回の展示会を開催した背景には、プロフォトグラファーやプロビデオグラファーが置かれた立場の変化が見逃せない。

 ソニーマーケティング プロダクツビジネス本部デジタルイメージングビジネス部統括部長の小笠原啓克氏は、「プロフェッショナルの表現における静止画と動画の融合がさらに進行。従来の静止画と動画の境界線が消滅している」と指摘する。

 ウェブ媒体の広がりとともに、紙媒体が縮小。フォトグラファーの仕事が減少する傾向がみられたが、昨今では、動画サイトの広がりや企業でもサイトで動画を活用する例が増加。プロビデオグラファーの活躍の場が増加する一方で、プロフォトグラファーに対しても動画撮影などの新たな仕事が発生しているという。特にサイトに適した数10秒の短尺の動画に対する需要が増加しており、プロフェッショナルの間でも、デジカメの動画機能を活用するケースが増加しているという。

プロ市場に向けて「α」の販売を強化

 今回の展示会では、αシリーズを活用して、静止画の仕事だけでなく、動画の仕事も請け負うことができるソリューションを提案するほか、ビデオグラファーに対しても、可搬性が高く、低コストで導入できるαシリーズの活用を提案する狙いがある。

 「αシリーズが持つ動画撮影性能を生かすとともに、『α7s』の高解像度撮影なども、動画の撮影環境において適していることを訴求している。さらに、プロフェッショナル向けのビデオカメラに比べて小型であるため、特殊な撮影環境にも利用できることを提案した。動画撮影のロケハンにαシリーズを活用したり、予備のカメラを持ち運ぶ際にもαシリーズを活用したりといった例も出ているほか、街中のロケでもカメラマン1人で撮影に出向くことも可能になる」(ソニーマーケティングジャパン プロダクツビジネス本部デジタルイメージングビジネス部フォトカルチャー企画推進課統括課長の北村勝司氏)と、動画撮影におけるαシリーズの具体的な活用シーンを提案する。

 さらに、「カメラメーカーである当社だけの展示では、提案にも限界がある。αシリーズに対応した製品を開発、販売しているメーカーと連携することで、幅広い展示が可能になる」(北村氏)とし、11社がこの展示会に参加したほか、展示企業によるセミナーも開催された。

 参加企業は、以下の通り。日本マイクロソフト、ブラックマジックデザイン、ATOMOS、DJI JAPAN、マンフロット、ノビテック、テイアック、山本工業所、フェーズワンジャパン、エプソン販売、プロフォト。

 動画シューティングコーナーや静止画シューティングコーナーを用意。これらの参加企業の製品を活用して、S-Logによる動画撮影のほか、スタジオでのポートレート撮影、商品撮影を体感できるようにしていた。

 今回は東京のみでの開催だが、今後はプロフェッショナル市場に対するαシリーズの販売を強化する姿勢を見せており、その一環としてプロサポート体制を強化。東京・銀座でのプロサポート窓口に加えて、大阪、名古屋、福岡、札幌でもプロサポート窓口を開設する考えを明らかにしたほか、第一線で活躍するプロフェショナルの活用事例を紹介する「α Universe」を配信し、情報を共有することでプロシェッショナルの活動を支援していくという。

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