モトローラが語るIPTVと3D--その現在と未来

加納恵(編集部)2010年06月25日 10時56分

 モトローラは6月24日、ホームビジネス部門が手がけるセットトップボックス(STB)や、3Dテレビなどに関する説明会を開催した。STBのマーケットシェアや独自調査から導き出したユーザーニーズ、新製品などを紹介した。

モトローラの取締役ホームビジネス担当 鈴木寛氏 モトローラの取締役ホームビジネス担当 鈴木寛氏

 モトローラの取締役ホームビジネス担当である鈴木寛氏は「モトローラの2009年度におけるSTBマーケットシェアは、売上高で33%、ユニット数でも24%と、ナンバー1を記録している」と現状を話す。しかし今後の市場に関しては「『Apple TV』やこれから登場する『Google TV』など、インターネットと接続してテレビを見るようなものが出てきた。これをオーバー・ザ・トップ(OTT)と位置づけているが、これらの登場により複雑になってきた」と認識しているという。

 そうした中、米国と英国で1000人規模のユーザーアンケートを実施し、3つのニーズが見えてきたという。そのニーズとは「コンテンツ」「コミュニティ」「コントロール」。それぞれの頭文字を取り、同社では「3つのC」と呼んでいる。

 「ユーザーアンケートは、16〜64歳を対象に実施したが、年代による差がなくデジタルデバイドは存在しないという結果が得られた。その中からニーズとして浮かび上がってきたのは、一貫した『コンテンツ』体験に期待したい、ソーシャルなネットワーク『コミュニティ』につながることで安心感を得たい、いろいろなコンテンツとデバイスを自分の好みに合わせて『コントロール』したいという3つのCだった」(鈴木氏)と分析する。

 また、インターネットとの融合により、中身や存在が大きく変わったテレビは、「Internet Era of TV」になるとし、放送番組以外に増えているコンテンツ配信形態を、テレビだけではなくPCや携帯電話、スマートフォンなどマルチスクリーンに対応し、配信する方向性を示した。

  • Internet Era of TVへの推移

  • サービスプロバイダの成功要因

画期的機能を内蔵した3D対応STBを発表

 対応テレビやコンテンツの登場により、注目度の高まる3Dテレビに関しては「ここにきて高い注目を集めている。サービスプロバイダとして対応しなければいけない」(鈴木氏)ことを表明。すでに北米では3Dテレビ対応のSTBも発表済みだ。

 3D対応のSTBは、2Dと3Dのコンテンツを切り替えても、STB側が判断し、ユーザー自らが2D、3Dの切り換えをせずに視聴できる機能を内蔵する。鈴木氏は「2D、3Dのコンテンツをシームレスに行き来できるこれまでにない画期的な製品」とした。

 また、日本市場向け製品として、auひかりのビデオ・チャンネルサービスユーザー向けにHD-STB「VIP2060」の提供をするとしている。VIP2060は、500GバイトのHDDを内蔵し、録画機能を持つSTB。IP多チャンネル放送に加え、アンテナ接続することで地上、BS、110度CSデジタル放送も受信、録画できることが特長だ。

 最後に鈴木氏はインターネットテレビ時代の進化として、「3〜5年後には、マルチスクリーンサービスは最低条件。10〜15年後にはコンテンツとコンテキストが連携し、好きな場所で好きな時にコンテンツが楽しめるようになる」と未来を示した。

  • 3Dテレビ対応のSTBのデモ

  • 「VIP2060」アンテナ線が搭載されている

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