“小型軽量”という高性能──ペンタックス *ist DL - (page 2)

ペンタックス
内容:最近の一眼デジカメの世界では概ね高画素数のモデルが出そろったこともあり、エントリーモデルにおいては小型軽量を競うことが流行のようである。2003年9月に発売されたペンタックス初の一眼デジカメ「*ist D」から1年10カ月。進化した「*ist DL」とは?

写真を楽しむための*ist DL

 私の「*ist DL」においての撮影スタイルだが、WBはオートもしくは太陽光。撮影モードはP(プログラム)。スナップ撮影においてはほとんどこのモードで問題ない。ただし被写体の状況により露出補正は必要だ。こころなしか露出はアンダー気味に出る傾向があるように思う。16分割測光を選択していても逆光の際の露出補正はかかせない。もちろん露出モードは各シーンモードを選択しても構わない。また被写体を自動識別して最適なシーンモードを選んでくれると言う親切な「オートピクチャ−プログラム」というモードも用意されている。実際に試してみると確かに自動的にモード選択をしている様子ではあるが、さほど必要は感じない。むしろ予想外のモードになりオートストロボが勝手に発光するなどあまり好ましくない場合もあるので、私はほとんど使用していない。とはいっても初めて一眼レフカメラを使用するという方にとっては便利なモードには違いないだろう。

 「*ist DL」の面白い機能としてあるのが、「デジタルフィルタ」機能である。本来ならば撮影した画像をPCに取り込み、レタッチソフトなどで加工しなければいけないような演出がカメラ内において処理できてしまうのだ。その中でも「白黒」フィルタは貴重だ。初期プロ機には白黒モードが搭載されていたものもあったのだが、最近ではあまり見かけなくなってしまったのだ。ただし本機の白黒フィルタは始めから白黒で写るものではなく、撮影したカラー画像を白黒変換するものである。私の感覚でいうと白黒撮影は白黒オンリーで行ってほしいところだが、一般的にはカラーも白黒も、という方が親切なのであろう。いずれにしてもデジカメだからできる技だと言えるだろう。

 このように「*ist DL」はエントリー機という役目を持ちながらもさまざまなシーンで活躍できる能力をもったデジカメであると言える。このカメラは気楽に持ち歩き、いつでもどこでもだれでも、シャッターを切ることで写真を楽しめる、そんなカメラである。ぜひともこのカメラで新しい楽しみ方を見つけてほしい。

 おまけ  isopyの物欲度 星4つ

「*ist DL」サンプル画像

以下3点露出モードによる違い。同じ条件下で露出モードを切り替えて撮影してみた。 風景モードにおいて、絞りを一段絞り込む方向へプログラムシフトされてはいるが、実際のところはほとんど違いは感じられない。

オートピクチャー(標準) ISO200 1/640,F8.0 
プログラム ISO200 1/640,F8.0
風景モード ISO200  1/320,F11

作例

これもPモードで撮影だがサラダのシズル感はしっかりと表現されている。
店内の電球光での撮影だが、AWB設定にも関わらずWBが無理に変換されていないので写真に情感が残っている。電球光の暖かさはそのままでよい。
コンテナの赤と強い太陽の反射光。条件の厳しい被写体でも色が張り付く事無く金属の質感を表現できている。コンパクトデジカメではこうはいかない。
今回使用したレンズ「DA18mmF3.5〜55mmF5.6AL」は色収差も少なく広角域での描写も優秀だ。
窓辺にころがるネコ。窓外からの強い光に白い部分はとんでしまっているが、ヒゲや顔の部分の毛はしっかりと描写されている。

デジタルフィルター作例

カラーのオリジナル画像。白黒変換を考えて若干アンダー気味の露出。
デジタルフィルターで白黒変換。カラーとは違う落ち着いた表現。
デジタルフィルターでセピア変換。情緒的とも言えなくはないが、単純に変換するだけでは重みが感じられない。いろいろと工夫してみてほしい。

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